アキュラは8月15日(カリフォルニア州モントレー発)、RSXプロトタイプを世界初公開した。このプロトタイプはアキュラブランドの次世代旗艦EVであり、プロパルジョン・イエロー・パールカラーを纏った同車は、世界有数の自動車愛好家とモータースポーツファンの集いであるモントレー・カー・ウィークのプレミアイベントで注目を集めた。
米国市場で長らく待たれていたアキュラRSXの市販型EVのプロトタイプは、ホンダが新たに開発したEVプラットフォームを基礎に開発された最初の市販モデルというだけでなく、オハイオ州のホンダEV生産施設から出荷される初のEVとなることから、同社の電動化戦略に於いて重要な一歩を記すモデルになるという。
またRSXは、アキュラ・インテグラと同じメアリーズビル自動車工場の生産ライン上で内燃機関(ICE)、ハイブリッド電気自動車、バッテリー電気自動車(EV)を同一生産ラインで製造できるホンダの柔軟な生産体制を身を以て示すものとなる。
来たる2026年後半に発売が予定されている量産型RSX は、以降のアキュラブランド車をソフトウェア定義車の時代へと加速させ、車両オーナーの好みや運転行動を学習し、それぞれのドライバーに沿うパーソナルな車内体験を提供できるよう設計されている。
またそのための新たな独自OSとしては、ホンダが長年温めてきたASIMO OS が世界発搭載される見込みだ。
車両生産体制だけでなく、独自の車載OSも搭載されるアキュラRSXプロトタイプについてアメリカンホンダモーター社で自動車販売担当副社長を努めるランス・ウォルファー氏は、「アキュラRSXプロトタイプのドラマチックなスタイリングは、これが単なる新しいEVではなく、魅力的な全く新しいアキュラ車であることを示しています。
RSXは、魅力的なデザインと最先端のテクノロジーにより、約40年に亘るアキュラのプレシジョン・クラフテッド・パフォーマンスブランドのDNAを受け継いでいます。
またRSXは、世界のカーボンニュートラル目標の達成を後押しするべくモバイルエネルギーストレージとして活用でき、家電製品を含む様々な機器への電力供給に加え、家庭用バックアップ電源としても活用できるものとなっています。
パワフルなデュアルモーター四輪駆動、スポーツチューンされたダブルウィッシュボーン式フロントサスペンション、低重心、そしてブレンボ製ブレーキを標準装備したRSXは、運転する楽しさと魅力的なドライビングエクスペリエンスの両方を提供できるクルマとなりました。更にRSXは、アキュラブランド随一の運転支援技術を、ユーザーに提供できるクルマとなります」と説明した。
続いてアキュラのクリエイティブディレクター兼アメリカンホンダR&D副社長の土田康武氏は、「アキュラRSXは、優れた空力特性から生まれるパフォーマンスを体現したスポーティなクーペスタイルを備えています。
そんなアキュラRSXプロトタイプは、次世代EVプラットフォームが実現するスタンスとプロポーションの極めて伸びやかなデザインを最大限に活かし、クーペのような表情豊かなシルエット、力強いプロポーションを介してアキュラデザインの限界を更に押し広げることに成功しました。
特にドラマチックなファストバックルーフラインは、深く彫刻的なサイドサーフェス、車体側面をフルフラットにするドアハンドル、そして一体型のダックテールスタイルのリアスポイラーなどによってスピード感を演出しています。
加えてワイドでスポーティなスタンスを強調する足元には、21インチの大径マルチスポークホイールに鮮やかなレッドのキャリパーを備えた大型のブレンボ製のフロントブレーキが奢られています。
我々は、この新型RSXを皮切りにアキュラブランドを時代を超えた美しさとパフォーマンス、ブランドアイデンティティーに不可欠なハイテク感覚を加えて、その立ち位置を再定義していきます」と語った。
そんなアキュラRSXプロトタイプは、8月15日・金曜日のモータースポーツ ギャザリング「ザ クエイル」で一般公開され、午前10時36 分 (太平洋標準時) のプレス イベントに登場。その後、8月17日・日曜日にペブル ビーチ コンクール デレガンスのコンセプトローンで披露される予定となっている。