日野自動車、「ダカールラリー2016報告会」開催


世界一過酷といわれるラリーに挑んだ戦士たちが再び集結。トークショー形式が来場者との一体感を演出

去る3月24日、東京都日野市の日野自動車株式会社(本社:東京都日野市日野台、代表取締役社長:市橋 保彦、以下、日野)本社にて、『HINO TEAM SUGAWARA ダカールラリー2016報告会』が開催された。

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トラック部門「排気量10リットル未満クラス」でワン・ツー・フィニッシュし、7連覇を達成するとともに初参戦以来連続25回※の完走を果たした、日野チームスガワラ。

今回の報告会は、来場者にラリーの様子をより分かりやすく伝えるため、菅原義正・菅原照仁の親子ドライバーやメカニックをはじめとするチームのメンバー、そしてチームに密着取材したJ SPORTSの杉山友輝さんを交えたトークショー形式で進行された。

イベントは、特設会場に集まった協賛企業をはじめとする200名もの人々を前に、ラリーの迫力ある映像を交えながら数々の貴重なエピソードを披露して、ライブ感あふれるイベントになった。

※政情不安で中止となった2008年大会をはさんで、1991年以来連続25回の完走となる。

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まず菅原照仁ドライバーが、「今回のマシンは、エンジンと足回りを中心に改良しました。

チームも事前に行われたモンゴルのラリーで結束力を高めることができ、ハード・ソフトの両面でレベルアップを実感。まだまだ速くなりますよ」と、今後の手応えを語った。

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これに対して菅原義正ドライバーは、今回の参戦を振り返り、「今年は大雨に見舞われるなど、精神的にも大変でした。

また、25周年という節目の年でもあり、しっかり走らなくてはとのプレッシャーもありました。

でもみんなよく頑張ってくれて、完走することができました」とチームのメンバーをねぎらった。

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一方、そんなドライバーを支えた杉浦博之ナビゲーターは、「標高4,700mのアンデス山脈越えには、酸素吸入器が欠かせません。

高山病に苦しめられながらの体調管理は大変でした」と過酷なラリーの一端を伝えた。

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車両のメンテナンスを担当した名越勝之エンジニアは、「エンジン出力が下がらないよう、コンピュータのプログラムを変更するなどの工夫により、高地でも十分戦える力をつけることができました」と満足げなの表情を見せていた。

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これに対して、中村昌樹メカニックサブリーダーは、「休息日はドライバーはもちろん、マシンにも大切な時間。

オイル交換や足回りのメンテナンスに加え、砂を掘るスコップを磨いたりして、備品もリフレッシュを心掛けました」と丁寧な仕事を心掛けたことを強調した。

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スポーツ専門チャンネル、J SPORTSのプロデューサーでトークショーのコメンテーターを務めた杉山友輝さんは、「どしゃぶりの雨によって、整備シートに水がたまり、まるでプールのような中で作業しているメカニックの姿を見て感動しました」とチームの奮闘ぶりを紹介。

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高橋貢ナビゲーターは、「ラリーが始まる前は期待いっぱいでしたが、いざスタートしてみると毎日ものすごい振動の中で過ごし、乗車したことを後悔したほどでした。

でもゴールしたらその分、涙を流すくらい感動しました」と苦労の末の感慨を振り返った。

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鈴木誠一メカニックリーダーは、「マシンが速くなり、以前だったらタイヤ1本で2レースくらい走れたところ、今回は中間日あたりですり減ってしまう状態になりました。

今後はブレーキの容量アップなど、速さに見合った改良を重ねていきたいですね」と将来に向けての抱負を語った。

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田極正樹メカニックは、「ラリーに参加するという、貴重な体験を与えてくれた方々に感謝します。

これから整備士を目指している皆さんには、日野自動車にはこんなチャンスもあるんだと伝えたいですね」とひと言。

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近藤匡人メカニックは、「今回は天候不順で精神的にも体力的にも厳しかったですが、マシンをしっかり整備するという使命を持ち続けてゴールを迎えることができました」とラリーを総括。

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外池望メカニックは、「日常では経験できないようなことを経験でき、送り出してもらった会社の方々や家族に感謝します。

ラリーを通じて、改めて声がけなど基本動作や作業の大切さを学びました」と原点を見つめた。

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今イベントのコメントについて、チームのしんがりを務めた坂口英之メカニックは、「モンゴルラリーを経験したことにより、本番でもいい作業ができたし、チーム内のコミュニケーションも上手くいったと思います。

今後はこの経験を後輩や学生の皆さんに話し、このチームを目指してもらいたいです」と今後への期待を込めてコメントしていた。

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最後に、日野自動車の市川正和取締役会長は、「協賛企業の皆様のサポートを受け、いいマシンができました。

また、チーム力も相当強化されました。しかし、ライバルたちも進化していることを忘れてはいけません。

“菅原学校”で鍛えられ、卒業していくメカニックたちがそれぞれの場所で活躍し、次の人材を育ててくれることを期待しています」と、報告会を締めくくった。

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なお、来る4月16日(土)からは、東京・青海地区臨時駐車場並びにセントラル広場・センタープロムナードを舞台に「モータースポーツジャパン2016フェスティバル イン お台場」が開催される。

これは日本のモータースポーツ文化の継承と発展を目的に、「モータースポーツジャパン2016(主催:NPO法人 日本モータースポーツ推進機構)」が実施する毎年恒例のイベントである。

日野自動車は、今年も「日野レンジャー ダカールラリー参戦車(2014年大会)」を展示し、来場者に実際の運転席でステアリングを握る催しを行う他、特設のロードコースで今年1月のダカールラリーで見事クラス7連覇を果たした菅原照仁ドライバーによる、デモ走行と同乗走行も行う。

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また、出展ブースではチームのスタッフによる「レーシングトラック解体ショー」を行い、ライバルから“リトルモンスター”と呼ばれている日野レンジャーの強さの秘密を、「ダカールの鉄人」こと菅原義正ドライバーが解説する趣向だ。

各イベントのスケジュールについては、下記チームのFacebookにて確認されたい。< http://www.facebook.com/HINO.Team.Sugawara >

さらに出展ブース内では、「日野レンジャー ダカールラリー参戦車」の1/43スケールモデルなど、市販していないレアな日野グッズを販売されると云う。

「モータースポーツジャパン2016フェスティバル イン お台場」開催概要
・開催期間:2016年4月16日(土)~4月17日(日) 9:00~17:00
・場所: 東京・お台場特設会場(青海地区臨時駐車場+セントラル広場・センタープロムナード)
・入場料:無料
・公式ウェブサイト:http://www.motorsport-japan.com/msjf/