トヨタ傘下の北米統括会社「Toyota Motor North America, Inc.」は11月18日(テキサス州プラノ発・東部標準 午前8時)、米国に於けるハイブリッド車(HEV)の需要拡大に対応するべく、総額9億1,200万ドル(約1420億円)を再投資する。
ちなみに、この総額9億1,200万ドルは、先にトヨタが発表した今後5年間・最大100億ドルの投資の一環として投じられるもの。
また包括されるHEVの生産拠点は、米国内のウェストバージニア州バッファロー工場、ケンタッキー州ジョージタウン工場、ミシシッピ州ブルースプリングス工場、テネシー州ジャクソン工場、ミズーリ州トロイ工場の5カ所となる。
これによりHEVの生産能力を増強。より具体的にはHEVカローラを、今後の生産ラインナップに加えるべく、5つの製造工場で今回の9億1,200万ドルの投資と252人の新規雇用を行うことを明らかにした。
同計画に関わる製造事業担当上級副社長のケビン・ヴォルケル氏は、「お客様はトヨタのハイブリッド車にご満足頂いており、米国の製造チームはこの高まる需要に応えるべく準備を進めています。
トヨタの理念は、販売する場所で生産することです。米国での雇用創出と米国拠点への投資を通じて、私たちはこの理念を忠実に守り続けていきます」と述べた。
個々拠点で例えばトヨタのウェストバージニア州バッファロー工場では、4気筒ハイブリッド対応エンジン、第6世代ハイブリッドトランスアクスル、リアモーターステーターの組立能力増強のため、80人の雇用を増強する。
2027年に生産開始予定の同工場では、効率向上のための新たなシフト計画が含まれる。なお同工場では、年間100万台以上のエンジン、トランスミッション、ハイブリッドトランスアクスルを組立ており、同拠点へは総額33億ドルの投資となる見込みだ。
米国に於けるトヨタ最大のケンタッキー州ジョージタウンにある当該工場は2億440万ドルで82人の新規雇用を創出し、4気筒ハイブリッド対応エンジン用の最新鋭の加工ラインを導入する。
稼働開始は2027年を予定している。このパワートレイン工場は、年間最大70万台のユニットを組み立てることができ、現時点でトヨタ・ケンタッキーは約1万人の従業員を雇用しており、累計投資額は110億ドルを超える。
トヨタのミシシッピ州ブルースプリングス工場では、まず1億2,500万ドルを投じてHEVカローラの生産を開始する。このカローラが米国で組み立てられる初のEVカローラとなる。同工場は2,400人を雇用し、累計総額13億ドルの投資が行われる。
テネシー州ジャクソンにあるトヨタの鋳造工場は、ハイブリッド車用トランスアクスルケース・ハウジング、およびエンジンブロックの生産増強のため、7,140万ドルを投資して33人の雇用を創出する。
この投資には3本の全く新しい生産ラインが含まれており、年間生産能力を約50万台分増強することになる。新ラインの生産開始は2027年と2028年の予定。この工場への総投資額は4億9,700万ドルとなる。
ミズーリ州トロイにあるトヨタの鋳造工場は、5,710万ドルを投じて57人の雇用を創出すると共に、ハイブリッド車用のシリンダーヘッド生産ラインを新設する。
この新ラインでの生産開始は2027年予定。これにより工場のシリンダーヘッド生産能力は年間20万個以上に増加し、同拠点の総投資額は6億2,900万ドルに達する。
トヨタでは、「これらの投資は、今後5年間で最大100億ドルを米国生産に投資するというトヨタのより広範な目標を支えるものです。
現在、トヨタは米国で販売する車両の約半分を組み立てており、北米の生産拠点では米国で販売する車両の4分の3以上(76%)を組み立てています。
トヨタのマルチパスパワートレインのアプローチは、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車を含む電動車の着実な成長を促進し続けており、現在、同社の米国販売の約50%を占めています。
またトヨタは製造業への投資に加え、未来の労働力育成にも積極的に取り組んでいます。
トヨタUSA財団は最近、幼稚園から高校までの教育とそれ以降の教育を支援する1億1,000万ドル規模のイニシアチブ「Driving Possibilities」を立ち上げました。
この長期プログラムは、革新的で実践的なSTEM学習を通じて教育格差を解消し、同時に生徒とその家族の基本的なニーズに応えることを目指しています」とこれら一連の取り組みを丁寧に説明している。
最後に各拠点地域の州知事・下院・上院議員からの謝辞に加えてトヨタ・ウェストバージニアで働く現地チームメンバーのアリビア・ルイカート氏は、「工場の継続的な成長を誇りに思い、トヨタのモビリティカンパニーへの移行をリードできることを心から光栄に思います。
私たちの未来は明るく、会社が私たちの能力を信頼し、私たちのチームがトヨタの前進を牽引してくれると信じていることは大きなやりがいです」と結んでいる。
