先進的なAIを搭載した運転支援技術をグローバルに量産車へ導入へ

日産自動車（本社：神奈川県横浜市西区、社長：イヴァン エスピノーサ）とWayve（ウェイブ）社（本社：英国ロンドン市、CEO：アレックス ケンダル、以下 Wayve）は12月10日、開発を進めている次世代運転支援システム「プロパイロット」を幅広い車種に搭載していくための協業契約を締結したと発表した。

両社は、このパートナーシップにより、WayveのエンボディドAIソフトウェアと日産の先進技術を融合し、ADAS（先進運転支援システム）とポイント・ツー・ポイントの高度な自動運転の実現を目指す。

日産は、2016年に高速道路の単一車線でドライバーの運転を支援する「プロパイロット」を初めて市販車に搭載し、2019年には高速道路の複数車線での運転支援と同一車線内でのハンズオフを可能とする「プロパイロット2.0」を実用化した。

以降、同社は「プロパイロット」と「プロパイロット2.0」を顧客ニーズに合わせて幅広い車種に搭載してきた。この実績をもとに日産は、WayveのAI技術を搭載した次世代運転支援システム「プロパイロット」を開発していく。

日産は先の2025年9月にWayveの最先端エンボディドAI技術を自動運転に適用したソフトウェア「Wayve AI Driver」と、次世代のLiDARを活用した日産のGround Truth Perception技術を組み合わせた、次世代「プロパイロット」の開発試作車を公開した。この試作車は高速道路だけでなく、市街地の複雑な道路環境でもスムーズで安全な運転支援を実現させている。

そこで今回、日産とWayveは、「Wayve AI Driver」を日産の次世代プロパイロットシリーズに採用していくことで合意し、協業契約を締結した。

日産は今後、「Wayve AI Driver」の技術を活用することで次世代プロパイロットシリーズの機能や利便性を更に向上させ、日本や北米をはじめとするグローバルな市場に投入することで、幅広い顧客ニーズに応えていく。

より具体的に日産は、2027年度にWayveのAIを採用した次世代「プロパイロット」を搭載した最初のモデルを国内で販売する予定と謳っている。

日産では、「今回の合意は、両社にとって重要な前進を意味します。日産は自動車メーカーとして初めて幅広いセグメントの車種にWayveのAIシステムを大規模に導入します。

安全性を核に設計されたWayveのエンドツーエンド・エンボディドAIは、追加開発を最小限に抑えながら、新しい都市や車両プラットフォームへ効率的に適応できます。

更にWayveのAIは、プロパイロットシリーズのカメラ、レーダー、LiDARなど多様なセンサー構成と組み合わせることで、幅広い車種においてインテリジェントな運転を実現します。量産車へのシステム搭載により、日産とWayveは実世界の多様な走行条件から学び、継続的な改善を進めるとともに、日産の運転支援技術の長期的な競争力を強化します」と今後の取り組みについて説明している。

なお以下は協業両社の代表者によるコメントとなる。

日産自動車株式会社 社長 兼 最高経営責任者　イヴァン エスピノーサ氏
「日産が培ってきた高度な自動運転技術に、Wayveが誇る最先端のAI技術を組み合わせることで、クルマの運転支援をこれまでにない次元へと高めていきます。

両社が共同で開発する次世代『プロパイロット』を幅広い車種に搭載し、グローバルに展開することで、より多くのお客さまに安全で快適な運転体験を提供し、インテリジェントな未来の創造に貢献します。

今回の合意は、日産がモビリティを革新し、よりクリーンで安全、自由な移動を実現していくための重要な一歩となります。」

Wayve社 共同創設者 兼 最高経営責任者　アレックス ケンダル氏
「日産は、エンボディドAIの量産化に向け、世界の自動車メーカーの中で先頭を走っています。

私たちは、次世代のインテリジェントな運転技術を世界中のお客さまに届けるため、日産とパートナーシップを組めることを誇りに思います。

Wayveの急速に進化するAIと、日産のエンジニアリング力とグローバルな展開力を融合することで、安全で心躍る自動運転モビリティの革新を加速させることができます。」