MotoGP第5戦フランス、ロレンソが今季2勝目で選手権首位に浮上。スズキ8年振りの表彰台獲得


MotoGP2016世界選手権・第5戦フランスGP(ル・マン<サルテ>サーキット/フランス、1周:4.185km)が5月8日に開催された。

同ラウンドでは、Movistar Yamaha MotoGPのホルヘ・ロレンソが、ポールポジションから今シーズン2度目の優勝を果たし、ランキングトップに浮上した。

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僚友で、来季もチーム在留が決まっているMovistar Yamaha MotoGPのバレンティーノ・ロッシは、7番グリッドからトップを追撃したものの届かず2位に終わった。また遂にスズキ陣営が悲願の表彰台を獲得している。

パリの南西約200kmに位置するル・マンは、世界で最も有名なサーキットのひとつ。自動車の24時間耐久レースは市街地コースを一部利用するサルテ・サーキットで開催されるが、二輪の24時間耐久レースとグランプリは一周4.185kmの“ブガッティ・サーキット”で行われる。

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前日の予選セッションは快晴。Movistar Yamaha MotoGPのJ・ロレンソが、1’31.975でポールポジションを獲得。Repsol Honda Team Hondaのマルク・マルケスが1’32.416と2番手タイムをマーク。3番手は1’32.469を刻んだドゥカティのアンドレア・イアンノーネとなった。

明けて決勝日の天候も気温22度の快晴、ドライコンディションのなか、9万9053人(3日間:19万5450人)の観客を集めて決勝のスタートが切られた。

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オープニングは、ポールポジションスタートのロレンソが順当にホールショットを獲り、1周目で0.4秒のアドバンテージを作っていく。

さらにペースを上げたロレンソは、追随するドゥカティのA・イアンノーネ、A・ドビツィオーゾを引き離しに掛かる。

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一方、ホンダ陣営で、最上位の予選2番手から決勝に挑んだマルク・マルケスは、まずまずのスタートを切って、序盤は4番手をキープ。

その後、前を走るアンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)が転倒したことで3番手に浮上したが、後方から追い上げてきたバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)にかわされて4番手へとポジションを落としてしまう。

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この間、トップを走るロレンソは5ラップを終え、前方も後方もクリアになると1分33秒台のハイペースで走行しながら、後続との差を一気に2秒以上に拡大していく。

ロレンソはその後も順調に走行を続け、ポール・トゥ・フィニッシュを獲得。これでM・マルケス(ホンダ)を抜いてランキングトップ浮上した。

2位でゴールしたロッシは、オープニングラップでMonster Yamaha Tech 3のP・エスパルガロ、B・スミスをパスした後、3ラップ目にA・エスパルガロ(スズキ)を捉え5番手へ浮上。

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さらにペースを上げ、1分33秒293のファステストラップを記録し4番手へ。9ラップ目にマルケスをかわし、ドビツィオーゾも捉えて2番手に付けるも、この時点でロレンソとの差は5.2秒に開いており、これを詰めることはできなかった。

3位は、8番手グリッドからスタートしたスズキのマーベリック・ビニャーレス。

ビニャーレスは、レース周回数が残り12周となったところで、3番手に浮上し、そのままGSX-RRを初表彰台へと導いた。スズキにとっては、2008年チェコGP、ロリス・カピロッシ以来の待ちに待った表彰台となった。

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4位は予選11番手から粘り強い走りをみせたダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)。今季2度目の表彰台獲得となり、前戦スペインGPから2戦連続の4位で、総合4位の座をキープしている。

予選2番手だったマルケスはレース中盤の16周目の7コーナーで、3番手を走っていたアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)に絡んで転倒。マシンを起こして再スタートを切りったものの13位でフィニッシュした。

これにより、ロレンソは25ポイント、ロッシは20ポイントを加算。ロレンソが合計90ポイントとなり、2位のマルケスに5ポイント差のランキングトップ。ロッシは合計78ポイントで、3位をキープし、マルケスを7ポイント差で追っている。

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ホルヘ・ロレンソ(優勝)
「優勝できてとてもうれしいよ! 今回は完璧だった。決勝ではマルケスも優勝候補の1人で、2位か3位に入ってくるはずだった。

つまり、ランキングトップは依然として彼のものだと思っていたんだ。ところが彼は転倒した。

今日のレースでランキング上位の3人が、ノーポイントか、あるいは非常に少ないポイントで終わっており、戦いもまたやり直しになった。でもそのなかで僕は今、5ポイントをリードできた」

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バレンティーノ・ロッシ(2位)
「スタートは最悪で、序盤は大変だった。ペース自体はとても良かったので、その後はプッシュすることができたんだけど、こんなときはミスも犯し易い。

だから焦らず、マルケスとドビツィオーゾを追ったんだ。追いついた頃には僕のペースはさらに速くなっており、かわすことに成功した。

予選7番手からの2位獲得だから、とてもうれしいよ。しかも20ポイントを獲得できたことはとても大きな意味がある。これでチャンピオンシップではホルヘと12ポイント差、マルクと7ポイント差になった。僕は今、3番手だから、これからも集中していかなければならない。まずはムジェロでベストを尽くしたい」

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マーベリック・ビニャーレス(3位)
「ル・マンは2011年に最初の世界選手権優勝を揚げたサーキットでもあり、今日はMotoGPで初表彰台を獲得でき、自分にとってはとても相性の良いサーキットだと思う。

好きなサーキットだけに、この週末、予選までにセットアップがうまく決まらなかったことに焦りがあったが、チームスタッフとスズキエンジニア達が最後まで諦めずに頑張ってくれたお陰で、スズキMotoGP復活プロジェクトの初表彰台を獲得することができ、本当に嬉しい。チーム皆に感謝の気持ちを伝えたい。」

ヤマハ陣営・M・メレガリ、チーム・ディレクター
「チームにとってパーフェクトな一日。昨日の時点で、ホルヘ、バレンティーノの好成績を予想できたが、今日はチームとライダーがともに協力し、集中して仕事に取り組み、それを現実した。

昨年同様、ホルヘは、完璧なスタートからトップをキープ。非の打ちどころのないレースで勝利し、ランキングでもリードした。

バレンティーノは序盤で遅れたが、その後は、持ち前の強さと賢明さで、価値ある2位を手中にした。今回もチームの全員に感謝しなければならない。みんなのおかげで、チャンピオンシップで優位に立ち、ホーム・レース、ムジェロを迎えることができる」

スズキ陣営・河内 健 テクニカルマネージャー
「今日は、表彰台を獲得できたことを素直に喜びたいと思う。昨日の予選結果後には、想像もしなかった結果だった。

昨日の予選では、ふたりとも大きな問題を抱えていたので、今朝のウォームアップでかなり大きな変更を試みたのが功を奏した。

特にマーベリックには有効に機能したようだ。決勝中、何台かの転倒があり、それに助けられた部分はあるものの、ライダーもチームも全力を尽くして得た結果なので、皆に感謝したい。

しかしながらこれはまだ我々のプロジェクトのファーストステップに過ぎず、これからさらに努力を続け、1日も早く、表彰台のトップに立ちたいと思っている。まずは、ここに至るまでにご協力頂いた全ての皆様にお礼の気持ちを伝えたい。」

RESULT
順位/ライダー/チーム/マシン/タイム
1/J・ロレンソ/Movistar Yamaha MotoGP/Yamaha/43ʼ51.290
2/V・ロッシ/Movistar Yamaha MotoGP/Yamaha/+10.654
3/M・ビニャーレス/Team SUZUKI ECSTAR/Suzuki/+14.177
4/D・ペドロサ/Repsol Honda Team/Honda/+18.719
5/P・エスパルガロ/Monster Yamaha Tech 3/Yamaha/+24.931
6/A・エスパルガロ/Team SUZUKI ECSTAR/Suzuki/+32.921
7/D・ペトルッチ/OCTO Pramac Yakhnich/Ducati/+38.251
8/H・バルベラ/Avintia Racing/Ducati/+38.504
9/A・バウティスタ/Aprilia Racing Team Gresini/Aprilia/ +48.536
10/S・ブラドル/Aprilia Racing Team Gresini/Aprilia/+54.502
11/E・ラバティ/Aspar Team MotoGP/Ducati/+1’02.677
12/L・バズ/Avintia Racing/Ducati/+1’07.658
13/M・マルケス/Repsol Honda Team/Honda/1 Lap

RIDERS RANKING
順位/ライダー/マシン/ポイント
1/J・ロレンソ/Yamaha/90
2/M・マルケス/Honda/85
3/V・ロッシ/Yamaha/78
4/D・ペドロサ/Honda/53
5/M・ビニャーレス/Suzuki/49
6/P・エスパルガロ/Yamaha/47
14/B・スミス/Yamaha/20

CONSTRUCTORS RANKING
順位/コンストラクター/ポイント
1/Yamaha/115
2/Honda/95
3/Ducati/67
4/Suzuki/55
5/Aprilia/27