WRC第10戦ドイツで、シトロエンのミケルセンが総合2位を獲得


8月17日〜20日にかけて開催されたWRC第10戦ラリードイツで、シトロエン・トタル・アブダビ WRT のアンドレアス・ミケルセン/アンデルス・ヤーゲル組が総合 2 位を獲得した。

また同チームのクレイグ・ブリーン/スコット・マーティン組も、今シーズン6回目となる5位フィニッシュを果たした。

ラリードイツの最終日は、SS18/20 のLosheim am See(13.02km)と、SS19/21 の St.Wendeler Land(12.95km)という 2 箇所のスペシャルステージを2回ずつ走行する計4SSで行なわれた。

ミケルセンは、総合 2 番手で競技最終日をスタート。21.4 秒差で逃げる総合首位のオット・タナク(M スポーツ)にプレッシャーをかけ続ける一方、8.2 秒差に迫るセバスチャン・オジエ(M スポーツ)の 2 番手浮上を阻止する決意でスペシャルステージに臨んだ。

結果ミケルセンは、計画どおりの走りを披露し、ふたつのスペシャルステージをそれぞれ 2 番手タイムでフィニッシュ。

SS19 までを終えた段階で、タナクとの差を 18 秒に詰め、オジエとの差を 19.3 秒まで広げることに成功した。

一方のブリーンもポジティブなスタートを見せ、SS19 までを終えた時点で、総合 4 番手のエルフィン・エバンス(M スポーツ)まで 7.1 秒という僅差に詰め寄る。

そこからブリーンはスパートをかけ、SS20 で今大会初の SS ベストタイムを記録。最終 SS の“パワーステージ”でライバルを逆転した。

これによりブリーン/マーティン組は、モンテカルロ、スウェーデン、コルシカ、ポルトガル、フィンランドに続く今シーズン 6 度目の総合 5 位を獲得した。

一方、マシンが走行を重ねるごとに路面コンディションが悪くなっていくなか、ミケルセンはリスクを回避して 2 位を確実なものにすることを決断。

最終 SS を無事に走り切って、WRC キャリアで 21 回目となる表彰台に上がり、笑顔を見せた。

第 11 戦となる次戦までは、約ひと月のブレイクを経てラリーRACC カタルーニャ・ラリー・デ・エスパーニャ(スペイン)が、10 月 6 日〜8 日にかけて、地中海に面したサロウを拠点に行われる。

チームコメント
イブ・マトン(シトロエン・レーシング チーム代表)
「このリザルトは、チーム全体にとって非常に重要なものです。今年のラリードイツに向けて行ってきた、膨大な量の作業が報われました。

2 台がトップ 5 に上がるまで長くかかりましたが、アンドレアス・ミケルセンのおかげで、今季 2 番目にいいリザルトを獲得できました。

また、目標だった SS ベストタイムを、アンドレアスとクレイグ・ブリーンのふたりが達成してくれました。今回の 5 位は、今季のスタートから見せている彼の安定感を証明するものです」

アンドレアス・ミケルセン
「とてもうれしいです! これまでのキャリアの中で、最高の 2 位だと思います。

シトロエン・レーシングのスタッフ、コ・ドライバーのアンデルス、そして自分が、この週末にやり遂げたことを誇りに思います。初日は後方からの出走順でしたが、限界までプッシュすることで上位争いに留まることができました。

小さなミスもありましたが、4 年連続チャンピオンのセバスチャン・オジエを抑え切ることができて、満足しています」

クレイグ・ブリーン
「また 5 位に入れるとは想像しませんでしたが、私たちの安定感が示されたと思います。スタートからフィニッシュまでプッシュしました。

最終 SS の最後のジャンプでは、あれ以上できないほど速く走りました。着地がとても強烈だったので、フロントガラスにヒビが入ってしまったほどです!

でも、トップ 5 に食い込むことができたので、全体としてはポジティブな週末だったと思います。今までラリードイツの経験はあまりなかったのですが、今回は多くを学ぶことができました。きっとこの経験は今後に向けても役に立つと思っています」

世界ラリー選手権(WRC) 第 10 戦ラリードイツ 最終結果
1_オット・タナク/マルティン・ヤルベオヤ フォード・フィエスタ WRC_2:57:31.7
2_アンドレアス・ミケルセン/アンデルス・ヤーゲル シトロエン C3 WRC_+16.4
3_セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア フォード・フィエスタ WRC_+30.4
4_ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム トヨタ・ヤリス WRC_+1:49.2
5_クレイグ・ブリーン/スコット・マーティン シトロエン C3 WRC_+2:01.5
6_エルフィン・エバンス/ダニエル・バリット フォード・フィエスタ WRC_+2:03.4
7_ヤリ‐マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ トヨタ・ヤリス WRC_+3:58.2
8_ヘイデン・パッドン/セブ・マーシャル ヒュンダイ i20 クーペ WRC_+4:32.4
9_アルミン・クレーマー/ピルミン・ビンクルホーファー フォード・フィエスタ WRC_+10:19.4
10_エリック・カミリ/ベンジャミン・ベイラス フォード・フィエスタ R5_+10:44.3

R. クリス・ミーク/ポール・ナゲル シトロエン C3 WRC メカニカル

WRC マニュファクチャラーズ選手権 ポイントスタンディングス
1._ M スポーツ・ワールドラリーチーム_325
2. _ヒュンダイ・モータースポーツ_261
3. _トヨタ・ガズーレーシング WRT_213
4. _シトロエン・トタル・アブダビ_WRT 163