東洋ゴム工業株式会社(本社:大阪府大阪市西区、社長:清水隆史)は7月14日、免震装置ゴムの性能データ改竄(かいざん)事件で、個人株主が請求していた歴代取締役への責任追及について、現段階では提訴しない方針を発表した。
これは東洋ゴム工業が、個人株主1名から、平成28年5月17日付で同社の現在の取締役及び、平成19年から同27年までの間に取締役であった合計19名に対し、免震積層ゴムの製造・出荷等に関して善管注意義務違反があるとして、同社に損害466億7,400万円及び遅延損害金の損害賠償請求訴訟を起こす書面により求めていたことを受けてのもの。
東洋ゴム工業の監査役会は、この株主からの請求の適否を判断するため、上記取締役の責任について調査・検討した結果、監査役全員一致の意見として、現時点において該当取締役19名に対し責任または、義務違反に関わる提訴は行わない事を決定し、会社法第847条4項に基づき個人株主に対し通知書を送付した。
これに対して個人株主側は、山本卓司前社長を含む歴代3社長並びに旧経営陣16人に対し、総額24億円を東洋ゴムに求める株主代表訴訟を7月中に大阪地裁に起こす方針。