海洋研究開発機構( JAMSTEC / 海洋機構 )の地球深部探査船「ちきゅう」が1月12日、日本の排他的経済水域である南鳥島沖の海底から、ハイテク産業に欠くことかできないレアアースを含んだ泥( レアアースを高濃度に含む堆積物 )の採掘試験を行うべく静岡市の清水港から出航する。
*写真は地球深部探査船「ちきゅう」
同採掘試験は、内閣府・戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)が策定した14課題のひとつにあたり、SIPは内閣府の総合科学技術・イノベーション会議が司令塔となって府省・分野の壁を越え、社会課題解決を図る国家プロジェクトを指す。
その傘下の「海洋安全保障プラットフォームの構築( SIP海洋 / 石井正一プログラムディレクター )」は、海底鉱物資源として近年注目のレアアース泥の探査、採鉱、製錬等の実証に取り組んでいる。
ちなみに今試験は、国産レアアースの産業化に向けた最初の取組となり、このような海底試験は世界でも初の試みとなる。
これまでの経緯は、今から12年前の2013年にJAMSTECと東京大学よる共同調査で同地域で水深5700メートルの深海で高品質の「レアアース泥」を発見。
5年後の2018年に同域での2500平方キロメートルの範囲( EEZ域の1%にあたる区画 )に1600万トンの良質なレアアースが存在することを英・科学論文誌で公表した。
そうした流れを受けて今回は、数日間を掛けて南鳥島の南東沖約150キロ・メートルの排他的経済水域( EEZ )内の現場で、1週間程度(予定では2月14日まで)の準備期間を設けて船上から水深約6000メートルの深海までパイプを延ばし、レアアース泥を採取する。
採鉱方法の詳細は、海洋石油や天然ガス掘削で用いられる「泥水循環方式」に独自の技術を加えた「閉鎖型循環方式」のレアアース泥採鉱システムとなる。
これは海底下での解泥、採泥と海底から船上への揚泥を可能にするもので、閉鎖系で稼働するため採鉱時に発生する懸濁物の漏洩・拡散を抑止できる。
また採鉱に伴う海洋環境への影響を調べるため、SIP海洋で発行した国際標準規格ISOを用いた海底と船上での同時モニタリングも併せて行われる予定だ。




