故障予知サービスのグローバル展開を加速
住友ゴム工業は、8月27日にAIソリューションを提供する米ベンチャー企業のViaduct, Inc.(バイアダクト社)と104百万米ドル(約153億円/1ドル=147円換算)で買収契約を締結した。
これまで両社は共同での実証実験を通じて、当社が保有するタイヤのセンシング技術「センシングコア(タイヤの回転速度などの情報からタイヤの空気圧・摩耗状態・荷重・路面状態などを予知するソフトウェア技術)」と、Viaduct社が保有するAI技術を組み合わせた新しいサービスの開発を行ってきた。
今買収により、10月から北米で販売を開始する企業や団体が所有する車両を運用・管理するフリート車両向け故障予知サービスをより効率的に推進すると共に、日本や欧州などグローバルでのサービス展開を加速させていく構え。
更に部品の交換時期をお知らせすることで車両故障の未然防止やメンテナンスの効率化、部品発注や作業指示などへサービス範囲を拡大させることで、タイヤ事業とのシナジーを創出していく。
住友ゴム工業とViaduct社は2023年に共同実証実験を開始し、2024年には出資により戦略的パートナーシップをより強固なものとして開発を進めてきた。そうした足跡を踏まえ今回、事業の更なる推進と拡大およびグローバル展開をより加速させるため買収に至った。
10月から北米でサービスを開始するフリート車両向け故障予知サービスでは、フリート事業者が抱えるダウンタイムの削減やメンテナンスコスト削減といった課題の解決に加えて、走行時の安全性向上や車両の稼働率向上に貢献していく。
シリコンバレーに本社を構えるViaduct社は、車両や工場の膨大なデータを独自のアルゴリズムで解析することで、異常の早期発見や予測、更には異常の原因を特定できる非常に汎用性の高いAI技術を保有している。既に大手顧客での実績も重ねており、今後は自動車分野に留まらず、様々な分野への事業展開を視野に入れている。
住友ゴム工業は、センシングコアを中心としたソフトウェアソリューションにより、次世代のモビリティ社会の進化に貢献していくことを目標として掲げており、今買収により、Viaduct社が保有するAI技術と当社が保有するタイヤの知見およびセンシングコアとの融合を図ることで、新たな価値の創出を目指す。
同社では、CASE/MaaSに対応する高い安全性能・環境性能を実現するために、タイヤ開発および周辺サービスの開発コンセプトの「SMART TYRE CONCEPT(スマートタイヤコンセプト)」を掲げている。
その周辺サービスの中核を担う「センシングコア」を、タイヤ・スポーツ・産業品に次ぐ当社の主要事業の第4の柱として成長させていきたいと考えており、自動運転向けビジネスと共に、フリートマネジメントビジネスを中心とし、2030年に事業利益100億円以上を創出する事業へ成長させていくとしている。
住友ゴム工業㈱ 代表取締役社長 山本悟コメント
自動運転時代の到来を見据え、次世代車両と親和性が高い「センシングコア」事業のサービス拡張に向けて、Viaductという信頼できるパートナーに出会えたことを心より嬉しく思います。
当社が3月に発表した長期経営戦略「R.I.S.E. 2035(ライズ ニーゼロサンゴ)」※5で掲げた「センシングコア」のビジネス構想の実現を加速する重要な施策の1つです。今後は、さらなる連携の強化を通じて、モビリティの枠を超えたイノベーティブなサービスの創出を目指してまいります。
Viaduct, Inc. CEOデイヴィッド・ハッラーク氏コメント
長く信頼できるパートナーとして協業してきた住友ゴムグループの一員となることを大変嬉しく思っています。我々の成長を加速させるだけでなく、AIを活用した変革を世界中のより多くの顧客に提供していくことができると確信しています。
4月に日本を訪問した際、住友の事業精神に触れることができ、その礎となっている誠実さ、長期的ビジョン、そして卓越性へのコミットメントに深く感銘を受けました。これらの価値観とViaductの事業運営との間には、親和性があると直感しました。今後、共にどのようなインパクトを生み出せるか、非常に期待しています。
Viaduct社概要
社名:Viaduct, Inc.
URL:https://www.viaduct.ai/
本社所在地:1010 Doyle Street, Suite 200, Menlo Park, CA USA
代表者:Founder&CEO デイヴィッド・ハッラーク
設立:2018年
事業内容:
AIを活用したデータアナリティクスおよびソリューションサービスの提供