トヨタ自動車、2017年(平成29年)3月期第3四半期決算を発表。同期比5年振りの減収減益に


トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市、代表取締役社長:豊田 章男)は2月6日、東京都内に於いて2017年(平成29年)3月期第3四半期決算を発表した。
それによると、おおむね決算は減収減益となった。減益要因は為替変動の影響並びに諸経費の増加が響いたとしている。車両の連結販売台数は、前年同四半期連結累計期間比で15万台 (2.3%) の増加。日本国内・海外共に増加している。なお通期の連結業績予想については、為替相場の変動と販売計画の上方修正を折り込み前期比増としている。

1.経営成績に関する概要
【1】業績の状況
同社の第3四半期連結累計期間に於ける日本、海外を合わせた自動車の連結販売台数は664万3千台と、前年同四半期連結累計期間に比べて15万台 (2.3%) の増加となった。

日本での販売台数については161万3千台と、前年同四半期連結累計期間に比べて13万6千台 (9.2%) の増加となった。

海外においても、503万台と、前年同四半期連結累計期間に比べて1万4千台(0.3%) 増加した。

同じく第3四半期連結累計期間の業績については、売上高は20兆1,547億円と、前年同四半期連結累計期間に比べ1兆2,766億円 (6.0%) の減収となり、営業利益は1兆5,554億円と、前年同四半期連結累計期間に比べて7,502億円 (32.5%) の減益となった。

営業利益の増減要因については、増益要因として、原価改善の努力が3,050億円、営業面の努力が3,000億円あった。

一方、減益要因として、為替変動の影響が7,700億円、諸経費の増加ほかが4,050億円、その他の要因が1,802億円。また税金等調整前四半期純利益は1兆7,640億円と、前年同四半期連結累計期間に比べて6,888億円 (28.1%) の減益。

株主に帰属する四半期純利益は1兆4,327億円と、前年同四半期連結累計期間に比べて4,533億円 (24.0%) の減益となっている。

【2】事業別セグメントの状況
(1)自動車事業
自動車事業に於ける売上高は18兆4,075億円と、前年同四半期連結累計期間に比べて1兆1,903億円 (6.1%) の減収となり、営業利益は1兆3,201億円と、前年同四半期連結累計期間に比べて6,788億円 (34.0%)の減益となった。

この営業利益の減益は、為替変動の影響および諸経費の増加ほかなどによるものとしている。

(2)金融事業
金融事業での売上高は1兆3,469億円と、前年同四半期連結累計期間に比べて869億円 (6.1%) の減収となり、営業利益は1,948億円と、前年同四半期連結累計期間に比べて701億円 (26.5%) の減益となった。

営業利益の減益は、販売金融子会社において、貸倒関連費用および残価損失関連費用が増加したことなどによるものとした。

(3)その他の事業
その他の事業での売上高は8,089億円と、前年同四半期連結累計期間に比べて257億円 (3.1%) の減収となり、営業利益は437億円と、前年同四半期連結累計期間に比べて13億円 (3.0%) の減益となった。

【3】所在地別の状況
(1)日本
日本国内に於ける売上高は10兆7,529億円と、前年同四半期連結累計期間に比べて3,208億円 (2.9%) の減収となり、営業利益は6,940億円と、前年同四半期連結累計期間に比べて6,569億円 (48.6%) の減益となっている。

営業利益の減益は、為替変動の影響および諸経費の増加ほかなどによるものとする。

(2)北米
北米地域での売上高は7兆5,886億円と、前年同四半期連結累計期間に比べて7,991億円 (9.5%) の減収となり、営業利益は3,819億円と、前年同四半期連結累計期間に比べて442億円 (10.4%) の減益。営業利益の減益は、為替換算レート変動の影響を受けたとしている。

(3)欧州
欧州地域に於ける売上高は1兆9,011億円と、前年同四半期連結累計期間に比べて650億円 (3.3%) の減収となったが、営業利益は526億円と、前年同四半期連結累計期間に比べて19億円 (3.8%) の増益となっている。

(4)アジア
アジア地域に於ける売上高は3兆5,627億円と、前年同四半期連結累計期間に比べて2,394億円 (6.3%) の減収となり、営業利益は3,474億円と、前年同四半期連結累計期間に比べて315億円 (8.3%) の減益。営業利益の減益は、為替変動の影響及び、諸経費の増加など複数の要因によるとしている。

(5)その他の地域 (中南米、オセアニア、アフリカ、中近東)
中南米。オセアニア・アフリカ・中近東での売上高は1兆6,065億円と、前年同四半期連結累計期間に比べて1,370億円 (7.9%) の減収となり、営業利益は770億円と、前年同四半期連結累計期間に比べて149億円 (16.2%) の減益となった。営業利益の減益は、諸経費の増加ほかなどによるもの。

2.連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
最近の業績動向等を踏まえ、外国為替相場の変動や通期の販売計画を上方修正した。

これによって現時点における2017年3月期 (2016年4月1日から2017年3月31日) の連結業績の見通しを、売上高で前期比6.7%増。営業利益で前年比35.2%増。純利益で前期比26.5%増としている。なお為替レートは、通期平均で1米ドル=107円、1ユーロ=118円を前提としている。

連結業績の見通し (通期)
– 売上高 26兆5,000億円 (前期比増減率      △ 6.7%)
– 営業利益 1兆8,500億円 (前期比増減率      △35.2%)
– 税金等調整前当期純利益 2兆0,700億円 (前期比増減率    △30.6%)
– 株主に帰属する当期純利益 1兆7,000億円 (前期比増減率    △26.5%)