エヌビディア、最新AIプラットフォームモジュールの提供開始


手のひらサイズで最大 32 TOPS のパフォーマンスを達成

NVIDIA Corporation(エヌビディアコーポレーション・本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼 CEO : ジェンスン・フアン)は12月13日、自律動作マシン向けの組み込みAIプラットフォーム「Jetson AGX Xavier」のモジュール提供を世界に向けて開始した。

注文を素早く家まで届けてくれる宅配ロボットや、人間と肩を並べて働く製造ロボット、作物を病気から守る研究に役立つ携帯式のDNAシーケンサーなど、自律動作マシンは今やSFの世界を飛び出し現実のものになりつつある。

そうしたなか、エヌビディアが打ち出したAIプラットフォーム「NVIDIA Jetson AGX Xavier」がそれを実現すると同社では語っている。

エヌビディアによると、多くの開発者がJetson AGX Xavierを活用し、世の中のさまざまな難題を解決する自律動作マシンの開発に取り組んでいるとしており、それらのマシンが製造、配達、物流、農業、小売といった業界を変革しようとしているが、今後、さらに何百万台ものプラットフォームモジュームを多様な市場に向けて投入していくという。

そもそも同製品は、「Jetson TX2」および「TX1」の製品ファミリーに仲間入りするモジュールで、ワークステーション並みのパフォーマンスを持っているにも関わらず、その消費電力は時計付きラジオ並みに抑えられているという。

その性能とコンパクトさは、手のひらに収まる小型のコンピューターチップに、ワークステーションサーバー並みのパフォーマンスを持っているとする。消費電力は10ワットの低消費で、Jetson AGX Xavier 開発者キットを使って開発したアプリケーションの量産化を可能にすることで次世代ロボットをはじめとする自律動作マシンを実現させる。

またモジュールは、JetPack および DeepStream のソフトウェア開発キットを使って開発したアプリケーションを実行できる。このJetPackはNVIDIA の自律動作マシン開発ソフトウェア スタックでAI、コンピューター ビジョン、マルチメディアなどのサポートが含まれている。

Jetson AGX Xavierに対応したDeepStream SDKは、ストリーミング分析機能を備え、IoT やスマート シティ用アプリケーションに AI を取り入れることができるため、開発者は複数のカメラやセンサーを用いて車両や歩行者、自転車などの対象物の検知と識別を行うアプリケーションを構築することも可能だ。

この最新鋭の「Jetson AGX Xavier」プラットフォームについて、英国の医療技術スタートアップである Oxford Nanopore ではDNA 塩基配列のリアルタイム解析でJetson AGX Xavierが重要な役割を果たしておりOxford NanoporeのCEOゴードン サンゲラ (Gordon Sanghera) 氏は、「当社では、ポータブルな小型 AI スーパーコンピューターである MinIT に Jetson AGX Xavier を搭載しています。

これによって、ペアで活用される携帯式のパワフルな DNA シーケンサー、 MinION で DNA 解析をリアルタイムで行うことができます。MinIT は、標準的なノート PC の 10 倍近いパワーを持ち、より多くの場所で、より多くの人々が、ポータブルなリアルタイム解析を行うことができます」と話す。

また世界的な自動車部品メーカーである株式会社デンソーの常務役員である杉戸克彦氏は、「デンソーでは、自動車部品メーカーとしての長い歴史を活かしながら、AI を工場に導入することで、生産性と効率性を改善し、現場の安全性を高めます。

Jetson AGX Xavier は、このイニシアティブを主導する重要なプラットフォームになると考えています」と話している。

このJetson AGX Xavierモジュールは世界市場に於けるリリースとなり、1,000 個以上のロット購入であれば1,099ドルが単価設定となっている。

その他、仕様やソフトウェア詳細は、Jetsonのサイト< https://developer.nvidia.com/embedded/buy/jetson-agx-xavier >を閲覧されたい。