阪神高速道路株式会社（本社:大阪市中央区、代表取締役社長：山澤 俱和）は、６月９日に大阪府警察・愛媛県警察共同捜査本部が、阪神高速道路その他の道路に於いて料金所を強行突破していた運転者１名を道路整備特別措置法違反の容疑で、大阪区検察庁に送致したと発表した。
これは、前面のナンバープレートを外したり、隠蔽した複数台の車両で、料金所の強行突破を繰り返していた事について、阪神高速道路の調査を基に大阪府警察へ通報したことが契機となり、逮捕に至ったもの。
容疑者に対して阪神高速道路は、不法に免れた通行料金に加え、割増金(不法に免れた通行料金の２倍)を請求する予定と云う。
阪神高速道路では、「当施設は、お客さまの通行料金により運営されております。不正に通行料金を免れていた容疑者が逮捕されたことは、料金負担の公平性の確保と不正通行の抑止につながるものと考えております。
弊社では、今後も積極的に警察や関係機関と連携し、不正通行者に対しては厳正に対処してまいります」と述べている。
不正通行への対応
阪神高速道路では、有料道路制度の根幹を揺るがしかねない不正通行に対し、「不正通行監視システム」を活用することで不正通行を行った車両・運転者を特定し通行料金・割増金を請求、徴収するとともに、悪質とみられるものについては積極的に警察へ通報するなど、厳正に対処している。
不正通行の主な事例
- ＥＴＣ専用、ＥＴＣ一般レーンで、路側表示器（LED 表示）が【STOP 停車】を表示しているにも関わらず、無停車で通過する、閉じている開閉バーを押し破って通行する、または前車に接近して開閉バーが閉じる前に通行する。
- 一般レーンで、現金やＥＴＣカード手渡しによる支払いをせずに通行する。
- 偽造ＥＴＣカードや有効期限切れのＥＴＣカードを使用して通行する。
- 通行証・乗継券の提出が必要な料金所において、有効でない通行証・乗継券を提出する、通行証・乗継券を提出せずに通行する。
- 普通車としてセットアップされた車載器を大型車に搭載し通行する。
- その他、本来支払うべき通行料金を不正に免れて通行する。
不正通行の罰則
不正に通行料金を免れた場合は、３０万円以下の罰金が科せられる。
また、不正に免れた通行料金と割増金（免れた通行料金の２倍に相当する額）を徴収する。
さらに、その支払を拒否する者に対しては、通行料金と割増金について、年10.75％の延滞金を徴収する。（道路整備特別措置法第26条・第58条、阪神高速道路株式会社供用約款第4条、阪神高速道路営業規則第32条）
阪神高速における摘発事例
法的措置実施事例
不正通行者への通行料金等支払請求訴訟及び強制執行（債権差押）の実施について（平成28年4月）
平成２５年５月に道路整備特別措置法違反（料金所の強行突破）等により、大阪府警察に逮捕された不正通行者に対し、不法に免れていた通行料金及び割増金等の支払交渉を行ったが、支払いに応じなかった。
その後の調査で、この不正通行者が障がい者割引制度を悪用していることが判明したため、不法に免れた通行料金と割増金を前述の道路整備特別措置法違反の件と合わせて請求すると共に、通行料金等支払請求訴訟を提起した。
その結果、第一審判決（当社勝訴）及び控訴審判決（当社勝訴）を経て、阪神高速の勝訴が確定した。
同社は、勝訴判決の確定を受けて、強制執行（債権差押）を実施し、不法に免れた通行料金、法令に基づく割増金及び遅延損害金等を合わせて約１,１００万円を回収した。
不正通行による未払通行料金等の強制執行（債権差押）の実施について（平成24年12月）
料金を支払わずに阪神高速道路を通行していた不正通行者１名に対し請求していた通行料金、割増金及び延滞金の一部が未収となっていたことについて、阪神高速は再三にわたり支払交渉を行ったが応じなかったため、大阪簡易裁判所に支払督促申立を実施、仮執行宣言付支払督促に基づく強制執行（債権差押）により未収金の一部を回収した。
不正通行者への通行料金等支払請求訴訟について（平成23年2月）
阪神高速道路の料金所において、２台の二輪車で265回にわたり強行突破を繰り返していた案件について、阪神高速は再三にわたり支払交渉を行ったが応じないため、裁判所に提訴、審理の結果当社の主張が全面的に認められ、通行料金と割増金など請求額全額の支払いを命ずる判決が確定した。
