輸入車試乗会2019、BMW X4 M40i


日本自動車輸入組合(JAIA)が2月5日に実施した「第39回 輸入車試乗会」にて、BMWのスポーツ・アクティビティ・クーペ・モデルであるX4のトップグレード「X4 M40i」に試乗した。

X4 M40iは、BMWの高性能スポーツ・カーを開発するBMW M社が手がけるX4の「エム・パフォーマンス・オートモビル(M Performance Automobiles)」仕様。標準車とハイパフォーマンスなMモデルの中間に位置する、いわゆるMパーフォーマンスモデルだ。
2016年に初設定された同仕様は、2018年にX4がフルモデルチェンジしたことに伴い一新。国内では日本法人のビー・エム・ダブリューが販売している。

パワートレインには、直列6気筒ツインパワー・ガソリンエンジンを搭載。Mパフォーマンスが手がけたチューンにより、最高出力は先代同様の265 kW (360 ps)/5500rpm、最大トルク500 N・m(51,0kg-m)/1520〜4800rpmを発揮する。

実際に走ってみると、独特のレーシーな排気サウンドを奏でながら、全域でトルクフルな走りを発揮。電子油圧制御式8速スポーツAT(ステップトロニック付)との組み合わせで、市街地から高速道路まで、スムーズでスポーティな走りを披露する。「0-100 km/h 加速を4.8秒」というメーカーの謳い文句が、あながち誇張でないことを実感できる走行性能だ。
特に、ドライブモードを「スポーツ」にした時の走りは絶品。排気音が一層スポーティになるだけでなく、加速やハンドリングも「M」らしい俊敏さを発揮する。

また、状況に応じて前後アクスルへ瞬時に駆動力を配分する、電子制御式フルタイム4輪駆動システム「BMW xDrive」により、コーナー出口からの加速も楽しい。
同モデルには、専用のM スポーツ・ディファレンシャルも搭載しているため、低・中速コーナーからの立ち上がりでも4輪にトラクションがしっかりとかかり、走行安定性は抜群だ。

サスペンションも、車体の姿勢変化に対ししっかりと対応し踏ん張り、全長4760mm、ホイールベース2865mmの車体と思えないほど曲がりやすい。高速コーナーではやや車体がロールするものの安心感は高く、SUVタイプの中でもかなりスポーティな走りが得意なモデルであるといえるだろう。

ブルーのキャリパーにMパフォーマンス・マークを配するブレーキは、見た目だけでなく性能も抜群。ペダルを踏んだ分だけ制動力を発揮するタイプで、コントロール性が非常によく、大きな車体を確実に制動する効きの良さを持つ。

インテリアも、3本スポークのMスポーツ・レザー・ステアリング・ホイールは操作性が良好。また、センターコンソールのMロゴがレーシーな雰囲気を醸し出し、ドライバーを「その気に」させてくれる。
加えて、バケット風デザインのスポーツシートはホールド性に優れ、適度な固さを持つためロングドライブでも疲れにくいことが想像できる。

5人が余裕で座ることができる広い車内や、容量525Lのトランクルーム(3分割可倒式リアシートを折りたたむと1430L)など、ユーテリティ面が充実しているのも、同モデルの魅力だろう。スポーティなスタイルと走り、それにオールマイティな使い勝手を求めるなら、最適なモデルのひとつであることは間違いない。価格(税込)は980万円だ。