パリのサロン・レトロモビル2017で「RANGE ROVER REBORN」を世界初披露

ランドローバー・クラシックによる1978年式3ドア・タイプ復刻「RANGE ROVER REBORN」、初期の10台を完全レストアへ

英国のジャガー・ランドローバー（Jaguar Land Rover Automotive PLC、本社：英国・コベントリー、ＣＥＯ：ラルフ・スペッツ＜Ralf Speth＞）傘下のランドローバー・クラシックは、フランス時間の2017年2月3日、専門技術者がオリジナルパーツを調達し、全面レストアを施す新たな「REBORN」シリーズを発表した。

この新プロジェクトは、ランドローバー・クラシックの工場で完全レストアする1978年式3ドア・タイプの「CLASSIC RANGE ROVER」を復刻。

これを2017年2月8日～12日に、パリで開催されたクラシックカーの祭典「サロン・レトロモビル2017（Salon Rétromobile）」で初披露したもの。ランドローバー・クラシックは、この初期の10台を完全レストアする予定だと云う。

「RANGE ROVER REBORN」とは、希少性が高くオリジナル仕様のヴィンテージ「RANGE ROVER」を、英国のランドローバー・クラシックから直接購入できる貴重な機会を顧客に提供するためのプログラムで、昨年の「LAND ROVER Series I REBORN」の成功を受け再始動した。

またこの「サロン・レトロモビル2017」では、“NEW ORIGINAL”（新しくありながらオリジナルに忠実）なジャガー「XKSS」も、ヨーロッパ地域に於いて初披露された。

このシアーウッド・グリーンの塗装を纏った美しく魅力的な「XKSS」は、2016年11月に米国ロサンゼルスにあるピーターセン自動車博物館で報道関係者に向けて発表しており、2017年には世界各国の顧客に対して9台の「XKSS」を納車予定だ。

さらに、ジャガー・クラシック工場で初めて全面的なレストアを行ったオリジナルの「E-TYPE Series I Fixed Head Coupe」も展示された。この1962年モデルの「E-TYPE」は、フランスで登録された個人所有の車両で、オパール・ガンメタル・グレイで塗装されている。

そんな1962年モデルの「E-TYPE」は、単にボディ・パネルを分解して再現するだけでなく、最適なフィット感と仕上がりを確保するためにファクトリー内で丁重に組み立てを行い、オリジナルの3.8リッター・エンジンとトランスミッションを搭載するなど、限りなく完全な形での修復が施された。

なお先に紹介した前出の「RANGE ROVER REBORN」の場合は、ランドローバー・クラシックの専門チームが、数十年にわたるエンジニアリングとデザインの専門技術を生かして、1978年モデルの「CLASSIC RANGE ROVER」の中から丹念に選定し、最初の「RANGE ROVER REBORN」を完成させたものとなった。

「RANGE ROVER REBORN」主な仕様は以下の通り
– カラー：バハマ・ゴールド
– エンジン：3,528cc V8ゼニスストロンバーグ・キャブレター175CDタイプ
– 最大出力：132 bhp/5,000 rpm
– 最大トルク：186 lb ft（251 Nm）/2,500 rpm
– 4速マニュアル・トランスミッション、ロック可能なセンター・デフ

ちなみに「RANGE ROVER REBORN」プロジェクトに於ける全ての車両は、1970年代当時の仕様に沿って完全なレストアが行われ、ランドローバー車であることの真正性を保持するために、ランドローバー・クラシック・パーツのみで組み立てられる。

この仕事に見られるように、ランドローバーの経験豊富なレストア・チームは、収集という観点から、シャシー・ナンバーや、その個体独自の特徴など、ベースとなる車両に最適なオプションを吟味して顧客に提案する。

そんなランドローバー・クラシックが提供する、「RANGE ROVER REBORN」の完全なレストア車両の販売価格は、13万5,000ポンド（約1,931万円）からとなる。

仕上がった車両について、ジャガー・ランドローバー・クラシックのディレクターを努めるティム・ハニング氏は、「『RANGE ROVER REBORN』は、当社が誇るエンジニアリング技術を示す、新たな好例となるでしょう。

そして、ランドローバーが有する豊富なヘリテージを生かし、育てていくことをコミットすると共に、コレクション性が高く、貴重かつ象徴的な存在になりうるクルマを所有するという、ユニークな機会をお客様に提供できるのです。

またこれは、年式に合った塗装から、内装トリムやアクセサリーに至るまで、人気を博した1970年代のオリジナル3ドア・タイプ『RANGE ROVER』を残していくための、素晴らしい手段でもあります」と語っている。

その「RANGE ROVER」が登場した1970年は、当初は2ドア・モデルのみで、1981年に4ドア・モデルが初めて誕生している。

初代モデルは、1996年の生産終了に至るまで高い人気を誇り、2代目の生産と並行して約2年間、生産が続けられたほど。そして、初代モデルと後継モデルを区別するために、「CLASSIC RANGE ROVER」という名称が採用された。

考えてみれば、SUVカテゴリーの先駆け的存在でもある「RANGE ROVER」は、ラグジュアリー4WDというジャンルを確立し、英国王室や世界中の政治家、スーパースターから支持を得、今なお愛されている。

今日に至るまで「究極のSUV」として最も信頼される地位を維持しており、その長年におよぶ傑出した歴史に於いて、数々の世界記録や世界初の樹立といった偉業を成し遂げている。

その一例として1970年代には、「工業デザインの模範的作品」との評価を受け、自動車としては初めてパリのルーブル美術館に展示された。※1ポンド＝143円にて換算（2017年2月14日現在）

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