ポルシェ、FIA世界耐久選手権(WEC)第6戦富士に向けて始動


ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:Dr.オリバー・ブルーメ)は、世界のモータースポーツ選手権の中で最も重要なレースのひとつであるFIA世界耐久選手権(WEC)全8戦の第6戦として富士スピードウェイにて10月11日の現地時間11:00に開催される6時間耐久レースに挑む。

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今参戦にあたって、ポルシェは富士・日本ラウンドに向けてのプレビューレポートを発表している。その内容は以下の通り。

日本は、スポーツカーにとって成熟した市場であり、熱烈で知識の豊富なレースファンを抱えています。神聖な富士山の麓にあるこのサーキットでは、数多くのポルシェ レースカーが歴史を刻んできました。

しかし一方で、富士のコースレイアウトは、レースチームに特別な課題を突き付けます。極めて長いストレートでは車速が上がりますが、それに続く16個のコーナーの中には極めてタイトなものも含まれ、車両には異なるセッティングが要求されるからです。

ポルシェは、2種類の車両でこの課題に挑みます。最高峰のLMP1(ル・マン・プロトタイプ・クラス1)のポルシェ919ハイブリッドは、シリーズ戦の連勝記録を伸ばすことを目指しています。

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約1,000PSのシステム出力を発生する軽量な870kgのハイブリッドガソリンレーサーは、今シーズンこれまでにル・マン24時間をはじめ、それに続くニュルブルクリンクと米国での6時間レースで優勝を飾りました。

またポルシェは、アウディとトヨタに先行してマニュファクチュアラー部門をリードし、ドライバー部門でもトップを射程圏内に捉えており、加えてポルシェは同じWECレースにおいて、市販車ベースのレーシングカー専用のGTクラスにポルシェ911 RSRも参戦させています。

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このカテゴリーで、ワークスチームから出走する911 RSRは、フェラーリにわずか2ポイント差まで迫っており、ポルシェのワークスドライバーであるリヒャルト・リーツは、ドライバー部門をリードしています。

これだけ、919と911には大きな違いがあるにも関わらず、いずれのレーシングカーも、日本のポルシェファンの間で絶大な人気を誇ります。最先端のテクノロジーを採用したル・マン・プロトタイプは、とりわけハイブリッド車に強い関心のある日本人の目を引き付けているのです。

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特にそのドライブコンセプトは、31台の中で最も革新的です。919のガソリンエンジンは、ターボチャージャー付きの2リッター4気筒という小排気量ながら、500PSの出力を発生し、ポルシェがこれまでに作った中で最も効率的なエンジンとみなされています。

しかし、車両の真価はそれだけではありません。919ハイブリッドには、2つの異なるエネルギー回生システムが装備されており、ポルシェはこれらを用いて、日常走行のより良い未来に向けて取り組んでいます。

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排気ガス流から取り出されたエネルギーは、2基目のタービンにより電気エネルギーに変換されます。フロントアクスルでは、運動エネルギーが制動時に回収され、これらの回生システムがリチウムイオンバッテリーに充電され、ドライバーは、ここに蓄えられたエネルギーをスイッチひとつで放出することができます。

こうして400PSを超える出力の電気モーターがフロントアクスルを駆動し、919を4輪駆動車にしています。

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しかし、純粋なパワーだけが、この特別な世界選手権の目的ではありません。厳格な燃費規制がエンジニアに発想の転換を余儀なくさせます。そして、まさにこれこそが、ポルシェの参戦理由なのです。

LMP1プログラム責任者フリッツ・エンツィンガーは次のように述べています。「ポルシェにとって勝つことは重要ですが、長期的に見れば、こうした勝利は記念写真のようなものです。

開始当初より919ハイブリッドの最も重要な役割は、『走る実験室』として将来の市販車の役に立つことでした。」

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しかし、レーシングカーと市販車の間の技術的なつながりは、市販車に近いGTクラスのポルシェ911 RSRにおいてよりいっそう密接です。

この車は、世界で最も多く販売され、最も成功を収めたレーシングスポーツカーの象徴であり、第7世代の911スポーツカーをベースにしています。全ての911と同じく、911 RSRのボディは、シュトゥットガルト-ツッフェンハウゼン工場の組み立てラインから生み出されています。

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特に、軽量設計やエアロダイナミクスなどのエネルギー効率の分野において、モータースポーツは、体系的かつ継続的に市販車の開発に取り入れられます。

ポルシェのモータースポーツ部門責任者フランク=シュテッフェン・バリサー博士は、次のように述べています。「日本では熱烈なファンが911を待っています。私達は、とりわけ2ドアスポーツカーとフラッグシップの911により、日本市場で大きな成功を収めています」

ポルシェジャパンの販売台数は、2014年に大きく増加したことで、初めて5,000台の大台を超えました。そして2013年以降、リアエンジンおよびミッドシップエンジンのスポーツカーの販売台数が、再び歴史的な規模に達しました。

これが、好調な年間実績に大きく貢献しました。2015年上半期を見ても、2ドアスポーツカーの日本における販売は好調です。バリサーによれば、「ポルシェ911にとって、こうした成功を際立たせるのに、サーキットで強力なライバルを上回る戦闘力を見せることほど確実な方法はありません」と語っています。