曙ブレーキ工業株式会社(代表取締役社長:信元久隆 本店:東京都中央区 本社:埼玉県羽生市)が、「市販ロードカー用高性能自動車ブレーキの開発と量産化」で、一般社団法人日本機械学会より2015年度「日本機械学会賞(技術)」を受賞し、4月21日(木)に明治記念館にて開催された日本機械学会通常総会において表彰された。
日本機械学会賞は、日本の機械工学と工業の発展を奨励することを目的として1958年に設けられ、毎年優れた論文、技術、製品が表彰されている。
同社は1982年に、「乗用車用新形ディスクブレーキの開発」において、自動車部品業界で初めて日本機械学会賞を受賞しており、今回は2回目の受賞となった。
自動車用ブレーキには、より高い効きと安定性という安全面と、ブレーキ鳴きや振動削減といった快適性、さらに燃費性能向上に向けた軽量化要求が一段と高まってきている。
今回受賞した同ブレーキ製品は、高速・高温域での安定した制動性能と軽量化が求められる最高速度350km/h超の高性能市販ロードカー用に開発したもの。
独自の耐熱カーボン系潤滑剤を導入し耐熱性を格段に向上させたブレーキパッドや新型カーボンセラミックディスクを開発するとともに、極限までの小型化による大幅な軽量化、さらに市街地走行での快適性をも兼ね備え、量産化を実現した。
このブレーキ製品は、マクラーレンが2013年に発売した超高性能ロードカー『P1TM』に搭載されている。
<代表取締役社長 信元久隆のコメント>
「日本で最も権威と歴史がある賞のひとつである日本機械学会賞(技術)を受賞させていただいたことは、大変な栄誉であり、受賞製品に関わった開発、中央技術研究所、生産技術、品質保証、調達といった部門の社員はもとより、社員全員で喜びを分かち合いたいと思っております。
当社はブレーキのエキスパートを目指し、さまざまなモータースポーツを通じて最先端技術開発、エンジニア育成を図るVCET(Vision Creative Engineering Team)活動を2002年より展開してまいりました。
この十数年にわたる活動がひとつの成果を出し、今回の受賞に繋がったと考えております。
この技術はすでに高性能量販車向け製品に活用されていますが、今回の受賞を機にさらに技術開発に注力し、量販車向けを含め、競争力のある差別化された製品を開発することによって、ビジネスの拡大を図っていく所存です」と述べている。