国土交通省、道路メンテナンス年報を公表


平成 25年の道路法改正等を受け、平成 26年 7月より全ての橋梁・トンネル等の道路管理者は5年に 1度、近接目視で点検を行い、その健全性を4段階で診断することが求められる。

これを踏まえ国土交通省では、国民・道路利用者の皆様に道路インフラの現状及び老朽化対策についての理解浸透を図るため、点検の実施状況や結果等を調査し「道路メンテナンス年報」として取りまとめた。

この調査結果は、点検結果を踏まえた今後の措置方針の立案等を検討するための資料となる。なお、本年報に記載されている数値は、平成27年6月末時点の暫定値となっている。

点検について、全ての道路管理者は「橋梁」、「トンネル」、及び「シェッド・大型カルバート、横断歩道橋、門型標識等(以下、道路附属物等)」の道路施設について5年に 1度、近接目視にて点検を実施していく。

<平成 26年度点検実施数>ministry-of-land-infrastructure-and-transport-road-maintenance-annual-report-published20150808-101

※上記の他に、国土交通省及び高速道路会社管理の溝橋(カルバート)がある。(管理施設数、点検実施数は、国土交通省 9,467、101、高速道路会社 5,733、1,481)

点検結果について、橋梁、トンネル等の健全性の点検結果は以下の 4段階に区分する。ministry-of-land-infrastructure-and-transport-road-maintenance-annual-report-published20150808-102

道路メンテナンス年報の活用
道路メンテナンス年報は、橋梁等の老朽化の実態の把握、点検結果を踏まえた措置方針の立案などに活用する。

点検計画
全道路管理者は平成 26年 12月時点で、橋梁、トンネル、道路附属物等について、平成 30年度までに全ての施設の点検を実施する点検計画 ※を策定した。

○また、第三者被害の予防並びに路線重要性の観点から緊急輸送道路を跨ぐ跨道橋、跨線橋、緊急輸送道路を構成する橋梁については、最優先で点検を進める。

○5年間の点検計画(全道路管理者合計)ministry-of-land-infrastructure-and-transport-road-maintenance-annual-report-published20150808-103

○跨道橋、跨線橋等の5年間の点検計画(全道路管理者合計)ministry-of-land-infrastructure-and-transport-road-maintenance-annual-report-published20150808-104

※国土交通省では、従前より橋梁等について、5年に1回の点検を実施してきている。

また、高速道路会社では、笹子トンネル天井板落下事故以降、各種の構造物を点検したうえで更新・修繕計画を策定し、事業に着手しており、引き続き定期的な点検を実施していく。

点検実施状況(平成 26年度)
(1)全国の橋梁・トンネル・道路附属物等
平成 26年度において、橋梁は全国約 70万橋のうち、約 6万橋の点検を実施した。各管理者別の点検実施数は、国土交通省 5,741橋、高速道路会社 2,155橋、都道府県・政令市等 20,739橋、市区町村 31,173橋となった。

なお、点検実施率は、全体で約 8%、管理者別では、国土交通省約 20%、高速道路会社約 12%、都道府県・政令市等約 11%、市区町村約 6%となっている。

その他、トンネル及び道路附属物等は、それぞれ約 1,400箇所、約 6,100施設で点検を実施し、約 13%、約 15%の点検実施率となっている。

ministry-of-land-infrastructure-and-transport-road-maintenance-annual-report-published20150808-105ministry-of-land-infrastructure-and-transport-road-maintenance-annual-report-published20150808-106

 

○点検実施状況ministry-of-land-infrastructure-and-transport-road-maintenance-annual-report-published20150808-107

最優先で点検すべき橋梁
第三者被害の予防並びに路線重要性の観点から、緊急輸送道路を跨ぐ跨道橋、跨線橋、緊急輸送道路を構成する橋梁については、最優先で点検を進めることとしており、それぞれ、2,035橋、1,063橋、15,427橋で、点検を実施した。

点検実施率は、緊急輸送道路を跨ぐ跨道橋、跨線橋、緊急輸送道路を構成する橋梁について、それぞれ、約 16%、約 12%、約 15%と、いずれも、橋梁全体の点検実施率(約8%)を上回っている。

点検結果(平成 26年度)
①橋梁
国土交通省では、管理する橋梁 28,139橋のうち、5,741橋について点検を実施し、その結果は判定区分 ※Ⅰ 2,689橋、Ⅱ 2,282橋、Ⅲ 768橋、Ⅳ 2橋となった。なお、判定区分のそれぞれの割合は、Ⅰ 47%、Ⅱ 40%、Ⅲ 13%、Ⅳ0.03%となる。

判定区分Ⅲ(早期に措置を講ずべき状態)については、建設後 30年を過ぎると急増し、10%超となっている。

緊急措置段階である判定区分Ⅳの橋梁については、速やかに緊急措置を実施した。


・判定区分Ⅰ:健全(構造物の機能に支障が生じていない状態)・判定区分Ⅱ:予防保全段階(構造物の機能に支障が生じていないが、予防保全の観点から措置を講ずるこ とが望ましい状態)

・判定区分Ⅲ:早期措置段階(構造物の機能に支障が生じる可能性があり、早期に措置を講ずべき状態)

・判定区分Ⅳ:緊急措置段階(構造物の機能に支障が生じている、又は生じる可能性が著しく高く、緊急に 措置を講ずべき状態)

ministry-of-land-infrastructure-and-transport-road-maintenance-annual-report-published20150808-108ministry-of-land-infrastructure-and-transport-road-maintenance-annual-report-published20150808-109ministry-of-land-infrastructure-and-transport-road-maintenance-annual-report-published20150808-110

○さらなる結果詳細は、以下のホームページにて閲覧出来る。 http://www.mlit.go.jp/road/sisaku/yobohozen/yobohozen_maint2.html

 

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