全日本ラリー最終戦・新城、ランサーの追撃を退けてWRX STIが栄冠獲得


2017年全日本ラリー選手権第9戦の新城ラリー2017は、11月5日にすべての競技が終了し、SUBARU WRX STIの勝田範彦/石田裕一が8度目のチャンピオンを獲得した。

今シーズンを締めくくる最終戦、2017年全日本ラリー選手権第9戦「新城ラリー2017」は、11月3日(金)~5日(日)にかけて愛知県の東部・新城市周辺にて開催された。

新城ラリーは奥三河のワインディングロードを走るターマック(未舗装路)ラリー。例年、タイトルをかけた激しいバトルが繰り広げられるのだが、ここまでのラリーで多くのクラスで年間チャンピオンが決まっている。

この最終戦、JN6のポイントリーダーとして新城ラリーに挑んだ勝田範彦選手は、前戦ハイランドマスターズでタイトルに王手をかけながら、最終日にコースオフを喫して、大幅にタイムロス。

王座決定は今戦まで持ち越されることになった。「どんな局面でも平常心を維持することが重要だとあらためて思いました」と、勝田選手は振り返る。

競技最終日となる5日(日)は、SS9〜SS14の計6SSが行なわれた。愛知県出身の勝田選手にとっては、ホームラリーともいえる新城ラリーでは、これまで圧倒的な強さを見せてきていたが、スタート直後から抜群のスピードでラリーをリードしたのは「優勝が逆転タイトルへの絶対条件」と語っていた新井敏弘選手だった。

ところが、新井選手はSS6で痛恨のパンクを喫し、優勝争いから脱落することに。その間隙を突いてこれで首位に立ったのは勝田選手。総合2番手に30秒以上の差をつけてラリーをリードした勝田は、コンスタントに上位タイムを並べてその差をキープ。

最終的に、総合2位の奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューション)に25秒差をつけて、SUBARU WRX STIを無事にフィニッシュまで導いた。これで勝田はシーズン3勝目、自身8度目となる全日本ラリー選手権チャンピオンの座を射止めた。

「今シーズンは厳しい戦いも多く、ここまでが長かったです。しかも選手権を争う相手が新井選手ということもあり、本当に厳しい戦いになりました。今回は胸を借りるつもりで、全開で攻めました。タイトルを決めることができて、ホッとしています」と、勝田はフィニッシュ後に安堵の表情で語った。

一方、コ・ドライバーを務める石田裕一選手にとっては2年連続2度目の全日本制覇となる。「個人的に新城ラリーは3連覇、そして全日本選手権も2連覇が達成できて、本当にうれしいです。勝田選手と組んで2年半、大きなミスもなく、しっかり仕事ができて良かったです」と、笑顔を見せた。

新城総合公園で行なわれたラリーのフィニッシュセレモニーには多くの観客が詰めかけ、チャンピオンを獲得した勝田、石田のふたりには惜しみない拍手が送られた。

この第9戦で、2017年シーズンの全日本ラリー選手権はすべての日程を終了。SUBARU勢は全9戦のうち7戦でJN6クラス優勝を飾って今シーズンを締め括った。