三菱ランサーエボリューション(LANCER EVOLUTION)23年間の歴史(その3)


高速化するWRCに対応し空力向上を図った『ランサーエボリューションⅢ』

三菱自動車工業は1994年を迎え、益々ハイスピード化するWRCでの戦闘能力を高めるため、空力性能の向上を中心とした改良を施し、ランエボⅢこと『ランサーエボリューションⅢ』として1995年2月に発表した。

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具体的にはフロントバンパー、フロントエアダム、サイドエアダム、リヤサイドエアダム、リヤスポイラー&リヤウィッカーのデザインを一新して、ダウンフォースを増大させている。

まずフロントバンパーは、開口部を拡大してエンジンの冷却性能を向上させ、次にフロントエアダムには、エアダクトを設けてブレーキとトランスファーの冷却性能を高めた。

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これらのアイテムはWRCで大きな成果を発揮するとともに、この迫力あるスタイリングが多くのファンを魅了し、『ランサーエボリューション』の名を広く知らしめる契機となった。

エンジンは、圧縮比を高めてターボチャージャーのコンプレッサー形状を見直し、メインマフラーの排圧低減などを施したことにより、最高出力を10PSアップさせた270PSまで高めている。

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また、後に『ランサーエボリューション』の象徴とされたボディカラー「ダンデライオンイエロー」が設定され、同ボディカラーが好評を博した。

なおWRCでは、1995年の第4戦ツール・ド・コルスから1996年第9戦カタルニアまで参戦し、1996年にトミー・マキネンが、三菱自動車にとって初のドライバーズチャンピオンをもたらしている。

LANCER EVOLUTION III (1995年2月発売)
■ランサーエボリューションIII 改良点
・フロントバンパー開口部の大型化
・フロントエアダム大型化
・ブレーキ冷却用ダクト、トランスファ冷却ダクト新設
・サイドエアダム大型化
・リヤスポイラーおよびウイッカー大型化
・エンジン圧縮比を8.5→9.0へと変更
・インタークーラー冷却用ノズル1本→2本に増加
・最高出力10PSアップ(270PS/6250rpm)
販売台数10,080台

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