NEO TOKYOオートモーティブ(本社:東京都目黒区、代表取締役:菅谷義博)は5月13日、旧車のレストモッドサービスの受注を始動させた。
この「レストモッド」は、レストアとモディファイまたはモダナイズを掛け合わせた〝Restoration and modification〟を意味する造語。つまりクラシックカーを日常でストレスなく使えるよう現代車並みの快適性を持たせるもの。
( *注/以下編集部が示す正規リンクは「 」の外部リンクマークが付く )
例えば、クラシックカーを工場出荷時に近い状態まで復元させた上で、最新のパワーユニットを搭載したり、当時は存在しなかったパワーステアリングを追加したりする。
結果、古い車でありながら現代車なみのパフォーマンスと快適さが提供できるようになる。
NEO TOKYOオートモーティブでは、既に「72年式ジャガーEタイプ」のレストモッドプロジェクトを開始、InstagramやX等の各SNSでその経過を逐一公開している。
近年、こうした車両再生が支持させる背景には、そもそも古い名車には現代車にない美しいデザインがあること。
しかし保安基準が当時とは異なるため、新車並みの使い勝手を再現することはできない。また旧車は、エアコンやパワステ等の快適設備も無い、または貧弱で、構造も古いため仮にフルレストアしても、走らせるだけで苦労する。
それこそが「旧車の魅力」という見方もある訳だが、一方で近年、旧車の美しいデザインを保ちつつ、現代車並みの性能と快適さを提供するレストモッドが欧米を中心に大きなトレンドとなってきた。
例えば米国Singer Vehicle Design社によるポルシェ964ベースのレストモッドでは、車両により8000万円~2億円程度で取引されている。
また日本国内でも特に若い富裕層から、資産・コレクターアイテムの一つとしてクラシックカーに興味があるものの、実際の運転やメンテナンスが大変そうで手を出しにくいという声が上がっている。
このような背景のもとで、同社は “Classic Soul × Modern Tech” を掲げ、旧車のみが持つ美しさと現代車の快適さ/性能を両立させたレストモッドを国内でワンストップ提供している。
こうした取り組みに際し、NEO TOKYOオートモーティブの菅谷義博 代表取締役は、「クラシックカーは芸術作品であると同時にモビリティです。当社は“運転してこそ車”という信念のもと、旧車ならではの美しさと⾛る楽しさを両⽴させた新しいヴィンテージ体験を提供します」と話している。
同社のレストモッドサービスの概要は以下の通り
対象車種
ジャガーEタイプ(シリーズ1/2/3いずれも可、年式不問)
※日本全国対応(工場は三重県鈴鹿市)
レストモッド基本メニュー
▷全体レストア
▷エンジン換装(レクサスV8)
▷フロントカウル、左右ドア、リアハッチのカーボン化
▷内外装の変更
▷エアコン、パワステ設置
▷CarPlay/AndroidAuto対応ディスプレイオーディオの設置
▷スマホ用ワイヤレス充電ホルダー、USBポート、ドライブレコーダーの設置など。
費用:2,000 万円〜 4,500 万円(ベース⾞両別途)
工期:6~18カ月
レストモッドサービス案内サイト:
https://neotokyo.co.jp/web/restomod/
同社の仕事ぶりは、以下SNSを参照されたい
Instagram:https://www.instagram.com/neotokyo_store/
X:https://x.com/NEOTOKYO_STORE
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NEOTOKYOオートモーティブ株式会社
社名:NEOTOKYOオートモーティブ株式会社
所在地:東京都目黒区(本社)、三重県鈴鹿市(工場)
設立:2025年3月
資本金:5,200万円
代表取締役:菅谷義博
事業内容:
旧車レストモッド、新型自動車の開発
NEOTOKYOオートモーティブ株式会社 ホームページ
https://neotokyo.co.jp/web/
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NEOTOKYOオートモーティブは、ネオトーキョー(本社:東京都目黒区)の代表取締役 菅谷義博氏と、フヂイエンヂニアリング(本社:三重県鈴鹿市)の代表取締役 藤井充氏により2025年3月に設立された。
ネオトーキョーはNEOTOKYOブランドで「ミラーカム」等の車載エレクトロニクス製品製造販売に実績を持ち、フヂイエンヂニアリングは車両の試作・改造を受託として長年請け負ってきた実績がある。
そうした両社の経験とノウハウを持ち寄り、旧車レストモッドと新型自動車の開発を目的として設立されたのがNEOTOKYOオートモーティブ株式会社となっている。
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<以下参考>
世界のクラシックカー・レストア市場の規模と推移
Bonafide Researchのレポート「Global Automotive Restoration Market Overview, 2024-29」によると、世界の自動車レストア市場は以下のように推移している。
▷2023年:約25.8億ドル(USD 2,582.6 Million)
▷2029年予測:約45億ドル(USD 4,500 Million)
▷2024年〜2029年の年平均成長率(CAGR):10.44%
同市場には、クラシックカー、マッスルカー、アンティークカー、ラグジュアリーカーのレストアが含まれる。そのなかでも特にアジア太平洋地域が最も急速に成長している市場とされている。
日本のクラシックカー・レストア市場の規模と推移
同じくBonafide Researchの「Japan Automotive Restoration Market Overview, 2029」によると、日本の自動車レストア市場は以下のように推移している。
▷2023年:約1億ドル(USD 100 Million)
▷2029年予測:約2億ドル(USD 200 Million)
日本市場は、クラシックカー愛好家の増加や、メーカーによる純正部品の再生産などにより、堅調な成長が見込まれている。
市場成長の要因と背景
世界および日本のクラシックカー・レストア市場拡大の背景には、以下のような要因が挙げられる。
愛好者人口の増加と文化的価値の再評価:クラシックカーに対する愛好者やコレクターが世界的に増加しており、往年の名車に込められたノスタルジアや歴史的価値が再評価されている。
特にエンジン車から電動車へのシフトが進む中、「消えゆく時代の遺物」であるクラシックカーへの関心はむしろ高まっているとの指摘もある。日本でも昭和〜平成期の旧車ブームが再燃し、自動車文化遺産を保存したいという動きが市場を支えている。
資産価値・投資対象としての需要:クラシックカーが単なる趣味の対象を超えて、有望な代替投資資産として注目され、希少なヴィンテージ車の市場価格は近年高騰。富裕層やファンドによる参入も見られる。
例えば海外では、クラシックカー投資ファンドの設立が相次ぎ、高級車をポートフォリオとして運用する動きもある。
メーカーやアフターマーケットの支援: 旧来からの自動車愛好家としての世界とは別に、近年は自動車がモビリテイとなっていくなかで、国内外の自動車メーカー各社は、自動車を文化として捉える富裕層などのターゲットにクラシックカー部門を新設している。
そうした流れのを前提に、旧車の純正部品の再生産や生産停止後のアイコニックな車両を対象にレストアサービスを提供し始めている。
こうしたメーカーの取組みにより、これまで入手困難だったパーツ供給が改善し、プロによる高品質な修復サービスへのアクセスが容易になってきている。
その他の要因: 専門メディアやSNSを通じた情報発信、オークションやクラシックカー展示会の盛況なども、市場拡大を後押しする要因となってきた。
また近年は3Dプリンタやデジタル技術の活用による効率的な部品再現も可能となってきた。環境に配慮した塗装や素材の採用など、レストア手法の進歩もサービス市場の品質向上に貢献している。