米・テスラ(本社:米国カリフォルニア州パロアルト)を率いるイーロン・マスク氏が2002年に設立した民間宇宙ベンチャーのスペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(Space Exploration Technologies Corp.、本社:米国カリフォルニア州ホーソーン)こと「スペースX(SpaceX)」は、Falcon9のブースターを3基搭載したFalcon Heavy(ファルコン・ヘビー)のテスト発射に成功した。
発射試験は、米国時間2月6日・東部時間午後1時30分、スペースシャトルやアポロの打ち上げも行われたフロリダ州ケープカナベラルのケネディー・スペースセンターのLC-39A発射施設から打ち上げられた。
同社公式資料によると、今回打ち上げられた大型ロケット「Falcon Heavy」は、Falcon9に搭載したMerlinエンジンを9基装備するブースターを3基用いたもの。
地球低軌道への衛星打ち上げ能力は、63.8トン(140,700lbs)、静止遷移軌道へ投入可能の積載量は26.7トン(58,900lbs)を誇る。仮に火星へ向けて火星有人探査を行うとすると16.8トン(37,000lbs)の貨物を宇宙に向けて送り出すことができると云う。
ただ今回の大型ロケットの打ち上げテストに至るまでには紆余曲折があり、2013年の発射目標を延期し続けて遂に5年。今、打ち上げはスペース・エクスプロレーション・テクノロジーズにとっても世界最大のロケット打ち上げ成功となる歴史的な第一歩になった。
なお2010年に、国際宇宙ステーション (ISS) と商業軌道輸送サービス(COTS)を行うロケット事業の商用化自体には既に成功している。
ちなみに今回打ち上げられた積載物は、TeslaRoadsterであった。試験とはいえ、せっかく積載物を載せて大型ロケットを飛ばすということから、どうやらマスク氏の事業に関わるパフォーマンスの一環として、テスラ製の電気自動車を、火星を周回する軌道に載せることを目指しているようだ。
スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズのWebサイトを経由して、宇宙服を着たダミー人形がドライビングシートに座っているTeslaRoadsterの様子が今後、宇宙を漂うクルマと地球との通信が途絶えるまではライブ映像で眺められる。なおFalcon・Heavyに搭載したブースター3基は、同社プロジェクトに沿って回収される予定となっている。
View from SpaceX Launch Control. Apparently, there is a car in orbit around Earth. pic.twitter.com/QljN2VnL1O
— Elon Musk (@elonmusk) February 6, 2018