KKRはカルソニックカンセイの長期的な成長目標を支援
世界有数の資産運用会社であるKKRと、日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区 社長:カルロス ゴーン)は11月22日、KKRの傘下の投資ファンドが保有する特別目的会社であるCKホールディングス株式会社(以下、公開買付者)が、大手自動車部品メーカーであるカルソニックカンセイ株式会社(以下、CK)の全ての既存株式に対し株式公開買付け(本TOB)を実施する意向であることを発表した。
本TOBに関連して、公開買付者は、CKの筆頭株主である日産と同社が保有する約41%のCK普通株式を取得するための公開買付応募契約(以下、本応募契約)を締結した。
本TOBは、本応募契約に定める諸条件が充足された場合に実施される予定であり、公開買付者は現在、2017年2月下旬に本TOBを開始することを目指している。
CKは、内装、空調システム、コンプレッサー、排気システム、電製部品などを扱う大手自動車部品メーカーであり、最大顧客である日産他、ルノー、いすゞ、ダイムラー、ゼネラルモーターズをはじめとした自動車メーカーと取引を行っている。
日本の金融商品取引法に基づく買付け条件その他所定の条件のもと、公開買付者は、CKの発行済み普通株式を取得するために本TOBを実施する予定。
CKは、公開買付者からの提案を踏まえて、本TOB開始日より前の日を基準日として、本TOBの成立を条件とする特別配当(以下、本特別配当)を行うための手続を行う予定。
公開買付者は、CKの既存株主に対して交付されるべき対価について、普通株式1株につき1,860円とする予定であるが、CKにおいて、本TOB開始日までに本特別配当を行う旨の決議が行われた場合には、買付価格を普通株式1株につき1,860円から1株当たり本特別配当の額を控除した額とする予定。
なお、本日時点においては、本特別配当における1株あたりの配当金額は570円程度(但し、570円を上限額とします。)を予定しているが、最終的な配当金額は、会社法上の所定の手続を踏まえて確定することになる。
提示価格について
– 2016年10月27日まで12か月のCKの株価の出来高加重平均価格(VWAP)に109.3%のプレミアムをつけた価格。
– 2016年10月27日まで6か月のCKの株価のVWAPに113.6%のプレミアムをつけた価格。
– CKの発行済株式(自己株式を除く)が267,882,277株であることから、提示価格に基づくCKの時価総額は、4,983億円と試算される。
日産のCCO(チーフ・コンペティティブティブ・オフィサー)である山内康裕氏は、「今回の合意は、我々の重要なパートナーであるカルソニックカンセイの更なる競争力強化を願う日産の意向と、KKRのカルソニックカンセイの将来性に対する高い評価が一致した結果であり、カルソニックカンセイ、及びその株主にとって最良の選択です」と述べている。
KKRのメンバーでKKRジャパン代表取締役社長の平野博文は、「カルソニックカンセイは、高品質の製品を世界最大手の自動車メーカーへ供給するトップクラスの自動車部品メーカーです。
KKRは、カルソニックカンセイ経営陣のパートナーとして、同社の成長目標達成の支援を目指すとともに、当社のグローバルネットワークと業界における知見を、カルソニックカンセイが世界的な成功を続けていくために活用していく所存です」とコメントした。
なおKKRは、本件に伴い同社のアジアファンドⅡからの投資を行う。KKRは2010年より、同社の汎地域的なプライベート・エクイティ・ファンドを通じて日本への投資を行ってきた。
同社は、アジア地域において今までも、そしてこれからも、日本に重点を置いていく。
これまで、KKRは、日本において、大手人材サービス企業のインテリジェンス、パナソニックが事業分離したヘルスケア事業を行うパナソニック ヘルスケア、パイオニアが事業分離したDJ機器事業を行うパイオニアDJの3つの企業買収を完了させてきた。