国土交通省は7月31日、苫小牧沖のフェリー「さんふらわあだいせつ」の車両甲板において火災が発生した事故に関して、フェリー火災対策検討委員会を設置し、この9月に第1回委員会を開催する。
概要は以下の通り。
1.検討委員会の設置主旨
7月31日、苫小牧沖でフェリー「さんふらわあだいせつ」の車両甲板において火災が発生した。国土交通省海事局においては、事故発生から特別監査を開始し、船員からの聞取り、船内火災現場の確認を行ってきた段階。
出火原因及び火元はまだ明らかではないが、特別監査の結果、次のことが明らかになった。
(1)火災探知機による警報を受けて乗組員が直ちに火災現場に向かい、冷凍車の冷凍機のカバーのスリット及びその上部からの炎を確認した。
(2)当初は火勢もさほど強くなく、乗組員は迅速に消火器を用いて冷凍機のスリットから消火剤を注入することを試みたが、冷凍機のカバーに阻まれて燃えている箇所に直接、消火剤をかけることができなかった。
(3)さらに消火ホースによる消火を開始したが、積みつけられた車両の間隔が狭く、燃えている箇所に有効に水がかかる位置から放水できなかった。
(4)その後、水噴霧装置での消火も開始したが、火勢を押さえることはできなかった。また、黒煙が立ちこめ照明も消えたことから、消火を断念した。
このような消火活動における課題が判明したことから、火災・消防に関する専門家などから構成する「フェリー火災対策検討委員会」を設置し、フェリーにおける火災対策の検討を行うことにした。