ターマック(舗装路)に対応した『ランサーエボリューションⅡ』
1993年以降、WRCではターマック(舗装路)が増えたことにともない、ハンドリング性能の向上が急務となった。そこで初代『ランサーエボリューション』で手応えを感じた三菱自動車は、早々にランエボⅡとなる『ランサーエボリューションⅡ』の開発に着手した。
このためホイールベースとトレッドを拡大し、サスペンションも細部にわたって改良するなど、当時最新鋭のホモロゲーションモデルとして旋回限界を高めるとともに、GSRではリヤLSDを機械式としてコーナリング時の回頭性を向上させている。
タイヤサイズは、195/55R15から205/60R15とし、OZ社製アルミホイールを装着。また1速、2速をローギヤード化したクロスレシオトランスミッションで加速性能を高めるとともに、クラッチディスクの材質改良なども行い、操作性や耐久性を向上させた。
エンジンは、マフラーの排圧低減、過給圧アップ、バルブリフト量アップなどにより、最高出力を10PS増した260PSを達成した。
エクステリアではフロントバンパー下部にエアダムを、またリヤトランクリッドにはウイッカーを追加し、空力特性を向上。
インテリアでは新デザインのRECARO社製バケットシートを採用し、激しいドライビングに於いてもドライバーのホールド性を向上させている。
WRCでは、1994年の第5戦アクロポリスから1995年の第2戦スウェディッシュまで参戦し、その最後のスウェディッシュでケネス・エリクソンとトミー・マキネンが1-2フィニッシュ。先代となった初代モデルの雪辱を果たし、『ランサーエボリューション』にとっての初優勝を飾っている。
LANCER EVOLUTION II (1994年1月発売)
■ランサーエボリューションII 改良点
・フロントエアダム追加、リヤウイッカー追加
・最高出力10PSアップ(260PS/6000rpm)
・ホイールベース10mm拡張
・トレッド前:15mm/後:10mm拡大、全高25mmアップ
・GSR、RSともにリヤ1.5WAY機械式LSDを採用
・フロントサスペンションロアアーム新設
・フロントスタビライザー取り付け部直付け
・フロントキャンバー変更
・ショックアブソーバーストローク量増大
・タイヤサイズ205/60R15へ変更
・OZ製アルミホイール採用
販売台数6,284台