日産、「R35 GT-R」最終生産車のオフライン式を開催

日産自動車(本社:神奈川県横浜市西区、社長:イヴァン エスピノーサ)は28月6日、2007年から18年に亘り生産してきたR35 GT-Rの生産が終了したことを発表した。

R35 GT-Rは、18年間で約48,000台が生産され、高性能スポーツカーの象徴として世界中のファンを魅了してきた。なお最後の1台は「Premium edition T-Spec」、ボディカラーはミッドナイトパープルで、日本国内ユーザーに届けられる予定という。

2007年、R35 GT-Rは「誰でも、どこでも、どんな時でも最高のスーパーカーライフを楽しめる」というコンセプトを具現化した新次元のマルチパフォーマンス・スーパーカーとして、「GT(グランドツアラー)」性能を実現しつつ、「R(レーシング)」技術を体現する世界最高クラスのクルマとして誕生した。

ドイツのニュルブルクリンクサーキットで当時の量産車による世界最高峰のタイムを刻む超高性能に加えて、雨や雪の路面状況さえも運転を楽しむためのスポーツフィールドに変えてしまう走破性。

市街地で提供される快適な走りなど、あらゆるドライバーがあらゆるシーンで最高のパフォーマンスを楽しむことを可能とし、走る道や天候、ドライバーのテクニックなどに性能が限定されず、安心してスーパーカーライフが楽しめるクルマとして、新たな基準を打ち立てた。

強大なパワーを発揮するVR38DETTエンジン、緻密な制御により卓越した安定性を実現するATTESA ET-S全輪駆動システム。

革新的な空力設計などにより、R35 GT-Rは公道でもサーキットでも刺激的なドライビングを提供し続けた。

エンジンは、横浜工場の「匠」と呼ばれる9人の熟練工によって、約48,000台すべてのエンジンが手作業で組み立てられた。彼らの名前は、各エンジンに取り付けられたプレートに刻まれている。

また、R35 GT-Rは従来の自動車のライフサイクルとは異なり、モデルイヤー毎の継続的な進化を実施し、出力や操安性、快適性をはじめ、あらゆる性能を向上させてきた。

最大出力は発売時の353kW(480ps)から、2017年モデル以降は419kW(570ps)にまで向上。

2014年にはNISMOモデルを新たに設定し、GT3レースカー仕様のターボチャージャーや高精度・重量バランスの取れた部品(ピストンリング、コンロッド、クランクシャフト、フライホイール、クランクプーリー、バルブスプリング)を採用し、回転数の向上とターボのレスポンス向上を実現。最大出力は441kW(600ps)を達成した。

R35 GT-Rは、数々のサーキットおよびモータースポーツにおいても多くの輝かしい功績を残した。

SUPER GT選手権でのGT500クラス5勝、GT300クラス3勝、2013年ブランパンGTシリーズPro-Amクラス優勝、2015年バサースト12時間レース優勝をはじめ、スーパー耐久シリーズに於いても5回の優勝を獲得した。

ドイツのニュルブルクリンクサーキットに於いては、2007年、やや湿った路面条件にも関わらず、量産車としては当時の最速級となる7分38秒を記録した。

更に2008年、標準仕様のR35 GT-R(日本国内仕様タイヤ装着)で再挑戦し、チーフテストドライバーの鈴木 利男氏が7分29秒を記録、初めて7分半の壁を突破した。

翌年には更に記録を更新し、7分26秒を達成。2012年10月には7分18秒にまで短縮している。

2013年11月、日産のエンジニアと精鋭ドライバー陣がGT-R NISMO(空力チューニング、軽量化、特別なサスペンション搭載)で再挑戦。ミハエル・クルム氏が、7分08秒679というR35史上最速記録を達成した。

国内にでも、筑波サーキットでのラップタイム記録の更新に挑戦。2019年12月、2020年モデルのGT-R NISMOを使用し、量産車最速記録である59.361秒を達成。

更に2024年1月には2024年モデルのGT-R NISMOで再挑戦。再び松田 次生氏のドライブにより、59.078秒という新記録を樹立した。

2016年にはR35 GT-Rは史上最速ドリフトとしてギネス世界記録を達成。UAEのフジャイラ国際空港で、特別にチューニングされたMY16 R35 GT-Rが時速304.96km、30度の角度でのドリフト走行を実現した。

そんなGT-RについてCEOのイヴァン エスピノーサは、「18年間の長きに亘り、R35 GT-Rは自動車史に不朽の足跡を残しました。

その輝かしい歴史は、私たちのチームと世界中のお客さまの情熱の証です。この特別なストーリーの一部を担ってくださった皆さまに感謝します。

GT-Rファンの皆さま、これはGT-Rとの永遠の別れではありません。GT-Rは、いつか再び皆さまのもとに戻ってくることを目指していますが、GT-Rの名前には高い期待が寄せられており、真に特別なクルマにのみ与えられるものです。

R35は、その基準をさらに高く引き上げました。従ってし皆さまには辛抱強くお待ち頂くことをお願いしたいと思います。現時点で正確な計画は確定していませんが、GT-Rは進化し、再び登場するでしょう」と述べた。

なおR35 GT-Rが生産を終了する一方で、日産は「GT-R」の名を次世代に向けて再定義することに取り組んでいるという。

R35から得た知見は、次世代GT-Rの開発に不可欠であり、そのレガシーを進化させながら、新たな基準を打ち立てることを目指すと結んでいる。

 
 




 
 

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