神戸製鋼所、タイヤ・ゴム機械事業の中国新拠点設立


株式会社神戸製鋼所(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:川崎博也、以下、コベルコ)の機械事業部門は3月22日、自動車や建設機械用タイヤ等の製造工程で使用されるタイヤ・ゴム機械(混練機、二軸ローラーヘッド押出機、タイヤ試験機※1)の中国に於ける営業・アフターサービスを目的とした神鋼産機系統工程(青島)有限公司(略称:KMQ)を設立したと公表した。

総投資額は200万元(約4,000万円)、4月からの営業開始を予定している。

同社は、特に混練機においてトップメーカーであり、今回のKMQの設立により、世界最大のタイヤ生産量を占める中国での需要の更なる取り込みを図り、世界シェア50%獲得を目指す。

近年、世界のタイヤ生産量(ゴム重量)は、年率約3%以上で成長しており、中でも中国は全世界の生産量の約40%を占めている(出典:日本自動車タイヤ協会)。

また、中国市場では今後も、自動車の需要は伸び続ける見通しであり、タイヤ生産量も2015年の約5.2億本から、2020年には約6.5億本まで増加する見込み(出典:Tire Technology International)。

それに伴い、自動車用タイヤに関連する製造設備の需要も拡大していくこと。また、既に同社では中国向けにこれまで250台以上のタイヤ・ゴム機械を納入しており、アフターサービスのニーズも高まっていることから、こうしたニーズを捕捉するため、この度KMQを設立した。

KMQでは、当社からの委託形態にてタイヤ・ゴム機械の営業・アフターサービスに加え、当社機械事業部門のメニューである樹脂機械も併せて取り扱う。これにより、当社機械事業部門として、2020年度を目処に約10億円程度の売上げ増加を目指していくとしている。

神戸製鋼所のタイヤ・ゴム機械事業は、これまで製造・販売拠点として日本、米国、中国、インドの4拠点※2を有し、グローバルな展開を進めてきた。

また、技術開発面でも混練機の中心部品であるロータに於いて、同社が開発した新型ロータが、先月ドイツで開催されたタイヤの設計・製造に関する世界有数の技術展示会である「Tire Technology Expo」において、タイヤ製造に関する優秀な技術に贈られる「Tire Manufacturing Innovation of the Year」を受賞している。

神戸製鋼所では、「今回のKMQ設立により、中国における拡販を更に進め、トップメーカーの地位をより確固たるものにして参ります」と述べている。

KMQ概要
会社名:神鋼産機系統工程(青島)有限公司
(Kobelco Machinery System Engineering Qingdao Co,.Ltd.略称:KMQ)
所在地:中華人民共和国山東省青島市城陽区興陽路308号希尓景圓弁公楼615室
設立:2015年12月(営業開始:2016年4月)
総投資額:200万元(約4,000万円)
出資比率:神鋼投資有限公司100%
董事長:吉川 哲也
総経理:小和田 善夫
従業員:14名
従業員:中国におけるタイヤ・ゴム機械・樹脂機械等の営業・アフターサービス

※1 混練機:
タイヤの製造工程の最初に設置され、原材料のゴムにカーボン、硫黄、薬品などを均一に練り込む機械。素材同士の化学反応を誘発させる役割も担っているため、分子レベルでの混練精度が要求される。

二軸ローラーヘッド押出機:
混練機の下工程に設置され、混練されたゴムの塊をシート状に押出す機械。

タイヤ試験機:
タイヤの最終検査・仕上げ工程において品質チェックを行う機械。走行安定性や耐久性などを確認する。

※2 同社タイヤ・ゴム事業の世界拠点
kobe-steel-ltd-china-new-base-the-establishment-of-the-tire-and-rubber-machinery-business20160322-2

タイヤ製造プロセスkobe-steel-ltd-china-new-base-the-establishment-of-the-tire-and-rubber-machinery-business20160322-1