ビー・エム・ダブリュー日本、極限での走行性能を極めた「BMW M4 CS」を導入


日本国内60台限定。460馬力/600Nmの6気筒ツインパワー・ターボに、軽量化車体でサーキットパフォーマンスを高める

ビー・エム・ダブリュー株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:ペーター・クロンシュナーブル、以下BMW)は、サーキットに於ける走行性能を高めた世界限定車「BMW M4 CS(シーエス)」の日本仕様の受注を5月10日より開始する。

これは高性能スポーツ・カーBMW M4(エムフォー)をベースに、極限の走行性能を高めるべく仕様変更を施した限定車で、日本国内では日本向け仕様車を全国60台限定で導入し、BMW 正規ディーラーを介して受注を受け付ける。納車自体は、本年秋以降を予定している。

ベースモデルとなったBMW M4は、サーキットでの運動性能と日常走行における実用性を備えたドライビング・マシンであるが、先に同車のエンジン性能を高めたモデルとして「BMW M4コンペティション」が存在する。

そして今リリースのモデルは、そこからよりエンジン性能を上げて車体を軽量化。究極の走行環境であるサーキットに於ける絶対性能を高めたものが「BMW M4 CS」である。

その主な特徴は以下通り。

サーキット走行に適したドライビング・ダイナミクスを追求
BMW M4 CSの心臓部として搭載される3リッター直列6気筒Mツインパワー・ターボ・エンジンは、BMW M4コンペティションよりも7kw(10ps)アップの最高出力338kW [460ps]/6,250rpmを発揮する。

トルクは50Nm増大し、最大トルク600Nm/4,000-5.380rpmである。このパフォーマンスにより、BMW M4 CSはスーパー・スポーツ・カーの走行性能を得ており、0~100km/hの発進加速タイムは4秒を切る3.9秒となっている。※ヨーロッパ測定値。

走行音は、BMW Mモデル特有のエンジン・サウンドを奏でるため、BMW M4 CSには、4本出しのテールパイプ付きツイン・フロー・スポーツ・エグゾースト・システムを装備している。

その構造は、テールパイプをリヤ・ディフューザーと一体化することによりレーシーなデザインを形成すると共に、BMW Mモデル特有のスポーティなサウンドを生み出している。

BMW M4 CSは、ダンパー設定が異なるコンフォート、スポーツ、スポーツ+の3つのモードから作動モードを選択できるアダプティブMサスペンションを標準装備している。

これにより例えば、市街地走行ではコンフォート・モードを選択することで最大限の走行快適性が得られ、主に高速道路ではスポーツ・モードによって特にダイナミックな走りを愉しむことが可能となった。

さらに、サーキットを走行する場合などはスポーツ+モードを選択することで、サスペンションが最も硬く設定され、ボディの揺動を最小現にしながら最高レベルの運動性能を得られることが可能だ。

搭載されるアクティブMディファレンシャルによっても、BMW M4 CSは、いかなる状況下でも高水準なトラクションと走行安定性を提供する。

なお走行中は、ダイナミック・スタビリティ・コントロール(DSC)と常にデータを交換しており、アクセル・ペダル位置、ホイール回転数、ヨーレートも考慮し、その時々の走行状態に応じて素早く確実な反応を行ない、特にサーキットなどの過酷な走行条件では、例えばヘアピン・コーナー出口での加速、路面の摩擦係数の変動など、あらゆる場面に対応した走行安定性のため、各システムがトラクションを最適化させている。

一方、通常はアンダーステアやオーバーステアの傾向を、ダイナミック・スタビリティ・コントロール(DSC)によるエンジンとブレーキの制御により修正する。

さらにより走りを高めていくとBMW M4 CSに装備のMダイナミック・モード(MDM)の介入により、ホイール・スリップの許容範囲が拡大され、軽度のドリフト走行を可能にし、特にサーキットでのスポーティでダイナミックな走行を愉しむことが可能となる仕組みだ。

スタイリングはサーキット走行に相応しいパワフルなデザイン
車体のディティール面について、まずフロントのエクステリア・デザインは、躍動感あるアスリートのような印象を与え、このクルマが高性能スポーツ・カーであることをはっきりと主張している。

最新のLED技術を採用した片側二灯式ヘッドライト、ブラックに塗装されバーを持つフラットでワイドなキドニー・グリル、3つに分かれた大型のエア・インテークを持つフロント・スポイラーにより、運動性能の高さを強調している。

対してリヤ・デザインは、CFRP製のリヤ・スポイラーにより、視覚的にスポーティなアクセントとなるだけでなく、リヤ・アクスルに働く揚力を低減することで、ロード・ホールディングとトラクションを最適化するのに役立っている。

さらに、CFRP製のリヤ・ディフューザーは、エグゾースト・フラップ付きツイン・フロー・エグゾースト・システムの4本出しMロゴ付きのテールパイプとも視覚的に調和を保ちつつ、フロア下を流れる気流を最適化し、ロード・ホールディングの改善に寄与している。

インテリアに於いては、肌触りの良いレザーと上質なアルカンターラを基調としており、運転席と助手席には、コントラスト・ステッチ付きレザー・メリノ・ブラック&アルカンターラ・インサートおよびMストライプ刺繍が施され、また、バックレストには照明で浮かび上がるM4のロゴがあしらわれた、軽量化されたBMW M4 CS専用のスポーツ・シートが採用されている。

この専用シートは、サーキットでの過酷な走行条件でも完璧なサイド・サポートを提供し、ロング・ドライブでも優れた快適性を提供する。

さらにインテリア・トリムはアルカンターラ張りがされおり、モデル名のCSのロゴが浮かび上がり、専用モデルであることを車内においても印象付けている。

加えてドア・シル部分には、M4 CSロゴ付きエントランス・ストリップを装着。サイド・デザインは、BMW M4 CS用に専用開発されたオービット・グレイの鍛造アロイ・ホイールが、特徴的である。

10本スポークのデザインは、ドイツ・ツーリング・カー選手権(DTM)で成功を収めたM4レーサーのホイールに倣ったものであり、サーキットでの最高の運動性能を誇るため、軽量化を追求している。

そのサイズは9J x 19のフロント・ホイール重量は約9kg、10J x 20のリヤ・ホイール重量はわずか約10kgと、徹底的に軽量化され、同社によると極めて高い運動性能に寄与したとしている。

主な車両諸元(ヨーロッパ仕様値)
全長4,672mm、全幅1,870mm、全高1,392mm、ホイールベース2,812mm、車両重量1,580kg、排気量2,979cc、直列6気筒ガソリン・エンジン、最高出力338kW (460PS) /6,250rpm、最大トルク600Nm/4,000-5,380rpm。

モデル:BMW M4 CS
トランスミッション:M DCT
メーカー希望小売価格(消費税込み):¥ 15,980,000-

BMW M4 CSの主な装備

  • BMW Individualハイグロス・ブラック・シャドーラインキドニー・グリル/サイド・ギル
  • 専用CFRP製フロント・スプリッター
  • 専用M アロイ・ホィールVスポーク・スタイリング763M(オービット・グレー塗装)
  • タイヤフロント:265/35 R19
  • タイヤリヤ:285/30 R20
  • 専用CFRP製リヤ・スポイラー/リヤ・ディフューザー
  • 専用オーガニックLED(OLED)テール・ランプ
  • 専用バケット・シート(レザー・メリノ: ブラック&アルカンターラ・インサート)
  • 3点式シート・ベルト(Mストライプ付)
  • 専用アルカンターラM スポーツ・ステアリング・ホィール(センター・マーク付)
  • 専用アルカンターラ・アンソラジット・トリム(CSレタリング付)/センター・コンソール/ハンド・ブレーキ
  • 専用アンソラジット・ドア・トリム/ストラップ(M ストライプ付)
  • 専用Hi-Fiスピーカー・システム(600W / 12スピーカー)
  • M ドライバース・パッケージ

この車両を手掛けたBMW M社(M GmbH)は、ドイツBMW本社を親会社とする企業である。そんなBMW M社(1972年設立)は、3つの事業分野から構成されている。

1つが今回発表のBMW M4 CSなどの高性能モデル、および、M Sportなどに採用される専用部品の開発である。

2つ目が市販モデルには設定の無い特殊なカラーや素材、装備などを使用した特別注文プログラム「BMW Individual」による車両の製造。3つ目が2輪および4輪のBMWドライビング・エクスペリエンスのカリキュラム開発および実施である。