ジェイテクトの次世代4WDカップリングが「日本フルードパワーシステム学会・技術開発賞」を受賞


電磁クラッチを用いた次世代電子制御四輪駆動車用カップリングの開発

株式会社ジェイテクト(本社:大阪市中央区南船場3丁目5番8号、代表取締役社長:新美篤志、以下ジェイテクト)は、「電磁クラッチを用いた次世代電子制御四輪駆動車用カップリングの開発」で、社団法人日本フルードパワーシステム学会の技術開発賞を受賞した。

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電子制御四輪駆動車用カップリングは、四輪駆動(AWD)車に搭載され、電磁クラッチを用いて、必要に応じ適切な前後輪のトルク配分を行う駆動装置。

通常走行では、装置内のクラッチの押し付けを行わず前輪駆動で走行し、雪道のような低μ路面など、前輪がスリップする場合は、装置内のクラッチを押し付けることで、後輪に瞬時に適切なトルクを伝達することができる。

一方、クラッチを押し付けていない時(前輪駆動時)の引きずりによるトルクおよび、クラッチを押し付けている時(四駆駆動時)の伝達トルクは、低温環境下では必然的に潤滑油の粘度の増加により増大する。

この環境変化によるトルク特性の変化を改善することで、駆動力伝達ロスの低減および、ドライブラインの強度設計面からの見直しによりAWD性能を高いレベルで維持したまま、ドライブラインの軽量化による低燃費化を実現することが期待できる。

今回、同社が開発した次世代電子制御四輪駆動車用カップリングは、電磁クラッチ表面の微視的な油圧反力に注目し、表面形状(テクスチャリング)を工夫することでクラッチ間動圧を積極的に利用し、潤滑油の粘度が増加する低温環境下において過大なトルクの増大を抑制することができる。

特別なアクチュエータや制御を搭載することなく、電磁クラッチの形状のみで、引きずりトルクおよび、伝達トルクの温度依存性の低減を実現し、低燃費化や環境負荷低減への貢献が期待されることが認められ、今回の受賞となった。