本田技研工業株式会社(本社:東京都港区、社長:八郷隆弘、以下、ホンダ)の航空機事業子会社ホンダ エアクラフト カンパニー(Honda Aircraft Company、本社:米国ノースカロライナ州グリーンズボロ市、社長:藤野道格、以下HACI)は米国時間の11月1日、小型ビジネスジェット機カテゴリーで米国の2つの飛行ルートの最短飛行時間記録を更新した。
この記録は、米国・フロリダ州オーランドで11月1日から3日まで開催されている世界最大のビジネス航空ショー「ナショナル ビジネス アビエーション アソシエーション(NBAA)2016」に於いて、HondaJetが上記記録を更新したとして米国航空協会(The United States National Aeronautic Association:以下、NAA)に公式認定されたことによる。
最短飛行時間記録自体は、ニュージャージー州テターボロと、フロリダ州フォート・ローダーデール間。及びマサチューセッツ州ボストンと、フロリダ州パームビーチ間で達成され、NBAAの会場で公式認定証がNAAよりHACIへ贈られた。
テターボロとフォート・ローダーデール間の飛行では、2016年4月9日の午後2時15分にテターボロ空港を離陸し、午後5時6分にフォート・ローダーデール・エグゼクティブ空港に着陸。同日は平均60ノット(時速約111km)の向かい風の中、HondaJetは同航路を2時間51分で飛行した。なおこの飛行による最高対地速度は414ノット(時速約767km)に達した。
一方、ボストンとパームビーチ間の飛行では、2016年7月19日午前7時18分にボストンのニュー・ベッドフォード・リージョナル空港を離陸し、午前10時16分にパームビーチ国際空港に着陸。平均30ノット(時速約56km)の向かい風の中、HondaJetはこの航路を2時間58分で飛行した。この飛行による最高対地速度は422ノット(時速約782km)に達した。
HACI社長の藤野道格氏は「小型ビジネスジェットの使用頻度が高いこれらの飛行ルートに於いて、高気温や強い向かい風条件下にもかかわらず、最短飛行時間記録を更新したことは、HondaJetが高い巡航速度に加え上昇・降下性能などでも優れた実用性能を備えていることを証明しています。
主翼上面エンジン配置(Over-The-Wing Engine Mount)などのHonda独自の最先端航空機技術が、この高い実用性能を実現しています」と語った。
HondaJetは、主翼上面エンジン配置や自然層流翼、一体成型複合材胴体などHondaの独自開発技術の採用により、クラス最高水準※の最高速度、最大運用高度、上昇性能、燃費性能および室内サイズを実現した小型ビジネスジェット機となった。
これらによりHondaJetは、パナマに本拠を置くSYIアビエーション社と、中南米地域における新たなディーラー契約を締結し、小型ビジネスジェット機「HondaJet」の受注も開始している。
中南米地域に於いてはSYIアビエーション社が、エクアドル、コロンビア、ベネズエラ、ガイアナ、スリナム、仏領ギアナを含む中南米地域のHondaJetディーラーとして、HondaJetの販売の他に、各種のサービスやサポートを実施していく。
これについてHACI社長の藤野道格氏は、「SYIアビエーション社のサービスのクオリティーは非常に高く、HondaJetのディーラーネットワークをより強固なものにします。
中南米地域はビジネスジェット機の成長市場です。昨年のブラジルにおけるHondaJetの受注開始に続き、今回の市場拡大は、HondaJetのビジネスをさらに成長させるでしょう」と述べている。
これを背景にHondaJetは、2016年9月にブラジル、アルゼンチン、チリおよびパナマを周る総飛行距離2万6千キロメートルのデモ飛行を実施し、各地でHondaJetり飛行体験を提供した。
この中南米を含む米国大陸に於いては、昨年12月に米国で納入を開始。現在は、カナダとメキシコを含む北米、欧州およびブラジルを含む中南米で12のディーラー拠点を介して販売中となっている。