日産、常識破りのハイトワゴン新型・軽自動車 「ルークス」を初披露

日産自動車(本社:神奈川県横浜市西区、社長:イヴァン エスピノーサ)は8月22日、東京都千代田区(秋葉原)に報道陣を募り、刷新された新型「ルークス(ROOX)」を先行公開した。車両本体のメーカー希望小売価格(予定)は160万円台(税込)~となる予定。発売は秋頃を予定している。

新型「ルークス」は日産によると、従来の軽自動車の常識を打ち破る価値を提供するべく開発されたという。ボディサイズは、全長3395×全幅1475×全高1785mmで、ホイールベースは2495mm。

より具体的な仕様では、心地よいインテリアや、「インテリジェント アラウンドビューモニター」(移動物検知、3Dビュー機能付)などの先進安全技術を詰め込み、心にゆとりをもって乗りこなせるストレスフリーな軽自動車に仕上げたとしている。

なおそんな最新鋭のルークスも前型モデルに続き、日産自動車と三菱自動車工業の合弁会社「NMKV」のマネジメントのもと、日産が企画、開発を行った軽自動車となる。2社連合によるベース車としては、三菱自動車工業(岡山・水島工場)のパジェロミニやekスペースがそれにあたる。

従って今後の軽自動車に係るスーパーハイトワゴンマーケットは、ホンダ、スズキ系、三菱自動車系の3ラインが互いに激突する鍔迫り合い相手となる。

既に外寸等については、どのクルマも物理的な規制値(軽自動車規格)が設けられているなかでの競合関係であるため、実寸法などの数値を超えた乗員の主観的印象が、雌雄を決する戦いになる。従って消費者に対する訴求手段で勝ち負けが決まる。

そうしたなかで新型「ルークス」で提案の核となるのは、先代と同じく「ROOM(部屋)」と「Max(最大)」を組み合わせた「ROOM × Max」造語を車名する〝広々とした室内空間のゆとり感〟が筆頭のアピールポイントとなるようだ。

それゆえインテリア廻りは、Aピラーを立たせたことで乗り込んだ瞬間、開放感を体感できるデザインを採用。インストルメントパネルに組み込まれた12.3インチの統合型インターフェースディスプレイを操作する空間デザインにより、従来の軽自動車を超えた上質な乗り心地を実現しているとした。

日産は新型ルークスで軽の常識を覆す新しい価値提供へ

当日の披露会で登壇した日産で日本マーケティング&セールス担う執行職・杉本全氏は、「新型ルークスは、日々忙しく過ごすドライバーに、まるで自宅のリビングにいるかのような快適な空間をご提供致します。

日本マーケティング&セールス執行職の杉本全氏

そのために、前型でもご好評頂いていたアラウンドビューモニターを更に進化させた〝インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物検知、3Dビュー機能付)〟を搭載し、交差点やT字路など、死角を〝見える化(CMキャラクターの女優・仲里依紗さんと共に、死角を無くす諸機能を見えルークスと表現していた)〟することで、“見えない不安”を取り除き、運転時の安心感を大きく高めています。

昨今、軽自動車市場で最も競争が激しいスーパーハイトワゴンのカテゴリに於いて、新しい軽のスタンダードとして自信をもって投入いたします。日常の移動に新たな価値をもたらすその魅力をぜひご体感ください」と述べた。

リージョナルプロダクトマネージャーの田仲藍氏

杉本氏に続いて登壇したリージョナルプロダクトマネージャー の田仲藍氏は、4代目となる新型ルークスの製品企画にあたり、身振り手振りで「軽自動車に求められる価値の変遷を深く分析し、ターゲットカスタマーを公私共々多忙で、充実したライフスタイルを送る40代子育て世代の女性に設定しました。

そのなかで商品コンセプトは、そうした女性の世界を広げてくれる広くて安心、頼れる私のクルマとし、そんなターゲットカスタマーの生活を、より充実させるための3つのアピールポイントとして、〝乗って広々〟〝使って安心〟〝お出かけワクワク〟を挙げてて開発に取り組みました。

そこで軽自動車の規格寸法の中で最大限に広さや大きさを実感頂けるデザインコンセプトとして、〝かどまる四角〟を取り入れ、心地よい光と風を車内に取り込みながら、家族みんなでリラックスできる空間を目指しました。

また実際に後部シートでもゆったり足が組める物理的空間をご体感頂けるようクラスナンバーワンの室内長を実現しました。

もちろんシートの座り心地の良さにも拘っていて、ゼログラビティシートを全ての席で採用しています。またシートの着座時のフィット感やソフト感を向上させて、より自宅のソファのような座り心地の良さを実現しました。

〝使って安心〟では、インテリジェントアラウンドビューモニターの機能を進化させたこと。3Dビュー機能を日産の軽として初めて採用したこと。フロントワイドビュー機能やインビジブルフードビューなど、より安心安全な運転をサポートする機能を数多く搭載しています。

パワーユニットはマイルドハイブリッドなどのモーターを組み合わせたエコ機能は搭載していない。廉価と内燃エンジンによる燃費性能を磨いた仕様とすることで、市場シェアの占拠を狙う。

更に〝お出かけワクワク〟では、ルークスとして初めてメーカーオプションのNissanConnectインフォテインメントシステムの他、Googleマップ、Googleアシスタント、Google Playに対応させて、普段スマートフォンで楽しめる情報やエンターテイメントを車内でお楽しみ頂けるようにしています。

また他の車種でご好評頂いている乗る前エアコンなどの日産コネクトサービスにより、お客さまのワクワクなお出かけをサポートいたします。

軽自動車の市場の中で最も競争が激しいこのスーパーハイトワゴンのカテゴリーで新しい軽のスタンダードとして自信を持って皆さまにお届けできる1台に仕上がっていますので、是非、新しいルークスの魅力をご体感下さい」と語った。

プログラムデザインダイレクターの入江慎一郎氏

そんな日産が示す新型ルークスの主な特長は以下の通り

– デザイン –
ルークスのネーミングの由来である「Roomy×Max」をデザインコンセプトとし、軽規格のなかで最大限大きさを表現するデザインとした。

その中でも、新型ルークスを象徴するデザインモチーフとして「かどまる四角」を、ヘッドライト、リヤコンビネーションランプ、ドアハンドル、ホイールなど随所に取り入れました。広さ・大きさを象徴する四角。そのかどをとり、まるくしたモチーフを採用することで、新型ルークスのぬくもり感と遊び心を表現した。

インテリアは、「Breeze(そよかぜ)」をデザインコンセプトとし、リビングルームのような心地よい風と光を車内へ取り込み、乗る人全員がリラックスできる居心地よい空間を目指した。

デザインキーワードには「縁側」や「ハンモック」などを用い、実際の空間以上の解放感を目指し、ヘッドレストやスピードメーターなどにも「かどまる四角」の遊び心あるデザインモチーフを取り入れた。

インパネには軽自動車初となる12.3インチの大型統合型インターフェースディスプレイを採用し、クラスを超えた先進性と上質感を演出している。

ボディカラーには、日本の伝統的な建築様式である「唐破風(からはふ)」にインスピレーションを受けた、新たな2トーンカラーを設定。フードを含むベルトライン下から塗り分けられた、日産初となるユニークなカラーコーディネーションのデザインとしている。

カラーデザイナーの三宅広華氏

また、「セラドングリーン」「シナモンラテ」「セトブルー」を新色として採用することで、ハイウェイスターシリーズに6通りの2トーンと7色のモノトーン、スタンダードシリーズに7色のモノトーンをラインアップし、全17通りの多彩なバリエーションが用意されている。

– 更に拡大した室内 –
室内長は前型より115mm拡大し、クラストップ(2025年8月現在 日産自動車調べ)となる2315mmを実現。
また、後席ニールームについても前型同様クラストップの795mmの広さを確保しており、大人がゆったりと座れて、小さな子供が立ちながら着替えることが可能。

荷室はクラストップの荷室最大長675mmを確保し、48Lのスーツケースを同時に4個積載しつつ、大人4人が広々と過ごせる空間に仕上げた。

– 便利で快適な使い勝手 –
スーパーハイトワゴンの特長である後席スライドドアは、前型に引き続きクラストップ*¹となる650mmの開口幅を確保すると同時に、セレナと同じサイズの大型乗降用グリップも備えており、子供の乗せ下ろしモ無理なくスムーズに行なうことが可能。

後席もクラストップの最大320mmスライドさせることができるため、運転席に座ったまま、後席左側に座っている子供をケアすることができる他、荷室からのアプローチの際には、片手でシート肩口にあるレバーを引き上げるワンアクションでそのまま前後へスライドさせることができる。

チーフマーケティングマネージャーの近藤啓子氏

収納面も進化させ、インパネには角型紙パックも入るカップホルダーや、ティッシュボックスを丸ごと隠せる引き出しに加えて、スマートフォンや財布などを置くことができるインストセンタースライドボックス、メーター裏に小物などを収納可能な蓋付のインスト運転席アッパーボックスなどを装備した。

– 会話がより楽しめる快適な移動空間 –
快適な移動空間を実現するため、エンジンは燃費と静粛性を改善した。更に防音効果のある遮音シートや高機能吸音材をドアやタイヤ周りに採用し、車外からの騒音を気にすることなく会話が楽しめる空間を実現した。

走行時の騒音低減を狙い、装着タイヤは165/55R15のブリヂストン「ECOPIA EP150」。ドライブモードはSTANDARD、ECO、SPORTの3種。

またシートは、自宅のソファのような快適性を目指してシートトリムには柔らかい肌触りと伸縮性を持たせた上で、しっかりと体を包み込むメランジ生地を採用した。

後席はシートの着座接地面を拡大し、体圧をより分散させるように改良を施したことに加え、振動吸収性に優れる高密度のウレタンを採用したことにより、走行中に体が振られることを抑制し座り心地を向上させた。

– 進化した安心安全の運転支援 –
駐車や狭い道、交差点などの様々なドライブシーンで役立つ運転支援システムを拡充させた。

例えば「インテリジェント アラウンドビューモニター」では、本来は見えない車体下の映像を生成する軽自動車初の「インビジブルフードビュー」機能を搭載。

日産の軽自動車としては初搭載(メーカーオプション)となる、車両の周辺状況を3D映像でより直感的に確認可能な「3Dビュー」、交差点等で運転席から死角になる前方の左右が見えるようにサポートする「フロントワイドビュー」の3つの新しい表示機能を搭載した。

ちなみに前型でも好評だった「プロパイロット」に加え、新たに交差点の歩行者や対向・交差車両を検知し、衝突回避を支援する機能が加わった「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」、車線変更時の斜め後方の車両との接触回避をアシストする軽自動車初となる「インテリジェント BSI(後側方衝突防止支援システム)」を。

加えて軽スーパーハイトワゴン初の「BSW(後側方車両検知警報)」、後退時に後方を横切ろうとする車両を検知すると警告音でドライバーに注意を促す「RCTA(後退時車両検知警報)」などを搭載し、軽自動車として最高レベルの機能を実現させた。

– NissanConnectインフォテインメントシステムを採用 –
従来のディーラーオプションナビの選択肢に加え、「ルークス」としてはじめてメーカーオプションのNissanConnectインフォテインメントシステムを採用した。

同システムはGoogle搭載により、「Googleマップ」「Googleアシスタント」「Google Play」の各機能に新しく対応し、多彩な情報とエンターテインメントにシームレスにコネクトできる。

また、メーカーオプションのドライブレコーダーと連携すれば、離れた場所からでもクルマを見守る新サービス「リモートフォトショット」にも対応し、カーライフをより快適にした。

なお新型「ルークス」は、8月23日より日産グローバル本社ギャラリー(横浜みなとみらい)にて展示する。併せて本社ギャラリーで、新型「ルークス」の新機能を体験できる展示イベントも開催していく予定だという。

新型「ルークス」先行WEBサイト
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/new_roox.html

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更にNMCからは、新型「ルークス」ベースのカスタムカーやLVも

日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC/本社:神奈川県茅ヶ崎市、社長:真田 裕)は10月22日、新型「ルークス」をベースにしたカスタムカー「AUTECH LINE」と、ライフケアビークル(LV)「助手席スライドアップシート」を先行公開した。発売は秋頃を予定している。

ちなみに「ライフケアビークル (LV:Life Care Vehicles)」とは、日産自動車グループで生活の色々なシーンでお役に立つクルマを銘打って、福祉車両をそう呼んでいるもの。

新型ルークス「AUTECH LINE」

<新型ルークス「AUTECH LINE」>
新型ルークス「AUTECH LINE」は、クール&アグレッシブを商品コンセプトに、専用デザインのフォグランプフィニッシャーや15インチアルミホイール、シルバー色ドアミラー、新型「ルークス」で唯一のブラック基調のインテリアを採用したカスタムカーとなっている。

シート地には、スタイリッシュな意匠と上質な手触りに加え、防水機能も兼ね備えた専用の合皮素材を採用。手入れも楽に行え、お子さまとのお出掛けやアクティブな使用シーンでも水濡れや汚れを気にせず使用できる。

「AUTECH LINE」は、さりげない個性や拘りをクルマに求めるユーザーに向けて、車種毎に最適化した特別なカスタマイズを施した新シリーズ。今回、「キャラバン」続いて新型「ルークス」にも設定した。

新型ルークス「助手席回転シート」

<新型ルークス「助手席スライドアップシート」>
新型ルークス「助手席スライドアップシート」は、助手席が車両の外側に電動で回転・昇降することで、車への乗り降りが楽に行える車両。

広く快適になった室内空間とゆとりのあるドア開口高で、背の高い方でも頭上を気にせず安心してスムーズに乗り降りができる。加えて乗車時やシート回転時に掴まることができ、助手席側Aピラー部のグリップや、車いす固定用ゴムネットを全車に標準装備した。

新型ルークス「AUTECH LINE」 先行WEBサイト
http://www.autech.co.jp/sv/roox_autechline/index.html

新型ルークス「助手席スライドアップシート」 先行WEBサイト
https://lv.nissan.co.jp/LVCAR/ROOX/SIDESEAT/new_roox.html

 
 



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