ケーヒン、世界最大の二輪車市場インドでFIシステムの供給体制構築へ


株式会社ケーヒン(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:横田千年)は6月28日、インドにグローバル最大のFIシステム供給体制を構築すると発表した。

これは世界最大の二輪車市場であるインドに於いて、二輪車用電子燃料噴射システム(FIシステム)の供給体制を構築することを、同日開催の取締役会において決定したもの。

これに合わせインド北部に連結子会社である「ケーヒンインディアマニュファクチュアリング・プライベートリミテッド」(以下、KPL)の新工場(第二工場)を建設。

同社のインドにおける二輪車用製品生産拠

KPLの第一工場と「ケーヒンエフ・アイ・イー・プライベート・リミテッド」(以下、KFI)の第三工場の建屋拡張を行っていく。

現在、ケーヒンはインドにおける二輪車用製品の生産は、KFIの3つの工場で二輪車用キャブレターを年間約1,300万台生産している。

同国市場は、2020年に二輪車の環境規制基準がBS-6へと規制が強化されることが計画されていることから、キャブレターから燃料と空気を精密にコントロールできるFIシステムへの移行が本格的に進むことが予想されている。

ちなみにBS-6(バーラト・ステージ6)は、2020年から適用開始となるインドにおける排出ガス規制の名称だ。

これはインドに於いて、販売台数の多い150cc以下の二輪車における排出ガス低減量に該当するもの。

BS-6の規制値は、2020年に予定されている欧州のEURO5と同等レベルであり、従来のBS-4に比べて排出ガスに含まれるCOを約29%注、NOxを約85%注の低減が必要となるなど規制が強化される。

これを踏まえ同社は以下のとおり、インドにおいてFIシステムの供給体制を構築していく構えだ。

1.KPL第二工場を新設
インド北部のラジャスタン州ニムラナにKPL第二工場を新設し、インジェクターと、燃料ポンプの構成部品であるフューエル・フィード・ポンプの生産を2019年より開始予定

2.KPL第一工場で建屋を拡張し、電子制御ユニットを生産開始
既存のKPL第一工場の建屋の拡張を行い電子制御ユニットの生産を2019年より開始予定。

3.KFI第三工場で建屋を拡張
KFI第三工場においては建屋の拡張を行い需要拡大に対応できる体制を構築。
既存のKFIの3つの工場においてスロットルボディと燃料ポンプの生産を2019年より開始予定。
これらインドにおけるFIシステムの供給体制を構築するために、投資金額は最大で約180億円を見込んでいる。

ケーヒンは現在、グローバルで1,000万台のFIシステムを提供しており、今後は、市場が拡大するインドを中心に、FIシステムの供給体制を強化し、将来的には年間2,000万台まで生産能力を拡大させ、グローバルサプライヤーとして競争力を向上させていく姿勢を見せている。