WRC第2戦スウェーデン、エバンスが連覇 総合2位に勝田

2月15日(日)、2026年FIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦ラリー・スウェーデンの最終日デイ4が、スウェーデン北部の都市「ウーメオー」を中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)のエルフィン・エバンス選手/スコット・マーティン選手組(GR YARIS Rally1 33号車)が優勝した。

スコット・マーティン選手とエルフィン・エバンス選手

これに勝田貴元選手/アーロン・ジョンストン選手組(18号車)が続き総合2位。TGR-WRT2からのエントリーとなるサミ・パヤリ選手/マルコ・サルミネン選手組(5号車)が総合3位。

オリバー・ソルベルグ選手/エリオット・エドモンドソン選手組(99号車)が総合4位でフィニッシュし、TGR-WRTは1-2-3-4フィニッシュを達成した。

99号車(オリバー・ソルベルグ、エリオット・エドモンドソン)

ラリー・スウェーデンの最終日デイ4は、ウーメオーのサービスパークの北東エリアで全長25.45kmのステージ「ベステルビーク」を、サービスを挟んで2回走り、その後最終ステージのSS18「ウーメオー2」を走行。3本のステージの合計距離は61.13kmとなった。

ラリーは最終日も青空の下で進み、オープニングのSS16は朝7時半過ぎのスタート時点でマイナス22度前後と、最終日も極寒のウィンターコンディションでの戦いになった。

デイ3で首位に立ち、総合2位の勝田に13.3秒のリードを築いたエバンス選手は、SS16でベストタイムを記録。2番手タイムの勝田選手との差を14.7秒に拡げた。

33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)

このステージはソルベルグ選手が3番手、パヤリ選手が4番手とTGR-WRTのドライバーがトップ4を独占。総合4位のソルベルグ選手は、総合3位パヤリ選手との差を23.7秒に縮めた。

ウーメオーでのサービスを挟んで行なわれたSS16の再走ステージ、SS17では勝田選手がベストタイム、パヤリ選手が2番手、エバンス選手が3番手、ソルベルグ選手が4番手とチームは再び1-2-3-4タイムをマーク。勝田選手はエバンス選手との差を14秒に縮め、パヤリ選手はソルベルグ選手との差を31.2秒に拡げた。

そして迎えた最終のパワーステージ、SS18ではエバンス選手が2番手タイム、勝田選手が3番手タイム、ソルベルグ選手が4番手タイム、パヤリ選手が10番手タイムを記録。このトップ4の総合順位に変化はなく、エバンス選手が総合2位の勝田選手を14.3秒差で抑えて首位の座を守り、今シーズン初優勝を達成。

18号車(勝田 貴元、アーロン・ジョンストン)

昨年大会に続き、勝田選手とのバトルを勝ち抜き表彰台の最上段に立った。エバンス選手はこれで2020年、2025年、2026年とTGR-WRTのドライバーとしてスウェーデンで通算3勝をマーク。トップと僅か0.1秒差のパワーステージ2番手タイム、スーパーサンデー1位によるボーナスポイントも獲得し、ソルベルグ選手を抜いてドライバー選手権首位に立った。

イギリス、ウェールズ出身のエバンス選手は今回の勝利により、北欧諸国以外の出身者としては、このラリーでもっとも成功したドライバーのひとりになり、通算3勝はチームメイトのセバスチャン・オジエ選手(フランス)、ケネス・エリクソン選手(スウェーデン)、トミ・マキネン選手(フィンランド)に並ぶ記録となった。

昨年に続き総合2位の勝田選手は、パワーステージ3番手、スーパーサンデー2位によりドライバー選手権3位に浮上。勝利は逃したが、勝田選手にとってはキャリア8回目のポディウム獲得となった。

5号車(サミ・パヤリ、マルコ・サルミネン)

昨年のラリージャパン以来となる総合3位で表彰台に立ったパヤリ選手は、スーパーサンデー4位によりドライバー選手権7位に。総合4位のソルベルグ選手はパワーステージ4番手、スーパーサンデー3位となり、ドライバー選手権ではエバンス選手と13ポイント差の2位に後退した。

これによってTGR-WRTは今回1-2-3-4フィニッシュを達成。前戦ラリー・モンテカルロに続き、2大会連続で表彰台を独占した。単一マニュファクチャラーのクルマが2戦連続でポディウムを占めたのは、2010年のシトロエン以来となる。また、開幕2戦での表彰台独占は、1984年にアウディがモンテカルロとスウェーデンで達成した1984年以来となった。

TGR-WRTのカスタマープログラムによりGR YARIS Rally1で2年ぶりにこのラリーに出場した、イタリア人プライベーターのロレンツォ・ベルテリ選手/シモーネ・スカットリン選手(37号車)は、金曜日の朝タイヤにダメージを負って大きな遅れを取った。しかし、その後はお気に入りのラリーであるスウェーデンの雪道で、ハイスピードドライビングを満喫。総合15位でラリーを走り切った。

サポート選手権のWRC2では、GR Yaris Rally2で出場のフィンランド人ドライバーふたりが1-2フィニッシュを達成。プリントスポーツが用意したクルマで、ラウティオ・モータースポーツからエントリーのローペ・コルホネン選手/アンシ・ヴィニッカ選手組が優勝(総合10位)。デルタ・ラリーが用意したクルマで出場のテーム・スニネン選手/ヤンネ・フッシ選手組(総合11位)が、10.2秒差のクラス2位でフィニッシュした。

<<ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)>>
1、2、3、4位というこの結果に大変満足していますし、シーズン最初の2戦で示したパフォーマンスの高さは驚くべきものでした。

ラリー・モンテカルロの後、スウェーデンではより厳しい戦いになるだろうと予想していました。それでも我々のドライバーたちはお互いに激しく競い合いながらも、大きなミスをすることなくクルマを完走に導きました。

エルフィンは今、驚くほど安定した素晴らしい走りを続けており、このイベントの真の達人になりつつあります。貴元もこの大会を心から楽しみ、非常に良い走りを見せてくれました。多少フラストレーションを感じていたかもしれませんが、それでも素晴らしい結果です。

サミの走りにもとても満足しています。プレッシャーを感じながらのやや慎重なスタートでしたが、物事が順調に進んでいると実感すると自信を取り戻し、笑顔が戻りました。オリバーにとっては、ラリー序盤の厳しい状況から見事に巻き返し、強みを発揮したラリーでした。

<<エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)>>
スウェーデンでのこの週末は、私たちとチーム全体にとって素晴らしいものになりました。クルマは素晴らしく、チームに心から感謝しています。

このような素晴らしいウィンターコンディションの中で、高速ステージを走るのは素晴らしい気分ですし、クルマに良いフィーリングを感じている時は、いつだって楽しいものです。

最終日を迎えるにあたり、私たちのマージンはそれほど大きくありませんでした。日曜日には多くのポイントを獲得することも可能なので、最後までプッシュする必要がありましたが、結果にはとても満足しています。素晴らしい形で一年をスタートすることができましたが、まだ始まったばかりなので、これからも努力し続けなくてはなりません。

<<オリバー・ソルベルグ (GR YARIS Rally1 99号車)>>
もちろん、地元開催のラリーなのでもっと良い結果を期待していましたが、金曜日のステージがあれほど難しいとは予想していませんでした。自分のミスのせいで表彰台を逃し、週末を通して不利な状況に追い込まれたのかもしれませんが、4位はおそらく自分が得られた最高の結果だと思います。

このクルマでの初めての本格的なスノーラリー出場と、初めて出走順トップでステージに臨んだことにより、多くのことを学びました。ベストを尽くしましたし、まずまずのポイントを獲得することができました。

素晴らしいサポートを受けて、本当に楽しみながらクルマを運転することができました。チームに心から感謝します。彼らは素晴らしい仕事をしてくれましたし、1-2-3-4フィニッシュは最高のリザルトです。

<<勝田 貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)>>
チームにとって素晴らしい結果であり、自分がその一員になることができたことを大変嬉しく思います。チームのみんなの努力に心から感謝します。クルマは全てが順調に機能し、とても楽しむことができました。エルフィンには心からおめでとうと言いたいです。

今年も彼はこのラリーで非常に強く、勝利に相応しい戦いをしたと思います。次に彼と勝利を争うチャンスが訪れた時には、もっとプッシュしたいと思っています。特にこのような高速ラリーでは、コンマ1秒を争うほど激しい戦いになるので、常に競い続けるのは楽しいことです。次のケニアも自分に合っているラリーなので、楽しみにしています。

<<サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)>>
自分たちにとっても、チームにとっても素晴らしい結果です。プラン通りに行かなかったラリー・モンテカルロの後、手厚くサポートしてくれたチームのメンバーを含む全員に心から感謝します。今回、ペースを取り戻し表彰台に再び立つことができて本当に嬉しいです。

今週はこのクルマで、このようなコンディションの中を走ることができ、本当に楽しめました。自分たちが本来あるべきレベル、そして昨年末につけていたレベルに戻ることができて良かったですし、今後さらに良いリザルトを目指すために、プッシュし続けなくてはなりません。

<<ラリー・スウェーデンの結果>>
1 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) 2h35m53.1s
2 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +14.3s
3 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +46.0s
4 オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソン (トヨタ GR YARIS Rally1) +1m11.6s
5 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (ヒョンデ i20 N Rally1) +1m50.3s
6 エサペッカ・ラッピ/エンニ・マルコネン (ヒョンデ i20 N Rally1) +1m53.2s
7 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1) +3m45.9s
8 ジョン・アームストロング/シェーン・バーン (フォード Puma Rally1) +4m05.5s
9 ジョシュ・マッカーリーン/オーエン・トレーシー (フォード Puma Rally1) +6m05.4s
10 ローペ・コルホネン/アンシ・ヴィニッカ (トヨタ GR Yaris Rally2) +10m36.2s
(現地時間2月15日17時30分時点のリザルト。最新リザルトは https://www.wrc.com/en を確認されたい。)

<<第2戦終了時点でのドライバー選手権順位>>
1 エルフィン・エバンス 60ポイント
2 オリバー・ソルベルグ 47ポイント
3 勝田 貴元 30ポイント
4 アドリアン・フォルモー 28ポイント
5 ティエリー・ヌービル 21ポイント
6 セバスチャン・オジエ 18ポイント
7 サミ・パヤリ 17ポイント
8 エサペッカ・ラッピ 9ポイント
9 レオ・ロッセル 8ポイント
10 ヨアン・ロッセル 6ポイント

<<第2戦終了時点でのマニュファクチャラー選手権順位>>
1 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team 117ポイント
2 Hyundai Shell Mobis World Rally Team 66ポイント
3 TOYOTA GAZOO Racing WRT2 18ポイント
4 M-Sport Ford World Rally Team 14ポイント

<<次回のイベント情報>>
WRC次戦は、3月12日から15日にかけて、アフリカのケニアで行われる第3戦「サファリ・ラリー・ケニア」となる。長い伝統と知名度を誇るこのラリーの路面は、今シーズン初となるグラベル(未舗装路)。

ステージは非常にハイスピードなサバンナの道、「フェシュフェシュ」と呼ばれる軟らかい砂に覆われた道、岩や石が転がる荒れた道などバリエーションに富み、雨が降ると路面は一気にぬかるみ非常に滑りやすくなる。TGR-WRTは、このラリーがWRCのカレンダーに復帰した2021年から昨年まで、5大会連続で優勝を獲得している。

33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
33号車(エルフィン・エバンス、スコット・マーティン)
99号車(オリバー・ソルベルグ、エリオット・エドモンドソン)
99号車(オリバー・ソルベルグ、エリオット・エドモンドソン)
18号車(勝田 貴元、アーロン・ジョンストン)
18号車(勝田 貴元、アーロン・ジョンストン)
5号車(サミ・パヤリ、マルコ・サルミネン)
5号車(サミ・パヤリ、マルコ・サルミネン)
表彰式
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