パナソニック&ジャガー、フォーミュラE選手権・参戦1年目で総合10位を獲得


最終戦・第11・12戦モントリオール・グランプリを完走して参戦1年目で27ポイント獲得。早くも新型マシンは来シーズンへ

パナソニック・ジャガー・レーシングは、7月29日・30日に開催された「FIAフォーミュラE選手権2016/2017シーズン」の第11・12戦モントリオール・グランプリに出走し、該当シーズンすべてのレース日程を終了した。

その内容は、7月29日に行われた第11戦の予選で、ミッチ・エバンスが6位。アダム・キャロルがそれに次ぐ7位と、両ドライバーは共に今シーズン最高位を獲得。

その後の決勝では、ミッチ・エバンスが7位でフィニッシュし、チームに新たに6ポイントをもたらした。

一方、アダム・キャロルは、16周目にクラッシュが発生し、コース全体がイエローフラッグとなったことが影響し、順位を大幅に落とし、最終的に16位で完走となった。

シーズン最終戦となる7月30日の第12戦では、予選での路面温度が第11戦よりも上昇したことが影響して厳しい戦いとなり、ミッチ・エバンスは17グリッドから。チームメイトのアダム・キャロルは19グリッドからのスタートとなった。

前日のレースで調子を上げていたミッチ・エバンスは健闘したものの、12位でのフィニッシュとなり、アダム・キャロルもミスのないレースを展開を消化できたのだが実力を発揮しきれずに14位となり、ポイント獲得に届かず。しかし2人のドライバーはスタートから5位ずつ順位を上げ完走を果たした。

結果、パナソニック・ジャガー・レーシングは、アダム・キャロルとミッチ・エバンスをドライバーに迎え、電気自動車のレーシングカー「I-TYPE」で、香港、パリ、ニューヨークの大都市を含む9都市で開催された全12戦を走破。

チャンピオンシップ・ポイント27の総合10位で、参戦1年目のシーズンを締め括った。

ジャガーにとっては、ダブルポイントフィニッシュを迎えた第4戦メキシコ・グランプリ。そしてミッチ・エバンスが最速ラップを記録した第7戦ベルリン・グランプリ。

予選で、今シーズン最高位を獲得した第11戦モントリオール・グランプリの3戦は、大きな学びを得た場となった。

チームは今後、今シーズンのすべてのデータや経験を分析し、来シーズンに向け新たな目標を設定して挑む。そのためにもジャガーは既に、本年12月に香港で開幕する第4シーズンに照準を合わせ、マシンの開発・改良を進めている。

ドライバー、ミッチ・エバンスのコメント:「二日目は波乱の多いレースだったよ。17グリッドからのスタートだったから、2周目までは走行距離も長かった。

そのなかでも、順位を上げられてよかった。序盤の第1スティントはとてもタフで、ラップスピードも落ちたけど、レース自体を楽しめたし、とても良いレースができたと思う。

着実に前進した1年だった。パナソニック・ジャガー・レーシングの一員となることができてとても良かったし、このような歴史あるチームの初参戦となる舞台で一翼を担えたことを、とても誇りに思う。

今シーズンに得た学びはたくさんあったけど、この舞台に立てただけでも、素晴らしいことだと思っている。」

ドライバー、アダム・キャロルのコメント:「第12戦は決勝レース前から、距離も長いし、エネルギーの使用制限もあることから、難しいレースになることは予想していたが、19位スタートから14位フィニッシュ、となんとか順位を上げることができた。

2人とも完走できて良かったし、レース自体はとても楽しめた。初参戦となる今シーズンは常にチャレンジがあって、学びの1年だった。

FIAフォーミュラE選手権は世界有数の競争の激しいレースだし、僕らのようなチームにとっては革新をもたらすのにふさわしい場所だ。

自分のパフォーマンスを証明したいレーサーやマニュファクチャラーにとって、格好の場だと思う。」

パナソニック・ジャガー・レーシング・チームのディレクターであるジェームズ・バークレーのコメント:「モントリオール大会は、非常にタフなレースでした。本音を言うと、もう少し順位を上げ、より多くのポイントを獲得して初シーズンを終えたかったという気持ちもあります。

しかしながら、FIAフォーミュラE選手権がとても競争の激しいレースであることを忘れてはいけません。この場で数え切れないほどの学びを得て、ジャガー初となる電気自動車での公道レースを心から楽しませていただきました。

この革新的なシリーズに参戦できたこと自体がとても価値があり、我々が参戦をした後にも多くの自動車メーカーが相次いで参戦表明されていることも、とても名誉なことです。

FIAフォーミュラE選手権は、我々にとって未知の領域であり、本シーズンはチームの特徴をうまく引き出すことができませんでした。

マシンのデザインから製造、承認まで、わずか3か月という期間しかなく、規定上シーズン内の改造やテストなどの余地がなかったからです。

新しく参戦するチームにとって、これほど大変な状況は他に類を見ないと思います。チームの潜在能力を考えると、来シーズンはとても期待できます。

今シーズンで得た学びはすべて、新たな『I-TYPE』のデザイン、製造、改造に生かしていきます。テストは順調に進んでおり、我々の照準は既に第4シーズン以降に合わせています。来シーズンは常に10位以内を目指して競っていきたいと思います。

パナソニック・ジャガー・レーシング・チームを支えてくれたすべての方に、ジャガーのモータースポーツ界への復帰が叶ったことに対する感謝の気持ちをお伝えしたいです。

工場から、レース会場から、自宅からなど場所はさまざまですが、ご支援をありがとうございました。香港でまたお会いしましょう。」

なおFIAフォーミュラE選手権の新たな2017/2018シーズンは、2017年12月2日の香港グランプリで開幕し、第1戦、2戦が2日連続で実施される予定となっている。