三菱自動車工業株式会社(本社:東京都港区、社長CEO:益子 修、以下、三菱自動車)は、岡崎地区の研究・開発拠点「技術センター」で、中核となるオフィスビルや環境試験棟、風洞試験棟の三施設について、建替え工事を開始した。
また投資に先立ち5月19日に同製作所を訪問し、2019年を目処に開発が進むASEAN向けのコンパクトミニバンの試乗などを行った。
なお岡崎地区の開発並びに生産拠点に投じる投資額は約330億円を予定しており、オフィスビルと環境試験棟は2018年秋に。風洞試験棟は2020年初めにそれぞれ完成予定としている。
ゴーン氏は、昨年4月に発覚した燃費不正問題を踏まえ、三菱自動車工業の従業員から、不正発覚後以降の改革の取り組み状況を聞き、そのダイバーシティの改善をも含む進捗についての計画。並びに成長を目指す意欲に感銘を受けたと語った。
加えてゴーン氏は、今訪問の岡崎地区の他、岡山県倉敷市にある水島製作所も含め、三菱自動車工業の生産能力が過剰である等の認識はない。
2工場はグループのアライアンスの中で、むしろ成長の余地が大きいことを踏まえ、今後の生産体制の継続を強調。「足りないのは利益ある成長であり、組織横断で改革を進めれば、社員達が見据えている高い目標は必ず実現できるだろう」とコメントした。
これを受けて岡崎の拠点では、業務環境の改善や最新設備の導入により研究・開発能力を強化し、次世代のクルマづくりへ向けハード面からも体制整備を、より一層進めて行く構え。
ゴーン氏訪問拠点の施設概要と刷新予定については以下の通り
・オフィスビル
8階建てオフィスビルは、オフィス昨日の他、食堂や約700名収容の大ホールも備える。
今後はクロスファンクショナルな活動促進のため、各フロア間の移動しやすさに配慮したレイアウトとし、コミュニケーション向上のため十分なミーティングスペースを確保する。なお設計や開発、認証、試験などの社員約2,000人が勤務する予定となっている。
・環境試験棟
-40℃の極寒地や50℃の酷暑地を再現し、車両試験を行っていく。新施設では太陽光や雪の結晶状態までが再現され、より自然に近い環境での試験が可能となる。
・風洞試験棟
車両の空力性能や環境性能、静粛性などをより向上させるため、実車走行状態を再現できるムービングベルト機能を備えた新たな大型風洞試験設備を整える。