攻殻機動隊REALIZE PROJECT、電脳部門に「スバルと⽇本IBMの人工知能研究」を選出


攻殻機動隊REALIZE PROJECT事務局(所在地:東京都港区、統括顧問/事務総長:武藤 博昭)は3月25日、東京ビックサイトの「Anime Japan 2017」 内セミナーステージ上に於いて、2017年2月迄に同事務局が、公式WEBならびにSNSで紹介してきた国内先端テクノロジーの中から、最も攻殻機動隊らしいテクノロジーを選出した。

ちなみに、この攻殻機動隊REALIZE PROJECT事務局は、日本を代表する企業・大学の研究開発者・公共機関、そして制作委員会と産学が一体となり、「攻殻機動隊」に描かれる近未来テクノロジーの実現可能性を追求する団体として誕生した。

今回は、上記団体プロフィールを踏まえ、2016年4月~2017年2月の期間中、公式WEBならびにSNSで紹介してきた国内先端テクノロジーニュースの中から、最も攻殻機動隊らしいテクノロジーを、攻殻機動隊 REALIZE PROJECT「The AWARD 2016」として選出。

このなかから『電脳(人工知能)』『義体(ロボット)』の2部門に於いて「これぞ攻殻!」という研究・活動に対して、グランプリおよび審査員特別賞を表彰した。

(1)『電脳(人工知能)』部門グランプリ
団体名:富士重工業株式会社、日本アイ・ビー・エム株式会社

<受賞者>
– 樋渡 穣:(富士重工業株式会社 スバル第一技術本部 車両研究実験第四部 部長)
– 宮坂 浩司:(日本アイ・ビー・エム株式会社 グローバル・ビジネス・サービス事業本部IoTソリューション アプリケーション・アーキテクト)

富⼠重⼯業と⽇本IBMは2016年4⽉25⽇、⾼度運転⽀援システム分野における実験映像データの解析システムの構築と、クラウドおよび⼈⼯知能技術に関する協業検討について合意したと発表。

運転⽀援システム「アイサイト」で実証された安全性能と信頼性をさらに進化、今回の⽇本IBMとの協業は、新機能開発を加速させるためのものであった。

今回のグランプリ受賞を受けて、富士重工業株式会社 樋渡氏は、「今年、4月から株式会社SUBARUに変わり、自動運転車も予定通り出荷します。今後も是非ご期待ください。」とコメントしている。

(2)『義体(ロボット)』部門グランプリ
団体名:東京工業大学 鈴森・遠藤 研究室

<受賞者>
– 鈴森 康一(東京工業大学 工学院 教授)
– 車谷 駿一(東京工業大学 工学院 )
– 森田 隆介(東京工業大学 工学院 )

東京工業大学工学院の鈴森康一教授、岡山大学大学院自然科学研究科の脇元修一准教授らは、株式会社池田製紐所(本社:岡山県倉敷市)との協力により、これまでより細くしなやかな人工筋肉の開発に成功した。

より具体的には、鈴森教授が前任の岡山大学に所属していた2011年よりマッキベン型人工筋肉の研究開発を開始。

この⼈⼯筋⾁を筋繊維として編み込むことで、軽く、柔らかく 着⼼地のよい介護福祉⽤サポートスーツやコルセット、 新しいロボットや福祉機器の可能性を⽰した。

鈴森教授はこれに対し、「本技術は、ギクシャクした機械的な動きではなく、非常になめらかでスムーズな、‟なまめかしい“動きを実現しています。

今日このような賞を頂いたことを励みに、また世の中に役に立つようなロボットを作っていきたいと思います。」とコメントした。

(3)審査員特別賞
団体名:東京大学 医科学研究所臨床シークエンス研究チーム

<受賞者>
– 宮野 悟(東京大学 医科学研究所 ヒトゲノム解析センター 教授)
– 東條 有伸(東京大学 医科学研究所先端医療研究センター教授)
– 溝上 敏文(日本アイ・ビー・エム株式会社 ワトソン事業部ヘルスケア事業開発部 部長)

東京⼤学 医科学研究所が導⼊した、2600万件以上もの医学論⽂を学習した⼈⼯知能「Watson」が、専⾨医でも診断が難しい特殊な⽩⾎病を僅か10分ほどで⾒抜き、60代の⼥性患者の命が救われた。

東京大学 医科学研究所 ヒトゲノム解析センター 宮野教授は、「『Watoson』はよく人工知能(artificial intelligence=AI)と紹介されますが、我々のチームは『人知の増強(Augmentic Intelligence=AI)』と考えるのが良いと感じています。

将来『Watoson』が医師の人知を増強することで、近未来のガン医療が変わると確信しています。」と述べ、受賞の喜びを語った。

<プレゼンター>
– 岩田 洋夫(筑波大学 システム情報系 教授 エンパワーメント情報学プログラム プログラムリーダー)
– 石川 光久(「攻殻機動隊 REALIZE PROJECT」実行委員会 実行委員長 / Production I.G 代表取締役社長)

加えて同ステージセミナーの席上で、先の2015年に攻殻ハッカソン・攻殻コンテストを開催した際、攻殻ハッカソングランプリチームを輩出した筑波大学エンパワーメント情報学プログラム(プログラムリーダー 岩田洋夫 筑波大教授)と、株式会社コモンズとの間に、共同研究契約を締結し、研究開発の拠点として同大エンパワースタジオ内に、「ラボ(研究所)」を開設したことを発表した。

同ラボでは、「テクノロジー×エンターテインメント」をコンセプトに、攻殻機動隊などSF作品に描かれたテクノロジーの実現に向けた支援を行っていく意向であると云う。

また併せてKDDI総合研究所では、情報通信研究機構(NICT)からの委託研究として攻殻機動隊S.A.C.シリーズ「タチコマ」をキャラクターに起用したWebによるサイバー攻撃対策プロジェクト「Warp Drive-Project」を発表。

今後はPC、スマートフォン・タブレット、IoT製品などへのサイバー攻撃の脅威に対し、攻撃観測・回避を支援するエージェントソフトウェアの研究開発で、2017年秋を目途にPC(Webブラウザ)向けに実証実験のユーザ募集を開始する予定であるとしている。