通信型ドライブレコーダーを使った「安全運転管理テレマティクスサービス」を新発売
富士通テン株式会社(本社:兵庫県神戸市 代表取締役社長:山中 明)は、通信型ドライブレコーダー「G500Lite」を利用して、ビジネス環境に於ける安全運転を支援していく「安全運転管理テレマティクスサービス」を6月1日より発売する。
同製品は、「安全運行管理業務」に関わる深い専門知識を持った運行管理者不在の企業でも、簡単・リーズナブルに安全運転管理が行えるのが大きな特徴の製品だ。
なおこの新サービスは、来る2016年5月19日(木曜日)20日(金曜日)に、東京国際フォーラムに於いて開催される「富士通フォーラム2016」で出展され、その性能や機能を、企業の購買・企画担当者が直に眼で確認することが可能となっている。
なお、主な製品特徴については、以下でも述べていく。
【製品特長】主な製品特徴は以下3つの要素に大別される。
(1).通信型ドライブレコーダーとクラウドが連携。「計画」「記録」「解析」から「教育・学習」までトータルサポート
(2).センター解析技術で事故リスクの高いヒヤリハット地点を見える化
(3).通信型ドライブレコーダー「G500Lite」は高温や振動など過酷な車載環境に対応した車載品質設計
具体的には、急ブレーキや急ハンドル、車両のふらつきや前方車両との距離など、運転状況をクラウドに自動収集していく。
この蓄積データを、簡単操作を介して個人の運転特性を解析して運転診断書や、改善点のコメントを自動で作成。
さらに過去の運転データを基に、運転時の改善項目と目標値の推奨値を自動で設定するなど、安全運転の計画から教育までを、一貫してサポートしていける製品である。またこれら詳細については、後述の「システム構成」に於いても説明していく。
【開発背景】
同製品開発の背景は、広く事業を行う企業にとって、交通事故を筆頭に従業員の運転に関わるトラブルや問題は、単なる経済的な損失だけに終わらず、社会的な信用喪失など、事業機会損失・企業ブランドの欠損・企業活動の安定継続にもつながりかねない盲点である。
併せて近年、広く事業活動に於いてISO39001(*1)が発行されるなど、タクシーやバス、トラックなどの輸送や運送を主業務とする事業者だけでなく、様々な企業に於いて、広く安全運転管理への意識が求められてきている。
そうしたなか、富士通テンは、2005年からドライブレコーダーをタクシーやバス、トラック事業者に対して提供し、運行管理者の方が効果的、効率的な管理ができるよう分析ツールを提供し、安全運転管理を積極的に支援してきた。
そして今回、これまで同社が製品開発を通じて蓄積してきた業務用ドライブレコーダーのノウハウと、富士通グループの自動車向けクラウド基盤、ビッグデータ解析技術を組み合わせることで、運行管理者のいない営業車やサービス車などを保有する企業に於いても、専門知識をもった管理者なしで、簡単かつリーズナブルに安全運転管理が行えるサービスを開発し、提供していく。
システム構成
【新商品の主な特長】
1.通信型ドライブレコーダーとクラウドが連携。「計画」「記録」「解析」から「教育・学習」までトータルサポート
計画/記録/解析/教育・学習を期単位で管理し、各ドライバーを評価することが可能だ。
具体的には、通信型ドライブレコーダーから収集した運転特性データを基に、車両のふらつきや前方車両との距離、急ハンドルなど、各ドライバーの運転状況を解析し、安全運転の診断書を自動で作成したり、ランキング表示したりすることが可能となる。
また、この診断結果から、ポイントごとに詳細な分析と改善点を自動でコメントする。
指導すべきポイントについては、そのポイントごとに教育ツールを管理者※向けに用意しており、ドライバーの特性に応じた教育が可能。かつドライバーはe-learningで学習できるようになる。
これらにより、管理者は一箇所から全国一元管理を行うことも可能だ。※なおシステムの想定する管理者とは、ドライバーの上司や総務、車両管理部門担当者などを想定している。
・安全運転計画
過去の運転データを基に改善項目と目標値の推奨値を自動で設定する。
また、定性的な目標管理を行えるようテキスト入力で任意の目標を設定できる。
内容は、管理者が共有してコメントを入力できるため、管理者とドライバーのコミュニケーションを促進し、安全運転意識の向上につながる。
・データ記録
ドライバーが免許証をICカードリーダーにタッチして運転を開始するだけで、車両の位置、ふらつきや車間距離、急ハンドルや急ブレーキ、動態などのデータが、通信機能により自動でクラウドセンターへ送信される。
これにより、車に関わらずドライバー個人のデータを収集でき、業務終了後にデータをパソコンにダウンロードする手間も省ける。
・映像記録
常時映像を記録しており、衝撃等を検知した際にその前後含む20秒間の映像を記録する。(注)映像データはクラウドセンターへ自動送信されることはない。
・安全運転診断
ドライバーの特性データを基に診断を行い、各項目を採点し、ランキングやコメントを表示する。
・ふらつき/車間距離分布解析
速度帯や時間帯ごとのふらつきや車間距離の分布を表示し、客観的なデータによる安全教育が行える。
・画像自動解析
衝撃を検知して記録された保有車両の膨大な映像データは、クラウドセンターに収集され、事故につながる危険度の高いヒヤリハット映像を自動で抽出し、飛び出しなどの要因が強調される仕組みだ。
それにより、これまで目視で確認して探し出していた管理者の負担を大幅に軽減する。(注)なお映像データはクラウドセンターへ自動送信されることはない。
・KY資料(危険予知トレーニング用資料)作成支援
画像自動解析結果のヒヤリハット画像から教育用資料を簡単に作成することが可能。ここで作成した資料はe-learningでドライバーに提供する。また受講結果も確認することができる。
・動態管理機能
特定した車両の現在位置と走行軌跡を確認することが可能。
・異常通知メール
事故の恐れのある強い衝撃を検知した際に管理者にメールで通知する。これにより、もしもの際の事故対応を支援する。
2.センター解析技術で事故リスクの高いヒヤリハット地点を見える化
サービスを利用する全ての車両の走行データや映像データを蓄積・解析することで、事故リスクの高い地点を抽出し、ヒヤリハットマップを作成する。
将来的にはドライバーの性別や年齢など、属性に応じた注意喚起を行うことで事故防止につながるサービスも提供していく計画だ。
・ヒヤリハットマップ
単に急ブレーキの地点を表示するだけではなく、飛び出しや追突など具体的な要因別にデータが蓄積される。
これらは時間帯や要因、自社のみなど表示を切替えて確認することが可能。また、このヒヤリハット地点に近づいた際、車載機は音声ガイダンスで要因ごとに注意喚起を行う。
3.温度、振動など過酷な車載環境に対応した車載品質設計の通信型ドライブレコーダー
高温・低温、頻繁な振動など、過酷な車載環境でも安心して使用できるよう設計されている。
さらに車速測定では、GPSを使用して測定する一般的なドライブレコーダーとは異なり、車両から直接車速データを取得するため、より高精度な運転の挙動把握ができる。
無線通信ユニットを搭載しているため、リアルタイムにドライバーの運転特性データを収集できる。また、ICカードリーダーにより免許証でドライバーの個人認証を行うとともに、免許証の携帯忘れや有効期限切れを予防する。
4.充実のアフターサポート
・5年保証
車載機の取付けから5年間製品の保証を行う。
・専用コールセンター
車載機の使用方法だけでなく、アプリの使用や故障に関する問い合わせなどを行う専用コールセンターを開設する。
【価格】
月額サービス利用料:SDS-T500 2,200円/台・月
– 車載機 DRU-T500(本体パッケージ):オープン価格
– DCM-T500(通信ユニット):オープン価格
– ICR-T500(ICカードリーダー):オープン価格
【車載機の主な仕様】
※1:オプションカメラ接続時には仕様が変更となる。
【注釈】
(*1)ISO39001:道路交通安全マネジメントシステムに関する国際規格