三菱自動車工業株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長兼COO:相川哲郎、以下、三菱自動車)は4月27日、2015年度(2016年3月期)決算を発表した。
1.2015年度決算
(1)業績概況
2015年度(2015年4月1日~2016年3月31日)の売上高は、前年度比871億円(4%)増の2兆2,678億円となった。
営業利益は、為替の悪化や市場措置費用の増加はあったが、コスト低減努力によるプラス影響や台数・車種構成等の改善により、前年度比25億円(2%)増の1,384億円となった。
経常利益は、前年度比106億円(7%)減の1,410億円、また、親会社株主に帰属する当期純利益については、前年度比291億円(25%)減の891億円となった。
(2)販売台数
2015年度の販売台数は、前年度比42千台(4%)減の1,048千台となった。
日本では、登録車は増加したものの、軽自動車で減少し、前年度比13千台(11%)減の102千台となった。
北米では、『アウトランダー』や『アウトランダースポーツ(日本名:RVR)』を中心に販売が増加したことにより、前年度比18千台(16%)増の135千台となった。
欧州では、西欧で、ドイツやイギリスを中心に販売を伸ばし、前年度比19千台(11%)増の173千台とった。
一方、ロシアは経済情勢の悪化と為替悪化に伴う値上げにより販売台数が落ち込み、欧州全体では前年度比21千台(9%)減の206千台となった。
アジアでは、10月に発売した新型『パジェロスポーツ』の販売が増加したタイでは前年度を上回ったものの、中国やインドネシアで減少し前年度比22千台(6%)減の322千台となった。
その他地域については、前年度比4千台(1%)減の283千台となった。
2.2016年度業績見通し
2016年度(2016年4月1日~2017年3月31日)の業績見通しについては、2016年4月20日公表の車両の燃費試験における不正行為等の将来の影響等を慎重に見極めていることから、今回の開示は見合わせた。同社では「今後、見通しが判明次第、速やかに開示いたします」としている。
燃費偽装に関わる事案では、その詳細を目下調査中の特別調査委員会が、来る7月頃にも報告書をまとめる見通し。
これを受けて、2000年〜2004年当時のリコール(回収・無償修理)隠し問題に起因する財務問題改善に取り組んだ後、2014年に会長兼CEOとなっていた三菱商事出身の益子修氏は、経営トップとして、今回の燃費偽装問題の経営責任を取る公算が高まっている。
また日本経済団体連合会の常任幹事退任を表明した三菱自動車工業社長の相川哲郎氏(62)は当面、社内調査や燃費偽装を行った車両顧客への補償対応を主導するべく「調査委員会の報告を聞くまでは社長の責任を果たす」と述べている。