ユビ電、概設コンセントからEV充電量を記録し連携清算が可能に


ソフトバンク傘下のユビ電は、2020年8月19日に電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHEV/PHV)向け充電サービス「WeCharge(ウィーチャージ)」のプレサービスを開始した。(坂上 賢治)

現在、日本の全住宅に占める戸建と集合住宅の割合は4対6である一方で、EV購入者の9割が戸建てに住んでいる(経済産業省調べ)。つまり集合住宅でEV購入の妨げとなっているのは、共有部駐車場にEV充電設備が無いことにある。

また集合住宅居住者が新たにEV用充電設備を設置する場合、設置費用を誰が負担するべきか合意形成が難しく、そもそも簡単に充電代を清算する仕組みがない。そこでWeChargeは、EV普及の妨げとなっているこの課題を解決するべく、WeChargeに既設のコンセントや充電器を登録した場合、EVの充電に使われた電気代費用を既設のコンセントや充電器の持ち主に支払うというサービスだ。

これによりユビ電は、今までEV充電が難しいとされてきた集合住宅やマンションの駐車場を起点に、いつでもどこでも既設のコンセントからの電力を「じぶんの電気」を使える電力環境づくりを目指している。

同車は具体的に2025年末までに日本全国のマンション24,000ヶ所、ホテル旅館27,000箇所で自社提供のWeCharge充電スポットを広げる計画だとしている。またマンション、ホテル旅館の他にもゴルフ場、飲食店、商業施設、駐車場運営施設の既設コンセントも充電スポットとして拡充していく計画だという。

その仕組みは電気を使いたい人と、電気を使わせてあげる人をIoTで繋ぐ充電サービスだ。既存のコンセントを提供することで集合住宅などでEV充電設備が無い場合でも、駐車場・車室・車庫にある既設コンセントから充電できるようにするもの。

電気を使いたい人(利用者)が、既設コンセントを持っている人(管理組合)に充電量に応じた電気代の費用を支払うという形。WeCharge契約を済ませた充電スポットでは、コンセントや充電器に貼ってあるQRコードをWeChargeアプリでスキャンするだけで使用可能になる仕組みだ。

一旦アプリで初回充電スポットをQRコードのスキャンを介して登録すれば、2回目からの充電は自動で記録される。このWeChargeアプリは、2020年9月にiOS/Androidアプリストアから公開される予定となっている。

ちなみに今回のプレサービスでは、テスラ 、ジャガーのEV、ランドローバーのPHEVコネクティッドカー(通信機能を備え付けた車)がWeChargeアプリと連携。WeChargeサービスの体験版(早期アクセス版)を提供する。

WeChargeが8月19日時点で対応するEV、PHEVは以下の通り。
– テスラ モデル 3
– モデル X
– モデル S Tesla ID
– ジャガー I-PACE Jaguar InControl
– レンジローバーPHEV P400e
– レンジローバースポーツPHEV P400e
– Land Rover InControl

2020年内に三菱自動車工業のアウトランダーPHEVに対応予定。
以降も日本国内で販売されている主なEV、PHV、PHEVを順次対応させていく予定。

WeChargeサービスサイト:https://www.wecharge.com/