三菱ケミカル、ドイツの半導体関連企業を買収


三菱ケミカル株式会社(本社:東京都千代田区、社長:和賀昌之)は、欧州・米国で半導体関連サービス事業を展開するCleanpart Group GmbH(本社:ドイツ・アスペルク、CEO:Dr. Udo Nothelfer)の株式を取得する。

具体的には三菱ケミカルが、ドイツの投資ファンドDeutsche Beteiligungs AGと「Cleanpart社」買収について協議を重ね、このたび合意した。

Deutsche Beteiligungs AGは、自社傘下にService Investment S. ar. Lという子会社を保持。この子会社がCleanpart社に出資しており、上位会社との合意で今年10月を目途に、Cleanpart社の全株式の引き渡しを受ける予定。

三菱ケミカルが譲り受けるCleanpart社は、欧州・米国で半導体メーカー向けに半導体製造装置の精密洗浄や、コーティングサービス等の事業を展開しており、欧州ではこの分野のリーディンカンパニーのひとつである。また米国でも自社技術に基づくサービスを提供していることから、国際環境下で一定の地位を築いている。

一方、三菱ケミカル傘下にもCleanpart社の業態に準じた事業形態を持つ株式会社新菱(本社:福岡県北九州市、社長:江藤 俊郎、以下「新菱社」)があり、同社は同様の事業を日本やアジア地域を中心に展開している。

そうしたなか半導体市場は、近年のAI、IoT等の情報技術の発展によるデータ処理量の増大に伴い著しい成長を続けており、今後も好調に推移するものと見込まれている。

対して三菱ケミカル株式会社を包括する三菱ケミカルホールディングスグループは中期経営計画の中で、IT・エレクトロニクス・ディスプレイをフォーカスマーケットの一つとして挙げており、これまで半導体関連事業についても洗浄材料、精密洗浄サービス、半導体用特殊ガス等の事業の強化に取り組んできた。

これを踏まえCleanpart社と新菱社とは、近似の業態ということもあって地域的な補完関係にあり、今買収によって三菱ケミカルホールディングスグループは、半導体製造装置の精密洗浄やコーティングサービスをグローバルに提供することが可能になる。

さらにCleanpart社の欧米拠点と顧客ネットワークを活用して半導体業界へのアクセスを強化し、顧客の技術進化とニーズに対応したソリューション提案力を高めることで、自社グループの半導体関連事業の強化を図っていく構えだと云う。

【Cleanpart社の概要】
1.社名:Cleanpart Group GmbH
2.所在地:ドイツ連邦共和国・アスペルク(本社)
3.設立:1998年
4.代表者:Dr. Udo Nothelfer (CEO) , Timo Seeberger (CFO)
5.社員数:419名(2018年8月1日現在)
6.事業内容:半導体製造装置の精密洗浄やコーティング、分析、部品製造・販売