日立オートモティブシステムズ株式会社(本社:東京都千代田区大手町、本店:茨城県ひたちなか市、社長執行役員&CEO:関 秀明、以下、日立オートモティブシステムズ)は、一般道上の自動走行実現に向け、日立グループのクラリオン株式会社(本社:埼玉県さいたま市中央区、執行役社長兼COO:川端 敦、以下、クラリオン)と実証実験を開始した。
これは両社が共同で開発した各種センサーを一般市販車に搭載し、茨城県の支援のもと、2016年12月から2017年3月にかけて、茨城県ひたちなか市にある自動車安全運転センター 安全運転中央研修所の模擬市街路で実証試験を実施したもの。
この自動走行の実現には、単一のセンサーでは得ることができない、より高度な認識機能が必要となる。
そのため日立オートモティブシステムズは、障害物を感知する外界認識センサーのステレオカメラをはじめ、前・後側方レーダー、前方遠距離レーダー。
さらにクラリオンの周辺監視カメラなど、複数のセンサーを組み合わせ、それらの認識結果を統合することで高度な認識性能を実現。これらのセンサーフュージョン機能を装備することによって高度な認識機能を実現している。
今回の実証試験では、一般道における4件のユースケースを想定し、センサーに求められる認識精度と認識範囲を実走行で確認。
センサーフュージョン機能の稼働に於ける課題を抽出したと云う。また地図ユニットが出力する自車位置と方位の誤差について地図データを基準に評価した。
日立オートモティブシステムズでは今実証実験の実施にあたり、「今後も実証試験などによる評価検証を重ね、さらに高度な自動走行を実現する各種センサーの開発を加速していきます」と述べている。
なお実証試験の概要は以下の通り
今実証試験では、4件のユースケースについて、センサーの認識精度・範囲を確認した。
(1)交差点左折時の先行車と横断中の自転車・歩行者の検知、認識。
(2)交差点右折時の先行車と横断中の自転車・歩行者の検知、認識。
(3)交差点通過時の通過または右折待ちをしている対向車、横切り車両、自転車・歩行者の検知、認識。
(4)一般道走行時の路肩停止車両や低速走行車、および自転車・歩行者の検知、認識と回避走行。
同社によると実証試験の結果、自車が低速で大きな舵角で旋回を行うため、検知対象物の的確な認識が難しい交差点右左折時におけるセンサーフュージョン機能の課題を抽出したと云う。
また、事前に作成した、車線まで認識することができる模擬市街路の高精度な地図を利用し、地図ユニットが出力する自車位置と方位の誤差が目標値内に収まっていることも確認していると述べている。