ジャガー、グーグル陣営へ自動運転車2万台を提供


ウェイモと長期的パートナーシップ締結。自動運転機能を搭載したジャガー「I-PACE」を開発

ジャガー・ランドローバーオートモーティブPLC(Jaguar Land Rover Automotive PLC、本社:英国・コベントリー、CEO:ラルフ・スペッツ)とグーグル傘下のWaymo(ウェイモ)は米国時間の3月27日、自動運転車の提供と実用化の相互研究でパートナーシップを締結した。

これは長期的かつ戦略的パートナーシップであるとジャガー・ランドローバー側の発表に於いて述べており、今後両社は共同で、ウェイモのドライバーレス配車サービス向けに世界初のプレミアム自動運転電気自動車(EV)を開発していくと語っている。

より具体的にはジャガー・ランドローバーと、当初はグーグルのセルフドライビングカー・プロジェクトとして立ち上がったウェイモ側とのパートナーシップを介して、自動運転機能を備えたジャガー「I-PACE」を共同で開発していく。

プロジェクトとしては今年後半に、ウェイモの自動運転テクノロジーを搭載したジャガー「I-PACE」のテスト走行が開始される予定であると云う。

なお同車は電動の全輪駆動車で合計最高出力400PS、最大トルク696Nm、そして0-100km/h加速4.8秒を発揮。90kWhリチウムイオン・バッテリーによる航続距離は240マイルと発表されている。

このクルマをベースとした開発車の実走テストを行い、リアルな走行データを収集。これを基に両社のエンジニアが車両の完成度を高めていく。車両生産は、最初の2年間で最大2万台。ウェイモでは同車を用いて1日100万回の配車サービス運用を想定している。

現段階でウェイモは、運転席に乗員が誰もいない状態で公道走行できると謳う世界唯一の企業であり、一方で「I-PACE」は、先の3月1日に発表したジャガー初の電気自動車であり、寒冷地でのテスト内容を発表するなどプレミアムクラスの電動車開発に積極的な投資を行っている。

この取り組みについてジャガー・ランドローバーのCEOのラルフ・スペッツ氏は、「ジャガー『I-PACE』は、世界中の人々が思い描いていたようなものを具現化した最先端のモデルであると自負しています。

スマートモビリティをさらに前進させたいという当社の思いを実現するには、知識と経験に長けた相手と長期的なパートナーシップを組むことが必要です。

ウェイモと共にテクノロジーの限界を切り拓き、お客様が望む『Grace(優雅さ)』、『Space(広さ)』そして『Eco-pace(エコな速さ)』を兼ね備えた自動運転の『I-PACE』を提供していきます」とコメントした。

なお今事案とは別に同社自身の車両開発に賭けるスタンスは、今後1年間に、新製品の製造・設備投資に40億ポンド(約6,000億円)以上を投じる予定。※1ポンド=150円にて換算(2018年3月29日現在)

2020年以降に投入する同社ブランド車には、全ての電動モデルが設定されると述べており、結果、全ラインアップでEV、PHEV(ガソリン並びにディーゼルユニットとのプラグイン・ハイブリッド車)及びMHEV(マイルド・ハイブリッド車)を展開していくと謳っている。

対してウェイモCEOのジョン・クラフチック氏は、「当社は世界で最も熟練したドライバーレス車両(自動運転車両)の開発に注力しており、今回、共に車両の共同開発に着手するジャガー・ランドローバーは、安全性、デザイン、性能に於いて新たなスタンダードとなるような全く新しいEVプラットフォームを開発しています。

我々が協力し合うことでウェイモのお客様に、自動運転の『I-PACE』がもたらす安全性とプレミアムな体験を提供できると確信しています」と語っている。