ドイツ. ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:Dr.オリバー・ブルーメ)は昨年、約12万リットルのクラシック モーターオイルを販売し、図らずもそれがベストセラー商品となった。
このエンジンオイルは、ポルシェ クラシックカー専用に開発されたもので、この際、2種類のグレードを用意していたが、さらにポルシェは夏本番を迎え、911(タイプ964まで)、914/6、および928モデル用に、オリジナルの赤いオイルフィルターも復刻させた。
このポルシェ クラシックのマルチグレードオイルは、1970年代の初めまでスポーツカーに使用しなければならなかったシングルグレードオイルの代替品である。
当時の石油化学技術では、一定の温度範囲でのみ使用可能なオイルしか製造できなかった。
このため冬季には、特に暖機運転の際に低粘度オイルが必要とされ、夏季においては、厳しい作動条件の下で安定した油膜を確保するため、より高粘度のオイルが求められた。
これを踏まえてヴァイザッハのポルシェ開発センターの専門家達は、クラシックポルシェの新しいオイルの開発に率先して取り組み、改良を重ねた結果、添加物を用いることで、高温でも安定した粘度を維持できる高品質なベースオイルを生み出した。
実は今日のマルチグレードオイルは、現代のエンジンで使用するために設計されている。
そのためクラシックポルシェで利用すべきオイルは、ベアリングの大きな遊び、製造公差、空冷方式、およびシールの材質ゆえに、過去のオイルと同じベース粘度と化学的性質が必要だ。
ポルシェ クラシックのモーターオイルは、この要求を満たしており、その非常に高いせん断安定性は、空冷コンポーネントによって生じる高い温度での安全性を高めると云う。
この高い耐熱性と同様に、オイルが過去のポルシェ エンジンの材料特性に適合していることも重要な役割を果たしている。
現代のスポーツカーに使われる通常の化学合成オイルでは、含まれる添加物が古いエンジンのシールを傷めてしまうが、ポルシェ クラシック モーターオイルは、過去のモデルシリーズのエンジンコンポーネントがスムーズに作動するように設計されている。
このオイルは、耐食性にも優れているほか、亜鉛や燐などの添加物によって摩耗を防止することのできる製品であり、ポルシェのスポーツエンジンとその燃焼プロセスのために専用に設計されている。
そして今回、ポルシェ クラシックは先の通り、新しい専用モーターオイルにあわせて、ポルシェのオリジナルの赤いオイルフィルターも復活させた。
これにより、ポルシェ911(タイプ964を含む)、ポルシェ914/6、およびポルシェ928に、工場出荷時と同じ鮮やかなレッドカラーのフィルターを装着できるようになる。このフィルターは一時期、同じ機能を有していたものの外観の異なる黒いフィルターに置き換えられていたものだ。
ポルシェ クラシックは、一般的に10年以上前に生産が終了した全ての車両のケアを行う。
ここでのサービスは、技術文献からオリジナルパーツの再製造、さらには完全なレストアに至るまで、あらゆる内容を網羅している。
ポルシェは、クラシックカーの最適なサポートとオーバーホールを保証するために、自らの国際的な販売店とサービスネットワークを拡充して、およそ100拠点のポルシェ クラシックパートナーを展開している。
そのためポルシェの顧客と見込み客は、ポルシェ クラシックパートナーにあらゆる範囲のポルシェ クラシックサービスを享受できる。
このように、ポルシェはモダンクラシックと、ビンテージカーのケアと価値の維持を統合して、ポルシェの伝統と革新を密接に結び付ける斬新なサービスコンセプトを生み出したのである。http://www.porsche.de/classic
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