プジョー208、8年ぶりの新世代車。純EVもラインに追加


ランニングコストを含めば、ガソリン、EVともほぼ同じの費用負担に

グループPSAジャパン(アンジェロ・シモーネ社長、本社・東京都目黒区)は、7月2日、Bセグメントコンパクトカーの新型プジョー「208」および電気自動車(EV)の「e-208」をオンライン方式で同時に公開、発表した。発売は同日からで、EVは10月ごろデリバリー開始予定。シモーネ社長は新型208発表に当たり「パワー・オブ・チョイス」を掲げて、人気のコンパクトカーがガソリン車、EVから選べると強調した。(佃モビリティ総研・松下次男)

新型208は8年ぶりのフルモデルチェンジ。1・2リットル・ターボエンジンを搭載するガソリン車と100%ピュアEVのe-208の違いはパワートレインのみで、デザインはほとんど共通だ。
また、車両価格は2倍近くの差となっているが、燃料や保険費用などのランニングコストを考慮すると、ガソリン車とEVとの費用負担もほぼ同等になるという。

ガソリン車と並んで日本に投入するEVのe-208は、最大走行距離が欧州WLTPモードで340キロメートル。電気モーターは最大出力136馬力(100キロワット)、最大トルクが260ニュートンメートルで、50キロワット時リチウムイオン電池を搭載する。

EVの航続距離は1充電で340キロ、インテリアに革新的な3D iコクピットを採用

バッテリー充電はコンセント型普通充電、ウォールボックス型普通充電、チャデモ急速充電に対応し、フル充電はコンセント型で約18時間、ウォールボックス型で約9時間必要。ただし、普段使う50キロ走行当分の充電ではそれぞれ4時間、2時間の充電で十分という。
チャデモ急速充電は約50分で80%充電できる。今後、プジョーのディーラー拠点に急速充電器を順次、配備する計画だ。

また、走行時や使い勝手の面ではパフォーマンス、日々の利用での最適化、航続距離最大化に対応し「スポーツ」「ノーマル」「エコ」の三タイプのドライビングモードを用意。ブレーキモードも二つから選択でき、ギアシフターの操作で望みの回生ブレーキ強度を選ぶことができる。

新型208のガソリンモデルは1・2リットルターボエンジンの進化型を搭載し、最高出力100馬力、最大トルク205ニュートンメートルを発揮する。電子制御8速オートマチックと組み合わせることで、JC08モードで燃費を約7%改善し、1リットル当たり19.5キロメートルを実現した。

車両コンセプトは、PSAグループの最新世代の車両プラットフォームCMP(コモン・モジュール・プラットフォーム)の上に成り立ち、ディメンジョンとパワーユニットのバリエーションに高い柔軟性を備えているという。このため、内燃機関とEVの両立が可能となった。

ガソリン車、EVは同等のクルマで、違いはパワートレインのみ

デザインでは、より低く、よりワイドな「スポーティ、スタイリッシュなフォルム」を実現。現行モデルに比べ全長で120ミリメートル、全幅で5ミリメートルそれぞれ伸ばし、全高を25ミリメートル低くした。重量も30キロ低減し、ADAS(先進運転支援システム)などの装備が大幅に充実したにもかかわらず、車重はほぼ同等に抑えている。

インテリアでは、革新的な「3D i-コクピット」が注目されるだろう。3次元表示によりデーターの重要度や緊急時に応じて、ダイナミック、奥行きをもって情報が変化して表示される。さらにセンターコンソール上部に7インチのスクリーンを配置し、空調やオーディオ、ナビゲーションシステム、車両設定などが行える。

先進技術、安全性では、アクティブセーフティブレーキやアクティブクルーズコントロール、レーンポジショニングアシストなどプジョーのフラッグシップ508に匹敵する最新機能を標準装備する。
e-208では、スマートフォンのアプリを利用したリモートコントロールというEVならではの機能も充実。充電予約やエアコン操作がリモートコントロールで可能だ。
新型208は欧州のカーオブ・ザ・イヤー2020やレッドドットデザインアワード2020などを受賞した。
価格(税込み)は208が239万9千円~293万円。E-208が389万9千円~423万円。