カワサキ、スーパースポーツ「Ninja ZX-10R」を海外市場で発売


川崎重工業株式会社(本社:東京都港区海岸・神戸市中央区東川崎町、代表取締役社長:村山滋、以下、川崎重工)は、スーパースポーツモデル「Ninja ZX‐10R」をモデルチェンジし、2016年モデルとして同年1月より海外市場で発売する。

「Ninja ZX-10R」は、デビュー以来、世界中のレースシーンで活躍し、サーキットにおける性能で定評を得ている。

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2015年のスーパーバイク世界選手権※では、カワサキレーシングチームのジョナサン・レイ選手が圧倒的な強さでタイトルを獲得した。

2016年モデルは、そのレース活動で得たノウハウを市販モデルにフィードバックし、さらなるサーキット性能向上を実現した。

水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブエンジン(998cm3)は、クランクシャフトの慣性モーメントを低減することで、コーナー立ち上がりの加速力を強化し、シャープなハンドリングも実現。

また、電子制御スロットルバルブを採用することで、燃焼効率をさらに向上させ、2016年から適用される新排出ガス規制「ユーロ4」もクリアするなど、公道走行にも配慮している。

メインフレームはディメンション(車体の各部寸法)の見直しにより、フロントタイヤの接地感を向上させるとともにコーナリング性能を向上。

新採用のバランスフリーフロントフォークは、スーパーバイク選手権参戦マシンで使用されているフォークと同構造のハイスペックな仕様とした。

また、フロントフェアリングを大型化し、ウインドプロテクション性能を高めることでコーナーエントリー時の操作性を向上させた。

カワサキの次世代型電子制御技術として、最新式の小型慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)と、カワサキ独自のダイナミックモデリングプログラムを初採用。これにより、走行時の車体の状態を緻密に演算し、より精細に車体姿勢をコントロールすることが可能。※市販車をベースとしたマシンで競われる世界最高峰のロードレース。

1.主な特長
□ エンジン関係
・水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブエンジン(998cm3)は、ハイパワーかつコントロール性に優れた出力特性としている。

サーキット走行におけるコーナー立ち上がりにおいて強力な加速力を得るために、特に低中速回転域でのパワーを向上させた。

・クランクシャフトの慣性モーメントを従来モデルから20%低減することで、鋭い回転上昇と軽快なハンドリングを実現している。

・電子制御スロットルバルブを採用し、燃料と空気の双方をECU(Electronic Control Unit=電子制御装置)で完全にコントロールした。

常に理想的な空燃比とすることで、スムーズなエンジンレスポンスと高出力を実現。排気ガスのクリーン化にも貢献し、2016年から適用される新排出ガス規制「ユーロ4」にも対応している。

・エキゾーストパイプには耐熱チタン材を、サイレンサーにはチタン材を採用。性能向上、耐久性向上、軽量化、マスの集中化に大きな役割を果たした。

□ 車体関係
・メインフレームはディメンション(車体の各部寸法)を見直し、ステアリングヘッドパイプ位置をライダー側に7.5mm近づけることで前輪への重量配分を増やした。

フロントの接地感がつかみやすく、ブレーキングからコーナーへの進入、そして切り返しでの運動性能を向上させている。

・新採用のバランスフリーフロントフォークはスーパーバイク選手権参戦マシンで使用されているフォークと同じ構造で、市販車のレベルを超えたハイスペックな仕様としている。

・ブレンボ製ブレーキシステムを採用。市販車用としては同社最高グレードのM50アルミモノブロックキャリパー、大径化したφ330mmディスク、ラジアルポンプマスターシリンダーの組み合わせにより、扱いやすいブレーキフィールを実現した。

・新設計のアルミスイングアームを採用。走行時にスイングアーム各部にかかる荷重を、カワサキ独自のダイナミックモデリングプログラムにより算出し、理想的な形状のスイングアームを設計。より俊敏なハンドリングを実現している。

・大型化したフロントフェアリングは、従来モデルよりも空気抵抗を低減させ、ウインドプロテクション性能を高めることで、コーナーエントリー時の操作性を向上させた。

□ 装備関係
・最新の小型IMUとカワサキ独自のダイナミックモデリングプログラムによって、走行車体における6自由度(3軸の角度と加速度)の数値を緻密に演算。最先端の電子制御システムにより、精細に車体姿勢をコントロールすることが可能となった。

・タイヤのトラクション(駆動力)を制御する「S‐KTRC(Sport‐Kawasaki Traction Control)」、スムーズな発進を可能とする「KLCM(Kawasaki Launch Control Mode)」、スポーツ走行時の減速をアシストする「KIBS(KawasakiIntelligent anti‐lock Brake System)」、エンジンブレーキを滑らかにする「KEBC(Kawasaki Engine Brake Control)」、シフト操作をサポートする「KQS(Kawasaki Quick Shifter)」、出力特性を選択できる「PMS(Power Mode Selection)」、走行状態により減衰力を最適化するオーリンズ製電子制御ステアリングダンパーなど、多彩な先進テクノロジーが導入されている。