アウディ AG(本社:ドイツ・バイエルン州インゴルシュタット、取締役会長:ルパート・シュタートラー、以下アウディ)は、今年度のコンシューマ エレクトロニクス ショー(CES)への出展に際し、将来の自動車産業が確実に向かうであろう3つのトレンドに焦点をあてて臨んでいる。
そんなこの世界でもっとも脚光を浴びているエレクトロニクス ショーは、2016年1月6日から9日まで、ネバダ州ラスベガスで開催されている。
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この同ショーで、アウディの大きな強みに成長したユーザーフレンドリーなオペレーションシステムを、同社はオペレーション&ディスプレイシステム “HMI- ヒューマン マシン インターフェイス”に進化させた。
AUDI AGの電子電装開発部門・統括責任者のリッキー フーディー氏は、「近未来における自動車のインテリアは、これまでカーユーザーが目にしていたものや、操作してきたものとは根本的に異なるまったく新しいものに置き換わるでしょう。
私たちは、これまで成功を収めたアウディ バーチャルコクピットを、アウディ バーチャルダッシュボードに進化させ、お客様がこれまで経験したことのない、まったく新しい世界を創造しました。
近い将来、この新しいシステムは、お客様の習慣や嗜好への理解を深め、より積極的に多くのサポートをお客様に提供するようになります」と語った。
具体的に同ショーでアウディは、触覚フィードバック技術に対応した、大型アクティブ マトリクス式有機EL(AMOLED)を特徴とするHMIのインテリアモデルを、今回のCESに登場させている。
スマートフォンやスマートウォッチなどのモバイルデバイスがシームレスで接続可能な最先端オペレーション&ディスプレイシステムの背景には、アウディが開発した次世代のモジュラー インフォテインメント プラットフォームMIB2+ が存在する。
より高度な処理・演算能力を身につけたMIB2+は、高解像度のディスプレイ採用を可能としただけでなく、最新鋭の無線通信規格であるLTEアドバンスにも対応している。
アウディコネクトを基軸としたオンラインサービスは、これをベースに、その守備範囲を急速に拡大させた。
スマートフォン向けアプリ“Audi MMI コネクト”をインストールすると、車両の位置情報を表示するなど、自動車に特化した数多くのリモート機能を利用出来る。
また、2016年からは第4世代のアップルTVの利用が可能になる。さらにEU圏内であれば、これまでアウディコネクトSIM使用中に国境を越えた際に必要だったアクティベーション作業が不要となり、自動的にローミングしてアウディコネクトのサービスを提供していく。
Car-to-Xサービスの提供をはじめ、アウディは今年から、クルマの情報通信化を拡充させる。
欧州向けの新サービス“トラフィックサイン インフォメーション”と“ハザード インフォメーション”により、今後発売されるモデルは、相互連携を行うことで他のクルマとともに「スワーム(swarm)」の一部となる。
また、北米向けに提供される“トラフィックライト インフォメーション オンライン”サービスは、携帯電話ネットワークを通じて、車両と市街の信号機制御コンピュータ間を繋ぐ予定だという。
また今回のCESには、アウディのエレクトロニクス戦略を象徴する、オールEV化されたスポーツSUV、Audi e-tron quattro concept study(アウディ イートロン クワトロ コンセプトスタディー)が出展された。
Audi e-tron quattro concept studyは、合計出力370kWを生み出す3個のモーターからの駆動力が、状況に応じてリヤアクスルにも供給され、quattroドライブを生み出す。
95kWhを誇るバッテリーを採用したことで、最長航続距離は500kmに達した。Audi e-tron quattro concept studyで起用された新技術は、2018年に発売される生産モデルに搭載され、市販化される予定。
加えてAudi e-tron quattro concept studyには、渋滞中や駐車時における自動運転機能も搭載している。
これらの機能は、運転が困難な、もしくは単調になる場面に直面したドライバーに、より高い安全性、時間の節約、効率性、利便性を提供するものだ。これら自動運転機能に関して、アウディは何年にも渡り、先駆者としての成果を挙げ続けて来た。
ここにきて大きく進歩のスピードを早めている同社の自動運転機能の中核を成すのが、zFASと呼ばれる統合ドライバーアシスト コントロールシステム。
これは3Dカメラ、レーザースキャナー、レーダー、超音波などを駆使した各種センサーが集めた情報をコンパクトなモジュールに集約、統合的に分析するもの。
zFASは、その非常に優れた処理能力を背景に、自車の情報と周辺を走行する同システム搭載車から送られる情報の比較分析を常時行っていく。
この分野においてアウディは、HEREデータベースに随時蓄積されるクラウドデータを活用する。
HERE社は、AUDI AG、BMWグループ、ダイムラー社によって2015年12月に買収した。アウディによると将来的に、自動運転車は1センチ単位での正確で詳細なナビゲーションデータを必要とするが、HEREに蓄積されるライブデータを活用することにより、車両は自身が向かっている前方で何が起きているかを事前に知ることが可能になるという。
さらにアウディは、新たにヘルス マネージメント分野にも進出する。これは、目的地でクルマを降りたドライバーが、クルマに乗り込んだ時よりもリラックスした状態にしようとするもの。
同社では、アウディは“アウディならこんなことまで(My Audi cares for me)”をモットーに、ドライバーの頼りになるアドバイザーになるような「アウディ フィット ドライバー」システムを中期的に実現していくという。