TDK、業界最小の車載イーサネット用コモンモードフィルタを量産化


TDK株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:石黒 成直、以下TDK)は、業界最小の車載Ethernet用コモンモードフィルタ ACT1210Lシリーズ(外形寸法: L3.2×W2.5×T2.4mm)を開発し、2017年6月より量産を開始した。

同社では、車載Ethernet用コモンモードフィルタとして「ACT45Lシリーズ(外形寸法: L4.5×W3.2×T2.8mm)」をラインアップしていた。

しかし近年、車載カメラにおいても小型化が進んでおり、高密度実装化のもと、小型化と同時に高耐熱性が求められている。

これを踏まえて、同社は独自の構造設計と巻線工法を用いることにより、小型化した場合でもACT45Lと同等のモード変換特性Scd21を確保した。

モード変換特性Scd21 が高水準ということは、ディファレンシャル信号がコモンモードに変換されず、コモンモードフィルタとしての特性が良好であることを示している。

また、金属端子を用いることにより、使用温度範囲は-40 ~ +125℃と高耐熱化を実現した。

加えて、完全自動化の製造プロセスにより、高信頼性、高品質なモノづくりを可能にしている。

同社では「今後、さらに使用温度範囲の拡大や高速通信対応などラインアップの拡充を図り、多種多様な車載用機器設計へ対応していきます」と述べている。

用語解説
モード変換特性Scd21:ディファレンシャルモード成分がコモンモード成分に変わる変換量を表し、値がマイナス側に大きくなるほど、コモンモード成分への変換が少なくなり、コモンモードノイズの発生が抑制されることを意味する。

主な用途
車載Ethernetシステム

主な特長と利点
小型化においても独自の構造設計と巻線技術で現行品と同等のモード変換特性Scd21を実現
小型サイズで省スペース化
金属端子を用いることにより、使用温度範囲-40 ~ +125℃を実現
完全自動化ラインによる品質の安定性

生産・販売計画
サンプル価格 :150円/個(税抜き)
生産拠点 : 日本
生産予定 : 30万個/月(当初)
生産開始 : 2017年6月