アンドレアス ミケルセン選手が大逆転で WRC 通算 2 勝目をマーク
2016 年世界ラリー選手権第 7 戦「ラリー・ポーランド」が、6 月 30 日~7 月 3 日に同国北部の風光明媚なマズールィ湖水地方の「ミコワイキ」を中心に開催された。
1912 年に初開催された「ラリー・ポーランド」は、「ラリー・モンテカルロ」と並ぶ最古のラリーであると同時に、次戦「ラリー・フィンランド」に匹敵する高速グラベルイベントとして知られている。
平均速度は120km/h超、昨年はVWのミケルセン選手が136.88km/hのスペシャルステージ(SS)平均速度記録をマークしている。今年の総走行距離は 1,253.29km、21 カ所の SS 距離は 306.10km。
今回、クルーと観客の安全性とラリーの魅力を向上させるため、主催者がルートに改良を加えた結果、昨年と同一の SS はわずか 4 カ所に留まっている。
今大会でアンドレアス ミケルセン選手は、同選手権7戦に於いて、デイ 1~2で3番スタートのハンディを負いながらも、オット タナク選手(M-スポーツ・フォード)と熾烈なバトルを繰り広げた。
勝負の行方を決めたのは、フィニッシュ終盤でタナク選手に発生したパンク。最後まで追撃の手を緩めなかったミケルセン選手は、これによりWRC 通算 2 勝目を飾った。
一方、セバスチャン オジェ選手は、1 番スタートで苦戦を強いられたが、最後は、チームメイトのヤリ-マティ ラトバラ選手とフェアなバトルを見せ、6 位でフィニッシュした。
ラトバラ選手は、オジェ選手を上回る5 位でフィニッシュ、次回の地元開催となる「ラリー・フィンランド」に向けて弾みを付けた。
ポロ R WRC は「ラリー・ポーランド」3 連覇、WRC 通算 46 戦 38 勝
フォルクスワーゲン勢は、選手権に於いて首位を走り続けているため先頭スタートとなり、グラベルでは路面に堆積したパウダー状の砂を掃除する役目を果たさなければならないが、そうした中、今季はすべて表彰台に立ち続けている。
金曜日のデイ 1 は、全 10SS、121.92km の構成で、これには木曜夕刻のセレモニアルスタートに続いて開催されたスーパーSS も含まれている。
1番スタートのオジェ選手は、首位と16.3 秒差の 4位につけ、逆転優勝を狙える位置につけた。
対してラトバラ選手は6 位で初日の競技を終えた。そうしたなかポロR WRC勢で、最も気を吐いたのがミケルセン選手となった。ミケルセン選手は、当初からリズムを掴み、トップと4.2 秒差の 2 位でデイ 1 をフィニッシュした。
続いて土曜日のデイ 2 は、全7SS。前日と同等の 124.58km が戦いの舞台となる。
デイ 1 よりも砂が厚く堆積するルートでは、スタート順が早いミケルセン選手がハンディを負うものの、午後は SS ウィンを含む好タイムを叩き出し、首位との差を 21.3 秒とした。
このタイム差は、WRCでは大差と言わざるを得ないタイム差である。一方、ラトバラ、オジェ両選手は、5、6番手につけている。
さらに明けて日曜日の 4SS は、夜間の降雨で滑りやすいコンディションに変わった。
2016 年 WRC 前半戦最大のドラマは、この日、残り 2SS となる SS20 で起こった。首位のマシンがパンクに見舞われ、40 秒のタイムロスを余儀なくされたのである。
その結果、当初大差をつけられセカンドポジションであったミケルセン選手がトップに立ち、そのままフィニッシュした。
なお次回フィンランド GP と呼ばれる第 8 戦「ラリー・フィンランド」は、7 月 28 日~31 日に学園都市「ユバスキラ」を中心に開催される。
[終了後のコメント]
フォルクスワーゲン モータースポーツ ディレクター: ヨースト カピート
「アンドレアス(ミケルセン)は、自らのパフォーマンスを誇りに思って良いでしょう。最後まで諦めなかったからこそ、勝利を呼び寄せました。オット タナク選手も勝利に値します。チーム全体として見れば、今回のパフォーマンスには満足しています。完璧な仕事をしてくれたクルーに敬意を表します。」
カー#1: セバスチャン オジェ(フランス) 最終結果: 6 位
「アンドレアスを祝福します。最初から最後まで、彼らは戦い続けました。最終日は滑りやすいコンディションで苦労しましたが、チャンピオンシップに向けて貴重なポイントを稼ぐことができました。」
カー#2: ヤリ-マティ ラトバラ(フィンランド) 最終結果: 5 位
「アンドレアスは素晴らしい走りをみせてくれました。個人的には良い走りができましたが、リズムを掴むのが遅すぎたかもしれません。地元フィンランドを今から楽しみにしています。」
カー#9: アンドレアス ミケルセン(ノルウェー) 最終結果: 1 位
「何というリザルトでしょう!とにかくスタートから全力でアタックしました。今日はコンディションが一変したのでチャンスがあると思っていました。そのチャンスを掴めたことが幸いです。」
FIA 世界ラリー選手権 第 7戦ラリー・ポーランド最終結果
1. アンドレアス ミケルセン/アンダース イェーガー(フォルクスワーゲン) 2 時間 37 分 34 秒 4
2. オット タナク/ライゴ メールダー(M-スポーツ・フォード) +26 秒 2
3. ヘイデン パッドン/ジョン ケナード(ヒュンダイ) +28 秒 5
FIA 世界ラリー選手権 マニュファクチャラーズ選手権ランキング(第 7 戦終了時点)
1. フォルクスワーゲン・モータースポーツ 196
2. ヒュンダイ・モータースポーツ 135
3. M-スポーツ 100
FIA 世界ラリー選手権 ドライバーズ選手権ランキング(第 7 戦終了時点)
1. セバスチャン オジェ(フォルクスワーゲン) 143
2. アンドレアス ミケルセン(フォルクスワーゲン) 92
3. ヘイデン パッドン(ヒュンダイ) 72
4. ヤリ-マティ ラトバラ(フォルクスワーゲン) 68
* 結果はすべて暫定。