ブリヂストン(本社:東京都中央区京橋、代表取締役CEO兼 取締役会長:石橋秀一)傘下のブリヂストンアメリカスは8月18日(米東部標準時)、ランボルギーニ(本社:伊サンターガタ・ボロニェーゼ、CEO:ステファン・ヴィンケルマン)の新型スーパーカー「フェノーメノ」の独占タイヤパートナーに選ばれたことを明らかにした。
先のペブルビーチ・コンクール・デレガンスで披露された「フェノーメノ」は、ランボルギーニの象徴的なデザインとブランドの独自性を称えるものとして29台の限定生産車として公開されたもの。
搭載されるパワーユニットは、ランボルギーニが設計したなかで最もパワフルな自然吸気V12エンジンに3つの電気モーターを組み合わせて1080bhp0を発揮。0-100km/h加速(2.4秒)、0-200km/h加速(6.7秒)とランボルギーニ史上最速モデルとなっている。
ブリヂストンは今回、ランボルギーニの公式テクニカルパートナーとして、史上最強のパワーユニットにマッチさせるタイヤを長年にわたるモータースポーツの伝統と、象徴的なポテンザタイヤファミリーの伝統を活かして開発した。
265/30 ZRF21(フロント)と355/25 ZRF22(リア)のサイズで提供する特注の「ポテンザ スポーツ」は、高速走行時の卓越したパフォーマンス、優れたステアリングレスポンス、1080馬力の出力に見合う精密なハンドリング性能を実現させると謳っている。
このプレミアムな「ポテンザ スポーツ」には、ブリヂストンのランフラットテクノロジー(RFT)が搭載されており、パンク後も0barの空気圧で80km/hまで安全に走行を続けることができる(パンク後の走行距離は、車両の積載量、外気温、TPMS が作動したタイミングによって異なる)。
またランボルギーニ・フェノーメノには、サーキットレベルのパフォーマンスを発揮しながら公道走行の認証も取得している車両であるため、特注のハイグリップ・セミスリックタイヤも用意されている。
このサーキット仕様のタイヤは、このエクスクルーシブ・スーパーカーのポテンシャルを余すところなく発揮するために特別に設計され、20インチと21インチの2サイズが用意されている。
こうした一連の取り組みに際しブリヂストンEMEAでOEセールス担当バイスプレジデントを努めるラドスラフ・ボルコウスキー氏は、「ランボルギーニとの長年に亘るパートナーシップは、革新、卓越性、そして最高のパフォーマンスを目指すという共通の情熱に根ざしています。
フェノーメノでは、ランボルギーニ史上最強のV12エンジンのポテンシャルを最大限に引き出すという挑戦に挑み実現させました。
特注製作された当社のポテンザは、この車の卓越した性能を公道とサーキットの両方で高めるために必要なコントロール性、グリップ性能を提供します」と語った。
対してランボルギーニでマーケティングディレクターを務めるクリスチャン・マストロ氏は、「ランボルギーニでは、デザインとパフォーマンスは密接に結びついています。ブリヂストンは、その両方を理解しているパートナーです。
タイヤはスーパーカーのパフォーマンスに不可欠な要素です。技術的なアップデート以外では、今日のスーパーカーの改良点の70%は、装着されているタイヤの進化によるものです。
ブリヂストンの当車両専用に開発されたポテンザは、フェノーメノのドライビングパフォーマンスに於いて、驚異的なスピードとパワーを最大限に発揮できる製品であることを保証します」と述べた。
ちなみにブリヂストンは、ランボルギーニとの過去5年間のパートナーシップ期間で、ランボルギーニの全ラインナップ(ランボルギーニ・ウラカンSTO、STJ、テクニカ、EVO、ステラート、ランボルギーニ・レブエルト、ランボルギーニ・テメラリオ、そして今回ランボルギーニ・フェノメノを含む)の独占タイヤパートナーに選ばれている。
イタリアで開発・生産される今回のプレミアムタイヤは、フェノーメノ専用に設計され、同社の画期的なバーチャルタイヤ開発(VTD)技術を用いて設計されている。
このVTDは、タイヤ開発プロセスの効率性と持続可能性の両方を向上させる技術だという。
このVTD技術を活用することで、延べ約200個の物理的なプロトタイプタイヤの試作などが不要になり、実車試験の実施回数は80%削減され、開発期間は最大50%短縮された。
この技術により、新車装着用タイヤの開発段階に於ける原材料消費量とCO2排出量は最大60%削減したと結んでいる。