車載用二次電池を中心としたリチウム需要増へ増産対応、安定供給を目指す
豊田通商株式会社(本社:愛知県名古屋市、取締役社長:加留部淳)と豪リチウム資源開発会社Orocobre Ltd.(本社:Brisbane Australia、以下:Orocobre)は11月28日、JEMSEと共にアルゼンチンで炭酸リチウム生産事業を行ってきたが、同生産能力を17,500トン/年から42,500トン/年に拡張することを決定した。なお拡張生産は2020年の開始を予定している。
豊田通商は、Orocobreと2014年末からアルゼンチンオラロス塩湖での炭酸リチウム生産を開始。安定供給に努めてきた。しかし自動車の電動化が急速に進むなか、さらにリチウム需要は伸びることが明らかであり、その旺盛な需要に対して生産能力を増強することで長期的・安定的なリチウム供給体制の構築を目指すことを決めた。
具体的にはオラロス塩湖にて生産事業を行っているSales de Jujuy S.A.(サレス・デ・フフイ 以下:SDJ)の拠点に、かん水をくみ上げる井戸、濃縮させるための蒸発池、製造プラントを追加建設して生産能力25,000トン/年分を追加する。
販売は豊田通商が担い、稼働は2020年7月頃を照準に据えている。なお拡張プロジェクトの資金の一部はJOGMEC債務保証制度を利用した資金調達となる予定。またリチウムイオン電池の技術革新に伴い、水酸化リチウムの需要増も見込まれることから拡張後に増産した炭酸リチウムを精製し、水酸化リチウムの生産・供給体制を日本国内で構築することも引き続き検討していく。