ルノー・日産アライアンスは2月4日、2015年暦年のグローバル販売実績を発表した。

それによると2015年暦年は、米国、中国、欧州で記録した過去最高の販売台数が寄与し、グローバル販売台数は、前年同期に対して約1％増の8,528,887台となった。

両社グループ・アライアンスの概要

今日、世界第4位の自動車グループとなった同アライアンスによると、ルノーグループ、日産自動車、ロシアのアフトワズを含むルノー・日産アライアンスのグローバル販売台数は、ロシアおよびブラジル市場全体の急激な需要低迷のなかでも、2014年暦年実績に対し、安定的な販売を維持したとしている。

具体的には、全世界で販売した自動車10台のうち1台は、ルノー、日産、および、ロシア最大の自動車メーカーであるアフトワズのクルマになると云う。

また欧州で第3位の自動車メーカーであるルノーグループは、グローバル全需が前年に対し1.6％増となる中、過去最高となる前年比3.3％増の2,801,592台を世界で販売し、3年連続の販売増となった。

この数値には、ルーマニアのダチアブランドが貢献し、販売台数で過去最高となる前年比7.7％増の550,920台を記録している。

結果、欧州に於けるルノーの市場シェアは、全需が対前年で9.4％増加する中、10.1％となり、18年連続で欧州の小型商用車におけるセグメントに於けるリーダーシップを維持した。

対して日産は、過去最高となる5,421,804 台の乗用車およびトラックを世界で販売し、前年比2.1％増となった。

日産にとって、二大市場である米国と中国では、それぞれ125万台以上を販売。インフィニティブランドの販売台数は、米国、中国を含む全ての主要地域で記録した過去最高の販売台数が寄与し、前年比16％増の215,250台となった。

上記ルノー・日産アライアンスは、国有企業ロステック社と合弁会社を設立し、ロシアに於いてアフトワズの株式の過半数を保有。ロシアで販売される自動車の約3台に1台は、ルノー・日産アライアンスとアフトワズのクルマとなっている。

ラーダブランドで、ロシア市場に於いて活動するアフトワズは、ロシア国内市場の低迷により、31.5％減の305,491台の販売に終わっている。

結果、ロシア自動車市場全体が35％以上の減少となる中、アライアンスの市場シェアは、昨年度の30.7％から32.3％となった。

ルノーおよび日産の販売概況

2015年のルノー・日産アライアンスの販売上位10ヵ国は、米国、中国、フランス、日本、メキシコ、英国、ドイツ、ロシア、ブラジル、スペインとなっている。

まず日産だが、同社は米国で過去最高となる前年比7.1％増の1,484,918台を販売し、市場シェアは過去最高の8.5％となった。

また、「ローグ」、「ヴァーサ」、「NV」、「NV200」は過去最高の年間販売台数を記録。ライトトラックセグメントでは、前年比20％増を販売している。

日産は、メキシコで、過去最高となる前年比19％増の348,941台を販売。市場シェアは25.8％となり、6年連続で販売台数トップとなった。

中国に於いて日産は、前年比6.3％増の125万台を販売。日産は引き続き、5.0％以上の市場シェアを持つ中国最大の日系自動車メーカーとなっている。

そんな日産のホームマーケットである日本では、前年比12.1％減の589,046台を販売。市場シェアは11.7％である。

対して2月初旬、ルノーは、武漢市にある東風汽車との合弁工場で、ルノー初の中国生産モデルとなるSUV「カジャール」の生産を開始。

この新たな合弁工場で、稼働開始当初、年間15万台の生産能力を有する予定としている。またルノーによると、さらに需要の高まりに応じて、生産能力を30万台まで拡大することが可能と云う。

ルノーは、ホームマーケットであるフランスで、前年比5.1％増の607,173台を販売。市場シェアは26.4％となっている。

同社のコンパクトカー「クリオ」は、6年連続で最販モデルとなり、ルノーの「ゾエ」は同国の電気自動車（EV）販売台数の内60％を占め、EV乗用車のトップモデルとなった。

ルノーの市場シェアは、同社の2番目に大きい市場であるブラジルで、全需が25.5％減少する中、0.2ポイント増の7.3％となっている。

ルノーは、今後、アライアンスの販売および成長の重要な柱として期待されるインドで、前年比で20％を超える53,848台を販売し、現段階では引き続き、最大の欧州系自動車ブランドとなっている。

具体的には、ルノーのコンパクトハッチバック「クウィッド」が昨年9月のインドでの発売以降、80,000台以上を受注。

同車は、アライアンス初のコモン・モジュール・ファミリー（CMF）Aアーキテクチャーをベースにした、アライアンスCMF適用車の中で最も低価格帯のクルマである。なお、ダットサンブランドは、このCMF-Aアーキテクチャーを適用したモデルを今年後半に発売する予定としている。

ゼロ・エミッション車について

今日、世界中で販売された電気自動車（EV）の2台に1台はアライアンスのEVとなっている。

両アライアンスは、昨年12月末までに、世界で累計302,000台のEVを販売。初の量産EVである「日産リーフ」は、2010年12月の発売以来、累計201,000台以上を販売し、世界で最も売れているEVとなった。

対してルノーは、EVを2011年10月に発売して以来、2人乗りアーバンコミューターの「トゥイジー」を含め、世界で累計83,000台のEVを販売した。「カングーZ.E.」は欧州でトップの小型商用EVとなっている。

結果、ルノー・日産アライアンスは、2015年暦年に前年比2.5％以上の増加となる85,000台のEVを販売した。

全体ボリュームに見ると、日産EVのグローバル販売台数は9.8％減少、ルノーの販売台数は45％の増加となっている。

欧州における日産のEV販売台数は、前年比14.3％増の約20,000台。ルノーは先の通りで49％増の約23,100台となった。ルノー「ゾエ」の欧州におけるマーケットシェアは約19％となり、2015年の欧州最量販EVとなっている。

ルノー・日産アライアンスの主要10市場
*アフトワズ含む

ルノーの主要10市場

日産の主要10市場
*日産自動車の中国合弁である東風日産乗用車公司が展開する乗用車ブランドヴェヌーシアブランドを含む。

ルノー・日産アライアンスについて
ルノー・日産アライアンスは、パリに本社を置くルノーと横浜に本社を置く日産の戦略的パートナーシップである。1999年にパートナーとなった両社は2015年、世界200か国近くで850万台を販売した。

アライアンスは、ロシアのアフトワズ社以外にも、ドイツのダイムラー、日本の三菱自動車、中国の東風汽車、インドのアショックレイランドなどの自動車メーカーと戦略的な協力関係を結んでいる。